導入事例

株式会社アンミッコ様

適性テストや 360度サーベイでの
フィードバックなどおこなうことで、
保育士の定着率が向上

株式会社アンミッコ

代表取締役 山賀 路子 様

  • 評価制度
  • 離職防止
  • エンゲージメント

360度フィードバック実施の背景

ーーなぜ360度フィードバックを導入したのでしょうか?

元々は大学病院の小児科の看護師をしていましたが、自分自身が子どもを保育園に預ける中で、ナースの視点を取り入れて保育ができれば、子どもたちがもっと安全に、もっと冒険ができ「真のたくましさと真のやさしさ」をはぐくむことができるのではと考え、15 年前にアンミッコ保育園を設立をしました。
現在2園を運営しており児童数100名、保育士は35名、看護師4名、栄養士2名、調理師3名、その他数名が勤務をしています。
待機児童の問題もあり保育への要望は高まる一方ですが、保育士が働きやすい環境、仕事を通して成長できる環境をつくることが安定した園の運営と保育には欠かせません。保育の現場は大半の時間を子どもとだけ過ごすことなり、またクラスごとに分かれているため全てを把握することはできません。そこででてくるのが人事評価の納得感の問題です。
人事評価では、時には厳しい評価をする必要があるわけですが、「すべての保育を見ているわけではないじゃないですか」と反論をしてくる方もかつてはいました。また「保育にはモノサシがない」のも難しさの一つです。
看護師であれば患者さんが回復していくなど成果が見やすいですが、保育では何を基準とすればいいのか、保育に対する大きな考え方は共有しているとしても、細部では一人ひとりの考え方が異なったりします。
もう一つの難しさは、日頃、大人からのフィードバックを受ける機会がすくないので、保育士の中には振返ることが苦手な方もいます。一緒に働く仲間からのフィードバックを受けて、妥当性と納得感のある人事評価をするために 360 度フィードバックを 導入しました。

施策実施、サービス導入のねらい

ーー現在の人事評価はどのようにおこなわれていますか?

現在の人事評価では
・年度目標の設定と、目標達成度に対する中間評価、最終評価の園長面談
・アンミッコ選手権(理念や保育の対応方法などの筆記 テスト)
・360 度フィードバック
の3つの観点でおこない、点数化してABCDEの総合評価をつけています。

施策実施上の重視したポイント、工夫点

ーー客観視が苦手な方もいる中で、工夫した点はどういった点ですか?

「自分を客観的に振り返る癖をどうすればつけられるだろうか?」という観点から最初に取り組んだのは、適性テストの導入です。
最初は私と園長の 3 名が受検をし、どのような特性があるのかを客観的に知る、また適性テストを通して改めて他者を知ることをおこない効果を実感しました。
そこで保育士、看護師の全員に適性テストを受けてもらい、適性テストの解説をしていただく講師にも来園いただき、全職員向けの読み解き会をおこないました。
適性テストの特徴ごとにグループに分かれてディスカッションをおこなう中で、自分や同僚について改めて見つめ直すことができ、非常に有意義な場になりました。
少し占い的な感じもあり抵抗なく取り組めたと思います。
次に取り組んだのが 360 度フィードバックの導入で、一緒に働く同僚からのフィードバックを通して自分自身の仕事振りを客観的に見つめ直すことを行いました。
一つ苦労をしたのは設問です。
一般的な 360 度フィードバックの設問も検討しましたが、抽象度が高いと理解されないのではと考えました。
保育に特化した設問は世の中にまだなかったこともあり、具体的に保育場面を思い浮かべながら作成をしましたが、おかげで効果的なフィードバックにつながっていると思います。
また、設問作成で私の保育観を見直す機会にもなりました。

効果と今後の展開

ーーどのような効果がありましたか?

離職が多いこの業界で離職がほとんど出ないというのが大きな成果だと思います。
離職が少ない一番の要因は基準の職員数よりも多く雇用をすることで、職員が気兼ねなく休める状況をつくっていることにあります。
有給の取得率も 100%になります。
このため産休、育休を終えた保育士も復帰してくれるので、保護者の気持ちを理解できる保育士が増える効果もあります。
お母さんと愚痴を言い合うのも大切なコミュニケーションの一つです。
先ほどの適性テストや 360 度フィードバックなどをおこない、職員が自分を客観視する機会や成長につながる気づきを得る機会を提供し続けていることも大きいと思います。
360 度フィードバックでは、保育についての大切な考え方の共通認識をつくり、課題認識のすり合わせがしやすい効果もあるのですが、「私のこんなところまで見てくれているか、ありがたい」とお互いの貢献を共有しあう効果もあります。
今後も職員のスキルアップにつながる取組みを継続しておこなっていきたいと思います。
保育園としてのカラーをつくっていきたいですね。

CBASE 360( ※旧スマレビ for 360°)について

ーーCBASEのサービスについて一言いただけますしょうか?

今後もより職員が納得のいく評価システムに改善をしていきたいので有効に活用をしていきたいと思います。
自己評価が高い人に限って客観視が苦手だったりしますので、毎年継続的に実施をすることが大切だと考えています。
運用面では回答者の紐づけが少し手間なのでシステムの使い勝手をより使いやすくしていただけることに期待をしています。
また360度フィードバックを活用したグループワークみたいなものも企画してみたいと考えています。

360度フィードバックを導入検討されている方に一言

ーーこれから360度フィードバックを検討されている方に一言いただけますか?

保育園に対する国の助成の一つにも人事評価制度の充実がうたわれていますが、保育の人事評価では先ほども述べたモノサシがない問題があります。
360度フィードバックは自分の仕事振りを知る周囲からの声をまとめることで一つのモノサシとして共通認識を作ることに役立ちます。
子どもと保育士という閉じられた世界に居続けると、どうしても自分を客観的に捉えることができなかったりするものですが、世界を広げてあげるサポートをすることが大切かなと思います。

株式会社アンミッコ
業種:医療・福祉業
事業内容:アンミッコ保育園、春アンミッコ保育園の運営
設立:2006年4月
従業員数:55名

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