導入事例
大手製造業 D社様
行動変容までがフォローされるサービスにより、
管理職の変化を実感
大手製造業 D社
- ハラスメント
- 管理職育成
360度フィードバック実施の背景
ーーなぜ360度フィードバックを導入したのでしょうか?
360度フィードバックの必要性を感じたのは管理職のマネジメント力に課題を感じていたからです。現状では業績が上がっていれば優秀とされており、管理職になる人材も業績評価が高い人が選ばれています。結果、マネジメント力に問題のあるような人も管理職になっています。管理職研修は行っているのですが、そもそも人選に問題があるためになかなか研修効果が出ていません。またハラスメント事案も増加しており、役員クラスを含めて管理職によるハラスメントの事案が聞かれています。ハラスメントを抑制するためにも、当事者に問題意識を持たせたいと考えました。
今は多様な働き方が認められるようになっていますが、当社のマネジメントは考え方が変わっていません。当社のマネジメントは全般的に上意下達であり、職場に対話が少なく、上司は部下の意見をあまり聞かない傾向があります。それが原因で優秀人材の流出が起きていますし、そのことがハラスメントにも影響しています。もっと部下の声を聞くマネジメントを根付かせたいと考えました。
施策実施、サービス導入のねらい
ーー施策の実施にはどのような期待があったのでしょうか?
当社はサーベイ自体を実施するのが初めてで、エンゲージメントサーベイも実施したことがありませんでした。360度フィードバック実施の目的は、管理者層を対象に、周囲からフィードバックを受けることで自身の強みや改善点を明らかにすることです。問題がある対象者を行動変容させ、マネジメント力を向上させることがゴールになります。そういった施策を実現できるベンダーを探して数社を調べ、サービス内容や実績からCBASEさんに決定しました。
他の会社は「結果レポートの読み込みは自社で行ってほしい」「行動変容のアクションは自分たちでやってほしい」など、サーベイ実施までで終わるサービスが多かったのですが、CBASEさんでは研修を含めて行動変容までのコンテンツが整備され、フォローしてもらえるのでお願いしました。
施策実施上の重視したポイント、工夫点
ーー運用するうえで気を付けたこと、意識されたことはありましたか?
もともと対話が少ない会社だったので、対象者である上司に改善点まできちんとフィードバックできるのかが不安でした。そこでCBASEさんから、回答のポイント、レポートの読み解き方、行動改善シートの記載方法などについてのサポート動画を提供してもらい、社内に広報しました。加えて、回答者向けの事前説明会も実施し、実施の目的等を改めて説明する機会を作りました。それにより、360 度フィードバックに対する正しい共通認識を形成できたと思います。
効果と今後の展開
ーー360度フィードバックでどのような効果がありましたか?
事前説明会を含めて、社内でも実施目的の共有が十分に行えたので、サーベイにも率直で誠実なメッセージが非常に多く書かれ、多くの気付きを対象者に与えられたと思います。サーベイから見えてきたのは、当社の社員の強みとして、仕事や人に対する「誠実さ」や「責任感」があるという点です。一方で組織方針への現場の巻き込みと人材育成が課題として明確になりました。
また、サーベイの組織貢献に関する点数で対象者を並べてみたのですが、結果が私たちの実感と合っていました。サーベイ結果を見ることで初めて自分たちを客観視できたと思います。
ーー360度フィードバックをどのように活用しましたか?
サーベイ終了後、CBASEさんに対象者向けのフィードバック研修を実施してもらいました。研修はオンラインで「結果レポートの読み解き方」や「個人結果の自己分析」などについてワークショップ形式で行いました。研修の後半には各個人で自身の行動改善シートを作成してもらい、それをもとにグループディスカッションも行いました。
360度フィードバックを実施してみて強く感じたのは、社員に「まじめさ」や「誠実さ」があることです。回答の姿勢からも誠実さがうかがえました。しかし、それが強く出過ぎてハラスメントになっていた側面があったと思います。フィードバック研修後には「部下に対する声掛けや部下へのメールの内容が変わった」という声が聞かれており、ハラスメント抑制の効果が出ていると感じています。
CBASEのスマレビについて
ーーCBASEのサービスについて一言いただけますでしょうか?
今回CBASEさんに決めたのは、サーベイ前後のフォローを軸に360度フィードバックのサービスが設計されていた点が大きなポイントでした。また実施するうえで気をつけないといけないポイントなどはCBASEさんのセミナーや資料で学ぶことがもでき、実施を重ねることでノウハウを学んでいけると考えました。実際に360度フィードバックの準備から報告、研修まで事務局に伴走し、きめ細かな対応をしていただきました。レポートは図表も多く、自分が気づいていない点で他者が指摘している内容がすぐにわかるなど、確実に気づきを得られる仕組みがあると感じました。
ーー今後の利用法や展開などで考えられていることはありますか?
今後、360度フィードバックを継続することで、三つのことを実現したいと考えています。
一つ目はフィードバックサイクルの構築です。マネジメントの機能として課題解決力や方針へ人を巻き込む力、人材育成の力が必要ですが、今後はそれらがいかに改善されているかを継続的に360 度フィードバックで計測し、行動変容に向けた仕組み化を行っていきたいと思います。
二つ目はハラスメントの目線合わせの機会の提供です。コメントでも「上司としての指導なのかそれともハラスメントなのかという線引きが難しい」といった声があり、現場の声が上に上がりづらい構造的な課題があると感じています。ハラスメントにはどんな種類があり、どんなことを行うとハラスメントになるかといった目線合わせを、毎年行ってハラスメント行為を抑制していきたいと思います。
三つめはハラスメント傾向者へのカウンセリング機会の提供です。360 度フィードバックは気付きの提供にはつながりますが、本人に自覚がないために行動変容までには困難を伴います。1対1で伴走してくれるカウンセラーとの対話の機会をつくるなど、具体的な解決策につなげたいと思っています。
360度フィードバックの導入を検討されている方に一言
ーーこれから360度フィードバックの導入を検討されている企業担当者に、アドバイスをいただけますか?
ベンダーを選ぶ際には、サーベイの実施だけでなく、その後、きちんと行動変容までフォローできているか、そうした実践メニューが揃っているかをよく確認すべきだと思います。今回、私たち360度フィードバックを初めて実施して、360度フィードバックとはどんなものか、どうすれば行動変容につなげられるのかといった仕組みや流れを学ぶことができました。今回は課長クラスまででしたが、次回は係長クラスまで広げて実施したいと思っています。
- 大手製造業 D社
- ハラスメント事案が発生するなどマネジメントに課題をお持ちの中で、スマレビfor360°を導入、気付きを行動変容につなげるための工夫や、今後の展望についてお話し頂きました。