導入事例
静銀ビジネスクリエイト株式会社様
キャリアアップのタイミングで360度フィードバックを実施。管理職・課長候補の自己改善を促す
静銀ビジネスクリエイト株式会社
経営管理部 松原様(左)金田様(右)
- 見える化
- 運用の効率化
静銀ビジネスクリエイト株式会社様は、しずおかフィナンシャルグループ各社の事務を代行・集中処理する業務処理のプロフェッショナル。為替送信事務、代金取立事務、公金取りまとめ事務など、グループの預金・為替サービスを支えています。アセスメントテストの一環として360度フィードバックを活用されており、2023年夏に第一回目が実施されました。真面目で穏やかな社風の中、率直な意見を引き出すためにどのような工夫をされたのか伺いました。
ペーパーベースの360度評価を効率化したかった
ーー360度フィードバックを導入された背景をお聞かせください。
金田様:
弊社では、もともと課長職に昇格するためのアセスメントテスト(能力や行動の特性を客観的に評価するテスト)の一環として、360度評価を実施していました。ただ、当時は紙の評価シートを用いていたので、運用面での効率化が必要だと感じていたのです。
以前は異なる支社や事業所の社員に依頼するときにはメールではなく行内メール便を使っていました。事務手続きにひと手間かかる上、ペーパーレス化が進む昨今において、なるべく紙の使用量を削減したいという思いもありました。こうした運用側の「業務を効率化したい」という課題に対していろいろと検討した結果、360度フィードバックの導入を決めた、という流れです。
ーーさまざまなサービスを検討する中で、CBASEの360度フィードバックを選んでいただいたのはなぜですか? 決め手になったことや、選ぶ際のポイントになったことがあれば教えてください。
松原様:
最大の理由は、すでに360度フィードバックを活用しているグループ会社があり、セキュリティ面も含めて安心感が高かったことです。導入を決めてからは、追加で確認しなければならない点などがあった際に、CBASEの担当の方がとても真摯に対応してくださったことが印象に残っています。システムの提供というよりも、導入から実施後の分析まで、総合的に細やかなサポートをしていただけたので継続していきたいと思いました。
率直な意見を引き出すために「匿名」で実施
ーーアセスメントテストの中で、360度フィードバックはどのような位置付けですか?
金田様:
マネジメント層への昇格を目指すタイミングで、自分自身を客観的に知るためのツールとして活用しています。
弊社は従業員のおよそ8割が女性です。皆さん非常に真面目で、チームと協働する意識が高いのですが、自己評価が控えめな人が多い印象です。360度フィードバックを実施することで、それまで見えていなかった課題に気づくだけでなく、周囲から認められている点を知って、モチベーションを上げてもらいたいと考えています。
年間を通じて面談などは行っていますが、フィードバックをするのは基本的に上司です。その点、360度フィードバックでは同僚や部下など、さまざまな人たちからフィードバックを受けられるので、新たな気づきが得られるのではないかと思います。
ーー初回の実施時に意識したことや、工夫したポイントを教えてください。
松原様:
匿名での実施とし、評価者が誰なのか分からない状態にしました。フィードバックをするのが上司だけであれば、匿名にする必要はないのかもしれません。ですが、同僚や部下にあたる人が「あなたの弱みや課題はこういう点だと思っている」と伝えるのは心理的に負担になる場合があります。もちろん人によると思いますし、フィードバックされる人との関係性にもよると思うのですが、弱みや課題を適切にフィードバックしてもらうためにも率直に答えられる仕組みが必要だと考えました。この点は、評価する側・される側の両方に「誰が評価しているのかは特定できないようになっています」とあらかじめ伝えています。
さきほどの話にもあったように、弊社は真面目で優しい人が多いので、フィードバックする側から率直な意見を引き出すためには安心して答えられる状態をつくることが重要だと考えました。
ーー回答者の方が安心して答えられるように匿名での実施とし、その点をしっかりとアナウンスされた、ということですね。実際に集まった回答の内容はいかがでしたか?
