ESGとは?意味や企業での取り組み事例をわかりやすく解説
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ESG投資などの取り組みが注目されるようになり、企業がESGに取り組む重要性が高まっています。しかし、ESG経営をどのように取り入れたらよいか、わからない方もいるのではないでしょうか。
今回はESGとはどのような意味か、ESG経営を取り入れる方法や、注意点について解説します。ESG経営を取り入れるうえでの参考にしてください。
目次
ESGとは
ESGは、「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」の頭文字を取った言葉です。たとえば、以下のような取り組みが該当します。
環境:二酸化炭素の排出量の削減、水質汚染の改善
社会:女性の社会進出など男女平等の環境づくり、労働条件の改正など
ガバナンス:企業の統治体制の整備、不祥事の予防やリスク回避のための法令遵守など
これらの3要素が企業の長期的な成長に重要といわれており、ESGを重視した経営を実践するESG経営や、ESGの観点で配慮された企業に投資するESG投資も登場しています。
ESGに配慮した経営に取り組むことで、ESG投資の対象になりやすく、企業のイメージアップにつながるでしょう。それだけではなく、不祥事を回避しやすくなることから、経営上のリスク回避や、長期的な成長につながる点もメリットです。
ただし、これらの3つについて、法律などによる明確な定義や指標は明確になっていません。2018年3月には、世界のESG投資額は3100兆円、世界の投資額の3分の1を占めるようになっており、今後はより高まっていくことが予想されます。
注目されている理由
ESGが注目されるようになったのは、2006年に国連責任投資原則(PRI)が提唱されはじめたことが最初です。
日本では年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、2015年にPRIに署名し、2017年にESG投資をはじめることを明言したことから広がりはじめました。
ESGとSDGsの違い
SDGsとは、「持続可能な開発目標」を示し、2015年9月の国連サミットで、「2030年までに持続可能で、多様性と包摂性のある社会を実現する」ことを目的にした国際的目標です。貧困・飢饉・教育など17項目の目標が定められています。
ESGはSDGsとの関連性はありますが、ESGは企業の取り組みや投資対象に使う言葉で、SDGsは企業だけではなく、もっと広い全人類を対象にしていることが大きな違いです。
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ESGに配慮した経営をするためには
ESGに配慮した経営といっても、具体的な取り組みは多種多様で、企業の状況に合わせた取り組みが必要です。ここではESGに配慮した経営をするためには、どのような取り組みができるか、紹介します。
ムダを減らし環境に配慮する
ESG経営への取り組みの一つは環境への配慮やムダを減らす取り組みです。具体的には、省エネへの取り組みや、環境破壊につながる活動を見直し、再生資源の利用に取り組むなどが挙げられます。
ESG投資では、ギャンブル・アルコール・タバコなどESGに反する特定業界を投資対象から排除するネガティブ・スクリーニングという手法が行われています。
これらの事業に該当しない場合でも、自社で省エネや環境にどのような形で貢献できるか、検討してみましょう。
労働環境の改善
労働環境を改善し、働きやすい環境つくりは、ESGを実践するうえで欠かせません。そのため、まずは会社の労働環境がどのようになっているか調査し、課題がある場合には解決を図ることが大切です。労働環境を改善することで、従業員のモチベーションの向上や生産性アップにもつながります。
労働環境の改善方法としては、企業の課題がどこにあるかの調査や分析からはじめ、課題に合わせた対処が必要不可欠です。
多様性への配慮
性別や国籍、人種、考え方の違いなど多様な人種や考えを受け入れ、許容できる環境づくりができることで、社会的な価値が高まります。LBGTやマイノリティに対する配慮も重要です。
具体的な施策例としては、育児休業や介護休業制度の導入、裁量労働制やフレックスタイム制度の導入などの取り組みが挙げられるでしょう。また、制度だけではなく、コミュニケーションの機会を増やし、相談しやすい環境をつくることも重要な取り組みの一つです。
ダイバーシティに配慮した経営は、採用力の強化や離職率低下の予防にも密接に関わります。
企業の統治体制を整える
統治体制を整備し、企業のガバナンスを高めることは、企業から不祥事が生じる可能性を減らし、生産性の向上にもつながる取り組みです。
具体的な取り組みとしては、コンプライアンスの徹底や遵守するための体制づくり、社内でのルール決めや業務を可視化し、責任の所在が明確になる仕組みづくりが挙げられます。
情報開示
特に公開する義務がない「被財務情報開示」について情報開示をしていくことで、「ESGに配慮した企業である」ということを社会にPRできます。
具体的には、情報開示できる体制の構築し、そのための人的リソースの確保も必要などが必要です。情報開示することで、企業イメージがよくなるだけではなく、求人効率の改善効果も期待できるでしょう。
ESG経営に取り組む際の注意点
ESG経営は企業が取り組む重要性が高まっていますが、実践は簡単ではありません。ここではESG経営に取り組むうえでの注意点を解説します。
効果が出るのに時間がかかる
ESG経営は中長期的な成果を目的に取り組むため、施策を実施してもすぐに結果につながりません。取り組みへの体制づくりやフィードバックを行い、定期的な見直しが求められます。
そのため、短期的な結果で取り組みを評価せず、長い目で改善していく姿勢が重要です。
明確な基準設定がしにくい
ESGは法律などで具体的な指標や数字による設定がされていないため、明確な基準設定が難しい点が課題です。
ESG経営の成果は決算や財務情報だけみても判断できず、どのような指標を設けるべきか、取り組みごとに適切な目標を設定する必要があります。
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ESGの取り組み事例
ESG経営に実際に取り組んでいる企業にはどのようなものが挙げられるか、次でいくつか事例を紹介します。
SOMPOホールディングス
SOMPOホールティングスは、ESGに配慮した融資や保険引き受けを行なっています。ESG投資を行うため、「グループサステナブル経営推進協議会」を設置し、ESGへの取り組みを評価する枠組みを取り入れました。
投資先企業との対話を行い、ESGに対する対話を行うことで、ESGリスク提言のための取り組みを促しています。
CANON
CANONは「共生」という企業理念を掲げ、ESG経営の取り組みをホームページで公開しています。
地球温暖化対策・リサイクル・有害物質排除・生物の多様性保全・CSRへの取り組みを行い、ガバナンス体制については、外部の取締役を2名以上かつ3分の1以上の独立社外取締役を加えることで、透明性が高い、取り組みを実現しています。
オムロン
オムロンは毎年のESGに関する取り組みを、ESG説明会で発表しています。具体的な取り組みとして、事業活動における環境負荷の低減や、社会に有用な商品サービスの提供、エネルギー事業への取り組みなどを行なっています。
積水ハウス
積水ハウスは脱酸素社会を目指し、住環境の整備の観点からESG経営に取り組んでいます。省エネとエネルギー創出によるネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)を賃貸住宅に導入し、人にも環境にも優しい住環境の創造を目指しています。
また、従業員一人ひとりが健康な生活を送れるよう、働き方改革や心身の健康増進にも取り組んでいます。
ESGのまとめ
ESGへの取り組みは企業が長期的な成長、企業のイメージアップや生産性の向上、ESG投資による資金の確保など、今後取り組みへの重要性はより高まっています。しかし、ESGへの取り組みの中でも、ガバメントや働きやすい環境づくりのためには、企業の抱えている課題に合わせた対応が必要です。
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