導入事例

タキロンシーアイ株式会社様

ワークエンゲージメントの向上を目的に、
360度フィードバックを導入。
いかに行動変容につなげていくかが、今後の課題

タキロンシーアイ株式会社

人事総務部長 内田 達也様
人事総務部  村上 智章様

  • エンゲージメント向上
  • 組織活性化
  • 管理職育成

360度フィードバック実施の背景

なぜ360度フィードバックを導入したのでしょうか?

内田:当社においては、経営の最重要施策として2019年4月1日に「充実人生経営宣言」を策定し、社員一人ひとりの人生に、良質な職場を提供することを目指しています。どういった職場を作っていけば良いかと社員にアンケートを取ったところ、課題として見えてきたのが「ワークエンゲージメントの向上」でした。その解決に向けて、どのような施策があるかというところで、管理職が新たな気付きを得て、マネジメント力を高めていく必要があるのではという仮説を立て、360度フィードバックを実施することにしました

CBASEのサービスを選んでいただけた決め手は何だったのでしょうか?

内田:一番重要であったのは、役員を含む上位管理職の皆さんにしっかりと目的や意義を伝えることでした。

我々の目的は360度フィードバックを実施することではありません。上位管理職の皆さんに気付きを得てもらい、マネジメントに上手く取り入れてもらうことです。どうしても、教育的な側面が大きいので、そこをサポートしてもらえる役割が重要になってくると考えた上で、CBASEさんは実績もありますし、スタッフの方々の人柄含めて、最適だと判断しました。

施策実施、サービス導入のねらい

施策の実施にはどのような期待があったのでしょうか?

内田:「360度フィードバックは、マネジメントに気付きを与えるギフトである」とCBASEさんに教えていただきました。それを得られることを期待して実施させていただきました。まだ一回だけですが、ギフトを受け止めた後の行動の変化や化学反応が起きることが最終的な期待になると思っています

施策実施上の重視したポイント、工夫点

実施するうえで気を付けたこと、意識されたことはありましたか?

内田:実施にあたっては、対象者や回答者の皆さんに、この施策の目的や意義を丁寧に説明しながら、軸をぶらさないようにしました。何故なら、リスクもあり得ると思っていたからです。実際、取扱いを誤ったり、間違った理解で進めてしまうと気づきを得るどころか、不信感につながったり、下からの突き上げの道具に使われることがあると、他社の事例から理解していました。回答者にも「自分が記入した内容が本人にばれてしまったらどうなるのか」という不安がありました。特に今回は一回目でしたから、色々な化学反応が起こり得ますからね。そのあたりを上手くケアしたり、確認したりしながら、実施していくことが一番のキーポイントとなりました。

実施に際して、社員の方からはどんな反応がありましたか。

内田:対象者の受け止め方はほぼ好意的でした。すごく素直に受け止めてくれていた気がします。問題は、皆素直に受け止めるのですが、すぐに行動変容までは起きなかったことです。素直な割にすぐ行動に移せないのは、見られていることを意識して行動しなければいけないというところまで理解できていないからです。そこは少し時間が掛かりそうです。

逆に対象者の行動が変わってくると、回答者からのエンゲージメントが一段と上がります。実は、実施後のアンケートの結果では対象者に行動変容が起きたという質問に対して、「YES」と回答したのは12%でした。ただその12%の方は対象者の行動変容を非常にウエルカムと認識していることがわかりましたので、そのあたりはもっと対象者にフィードバックしながら回してあげないといけないと思っています。

効果と今後の展開

360度フィードバックでどのような効果がありましたか?

内田:対象者がメンバーからフィードバックをもらえたことに対して「有難い」と感じられたことです。これは、実施するまではわからなかったことでしたこうした取り組みを有難いことだと対象者が理解したことは一つの大きな効果です。

また、今回フィードバックというギフトをもらって、そこから対象者が行動変容を起こすことが社員のエンゲージメント向上につながるという仮説で360度フィードバックを実施しているので、その点は今後も結果を見ていかないといけないポイントです。

CBASE 360( ※旧スマレビ for 360°)について

CBASEのサービスについて一言いただけますか。

村上:導入までの打ち合わせや実施前の説明会、実施後の読み解き会など、一つひとつのプロセスを腹落ちさせながら進めていくことができました。スムーズに進めることができたのは、CBASEさんのおかげだと思っています。また、システムの設定を行うにあたって、CBASEの担当者さんがついてくれましたので、とても助かりました。こまめにご連絡をいただき有難かったです。

CBASEに今後さらに期待されることはありますか。

内田:HRテクノロジーも大切ですが、ワークエンゲージメントや心理的安全性は各社とも非常に気にしており、取り組みを強化しています。その中で360度フィードバックを活用する事例が増えると想定しています。このあたりの活用事例をもっと共有してほしいと思います。別に360度フィードバックに限らなくても良いです。ワークエンゲージメントを上げるために、どういうことをしていくのかといったことについて、他社の取り組みをもっと知りたいです。

今後さらに取り組んでいかれたいことがありますか。

村上:回答者や対象者からのアンケート結果では、半数ぐらいが「継続した方が良い」というリアクションでした。ただ、まだエンゲージメントが向上したかどうかはまではわかりません。今回は全管理職ではなく、上位管理職の階層だけを対象としました。もう一年、この階層で実施してみようという方針になっています。

また、今後は360度フィードバックと並行してグループコーチングも導入する予定です。行動変容を起こすためには、何をやったら良いのかを見ていこうと思っています。

内田:根付かすことが大事だと思っています。今回と同じ上位管理職に次年度もう一回実施し、根付かせていく考えです。それができれば、対象を拡大する時に上位管理職の方々に相談役になっていただけます。その土台づくりのために次年度も同じように行うという認識です。

グループコーチングは、マネジメントの強化と気付きから行動変容を起こしていくために、どうしたら良いかをCBASEさんと共有・確認していく中でご提案いただきました。特に、対象となる上位管理職は多忙な方々ばかりですし、今後の展開を考えるとその階層に「グループコーチングって良いね」と言ってもらわないと会社として良くありません。だから、丁寧に進めたいのでCBASEさんには引き続きご協力いただきたいです。

いずれも、軸となるのはワークエンゲージメントの強化ですが、もう一つの考え方としては、次年度に社員全員がイキイキと働けるような環境を目指していきたいです。そこに向けてどんな人事施策を進めていくかを考えたいと思っています。

360度フィードバックの導入を検討されている方に一言

これから360度フィードバックの導入を検討されている企業担当者に、アドバイスをいただけますか?

内田:軸をしっかりと持つことです。大切なのは、実施の背景と目的。その軸を変えないことです。例えば、我々はワークエンゲージメントの向上のために実施しています。ここは変えていません。社員に変に伝わると逆効果になりかねませんからね。だからこそ、軸を変えないことが重要なのです。目的も説明もぶれてはいけません。社員に不信感が生まれてしまったら、この取り組みは成功しないことを認識しておく必要があります。

村上:導入目的を明確にして、社員に説明することが重要です正解は一つではなく、それぞれの会社が持っていると思っています。我々がやっていることも、まだ正解であるかどうかはわかりませんが、何のためにやっているのか、社員にも丁寧に説明していくことが、今後続けて行く上でも大事になってくると考えています。

タキロンシーアイ株式会社
事業内容:合成樹脂製品の製造・加工・販売、無機化学工業製品の製造・販売など
創立:1919年10月10日
設立:1935年12月20日
従業員数:約3,300名(連結/2021年3月末時点)

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