金田様:
それでも全体的には優しい回答が多かったですね。そもそも評価対象者が一生懸命取り組んでいて、良いパフォーマンスをしている、という前提があるからかもしれません。ただ、フィードバックは相手を傷つけるものではなく、その人が成長するための重要なものなので、もっと積極的かつ率直な意見を書いてもらえるように私たちからアナウンスしてもよかったのでは、とは思いました。
テストの合否にかかわらず自信を持ってほしい
ーー今後さらにアップデートするとしたら、どんなところに改善の余地がありそうですか?
金田様:
アセスメントテストの実施後には、3カ月、6カ月、1年といった区切りで目標を立ててもらい、定期的に振り返りをしています。その振り返りの場で、もっと360度フィードバックの内容を活かしていきたいと思っています。従来の360度評価よりも充実した資料が得られたのですが、まだ私たちが使いこなせていないというか、落とし込めていない部分があるので。
松原様:
補足をすると、アセスメントテストの結果の振り返りと、今後の能力開発のために自分自身の強みと課題を振り返ってもらう場になっていて、強みを伸ばし、課題を克服するためには具体的にどのような行動策が必要なのかを考え、計画を立ててもらうのです。それを在籍している部署の所属長が確認し、最終的には本人と所属長のコメントは本社に共有されます。
ーーこれまでのペーパーベースの360度評価と弊社の360度フィードバックでは、得られた内容に違いがあった、ということでしょうか?
金田様:
内容自体には、大きな差はないのかもしれません。違うのは、資料の見え方でしょうか。CBASEの分析資料は「この人はこういったことに強みを発揮できるんだな」「こういうところが次の課題なんだな」という点が非常に分かりやすかったです。社内のほかの人と比べてどうか、全体の数値がぱっと見て理解できるような形で表現されていて、見やすく、分かりやすい。対象者にも要点が伝わりやすいと感じました。
こうした資料が手元に届くと、仮にアセスメントテストが不合格だったとしても、励みになると思うのです。テストの合否にかかわらず、自分がどんな評価を周囲から得ているのかを知ることで、自信をもって次のステップに進むことができるのではないかと思います。
実際に面談などで「360度フィードバックの結果を受けてどう思ったか」を聞くと、やはり「評価されて嬉しい」という感想が大半です。
組織の状況に合わせた配慮が必要
ーー最後に、360度フィードバックの導入を検討されている皆さんに、ぜひアドバイスをお願いします。
松原様:
360度評価に限ったことではありませんが、重要なのはやはり「目的」ですね。何のためにやるのか、どんな課題を解決し、社員にどのような良い効果をもたらすことを期待しているのか、社内でしっかり話し合って、そういった点を具体的に定めることが大切だと思います。そして、対象者だけでなく、フィードバックする側の人たちに対しても目的をきちんと理解してもらうこと。他社が使っているからといって安易に導入してしまうと、その後「何のために実施しているのか」見失ってしまう危険性があります。
金田様:
周囲の複数人から評価される360度評価は、客観性が高く、強みや課題を認識するとても良い機会になる反面、自己評価と他人からの評価のギャップを知ることに抵抗があったり、他者に対して率直なフィードバックをしたら相手を傷づけてしまうのではないかと心配になる人もいると思います。その場合は、匿名で実施するのも一つの方法です。社内の雰囲気に合った手法で実施することをおすすめします。
ーー社風や社内の状況に合わせて、きめ細やかな配慮をされたのですね。お二方には導入時から積極的に質問をいただいたので、私も印象に残っています。
金田様:
そうですよね。ちょっと質問をし過ぎてしまったのでは、と二人で話していたんです。丁寧に対応していただきありがとうございました。
ーーむしろご質問をいただくことでどのような情報を提供すべきか気づきがありました。熱量を感じてとても嬉しかったです。こちらこそありがとうございました。
- 静銀ビジネスクリエイト株式会社
- 事業内容:しずおかフィナンシャルグループ各社から依頼を受けた各種事務の集中処理、静岡銀行などへの労働者派遣
設立:1999年6月
社員数:698名 ※2023年4月1日現在(パート含む)