アクションラーニングとは?効果的な進め方と注意点
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アクションラーニングを通して、企業のチーム力や個人の能力を高めたいと考えている人事担当者の方は少なくないでしょう。アクションラーニングは現実の問題を扱うことで、問題解決につながりやすいですが、正しい手順で導入しなければ、思うような効果が発揮されません。
今回はアクションラーニングの手法や、導入のメリットについて解説します。アクションラーニング導入時の参考にしてください。
目次
アクションラーニングとは
アクションラーニングとは、現実に起きている問題に対して、チームを組んで解決策を議論、実行、フィードバックすることを通して、個人や組織の力を向上させる学習手法です。
1930年にレバンス氏によって、アクションラーニングは考案されました。もともとアメリカで主流となっている学習手法ですが、日本でも、日立情報通信エンジニアリングやキヤノン、野村証券などで導入されはじめています。
現実に起きている問題を扱うため、参加者のモチベーションが維持されやすく、当事者意識を持って参加しやすい点が特徴です。
アクションラーニングが注目される理由
アクションラーニングが注目を集めているのは、VUCAの時代が到来したことにより、組織の抱える問題が複雑化したこと、これまでとは異なるリーダーシップが求められるようになったことなどが挙げられます。これらの背景により、個人の能力開発に加え、組織力まで求められるようになりました。
アクションラーニングを通して、チームとしての力や個々人の問題解決能力を高められ、個人のアクションにもつながります。リアルな現場の課題に対して議論をするため、受講生のモチベーションが維持しやすい点も魅力です。
アクティブラーニングとの違い
アクティブラーニングとは、能動的な学習を意味し、学習者が自分から答えを求めて行動する学習手法です。ビジネス上の正解を教えるのではなく、自分で答えを探すことで、主体的に行動する意識が育ち、相手を尊重する姿勢が生まれます。
アクションラーニングは、グループで取り組みますが、アクティブラーニングは1人または少人数での取り組みが一般的です。
高い回答回収率、自動グラフ化機能による課題解決への即効性が期待できます。
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アクションラーニング導入のメリット
アクションラーニングの導入は、企業にとって以下のメリットがあります。
・受講生の交流を促しやすい
・問題解決策が生まれやすい
・リーダーシップの育成につながる
・学習する組織の構築ができる
・個人の能力開発につながる
アクションラーニングは、グループでの話し合いを行うため、受講生との交流を促しやすくなります。近年会社内でのコミュニケーションに課題を抱えている企業は少なくありません。そのような場合に、アクションラーニングの導入はコミュニケーション活性化のアプローチとして効果が期待できます。
普段交流しないメンバーがいることで、新たな視点が生まれ、これまでにない解決策が生み出せる点もメリットです。普段と同じメンバーを集めると、通常のミーティングと同じような内容になりがちですが、業種や職種が変わると、別の視点からの意見が生まれやすくなります。チームとしての能力向上にも効果的です。
アクションラーニングはリーダーシップ育成にも効果を発揮します。リーダーシップに必要なコミュニケーションや主体性を育てられるためです。目標達成のため、周囲とコミュニケーションを取ることが、参加した社員には求められます。
学習する組織の構築にも効果があります。学習する組織とは、組織に属するメンバーが新しい知識やスキルを前向きに取得しようとする組織です。この学習する組織が構築できると、メンバーの能力が高まりやすくなります。
個人の能力開発にも効果的です。アクションラーニングではコミュニケーションに必要な質問力、傾聴力、共感力、思考力が鍛えられます。
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アクションラーニング導入の手順
アクションラーニングの進行の手順はさまざまです。たとえば以下のような流れで進行します。
・問題の設定
・チームの編成
・質問による進行
・リフレクション
・その後のアクション
このような手順で進めることで、効果的なアクションラーニングの導入ができます。次で詳しい手順について解説します。
問題の設定
アクションラーニングでは、具体的な問題設定をし、共有することからはじめます。基本的なルールや進行の手順を決めることが大切です。
実際の業務を扱うため、守秘義務や、決定事項へのコミットメントなども決めておきましょう。
チームの編成
チームを編成する際には、チームメンバーとコーチを設定する必要があります。
コーチはアクションラーニングの進行やまとめをする人です。このコーチは問題解決に直接関わらないこと、全メンバーが話し合いに集中できるよう、学習につながる質問をすること、話し合いの進行や時間管理を行うことが主な役割となっています。
質問による進行
話し合いの最初には問題がどのようなものなのか、何を解決するべきなのか、問題の再定義をしましょう。最初に定義が明確になっていることで、議論が別の方向にずれてしまうのを回避できます。
アクションラーニングは質問を中心に進めます。質問に答えるときのみ意見をいい、それ以外のときには、意見をいえません。ただし、進行管理するコーチのみ、状況に合わせ、意見をすることができます。コーチが質問したとき、メンバーはそれに回答しなければいけません。
このような手順を通して、問題に対する解決策や目標をチーム全体で話し合っていきます。
リフレクション
リフレクションとは、振り返りを意味し、これまでの取り組みや話し合いの流れを確認することです。議論の最後にどのような話し合いが行われたか、手応えなどを振り返ることで、次回以降のアクションラーニングに活用します。
話し合いの途中で、中間リフレクションを行う場合もあります。
その後のアクション
また、1回の話し合いのあとでは、決めたことをベースに行動していきます。そのため、アクションプランを作り、次回以降に何をするべきか、行動できる内容まで決めておくことが大切です。
また、次回以降の話し合いでは、行動の結果どうなったかの振り返りを行いましょう。
アクションラーニング導入の注意点
アクションラーニングを導入するときには、いくつか注意しておくべき点があります。ここではどのような点があるか、解説します。
問題解決への権限があるか確認する
アクションラーニングでは、まずその問題解決のために必要な権限があるかどうかが大切です。対象となっている社員に問題を解決するのに必要な権限がなければ、問題解決の行動につなげられません。
原因や責任追求で終わらせない
アクションラーニングでは、実際の問題を扱うため、原因や責任追求で話を終わらせないことが大切です。原因や責任追求をし、特定の社員や事業を糾弾しても、生産的な話し合いにはつながりません。
コーチは誰かの責任を追求する話の流れになったら、すぐに干渉し、話題の軌道修正を図る必要があります。
コーチの存在が重要
アクションラーニングではコーチの存在が重要です。コーチは高い進行管理スキルや質問力が求められ、コーチの質がアクションラーニングの効果に大きく影響します。また、社員から任命する場合には、直接問題解決に関与しない第三者から選定するとよいでしょう。
場合によっては外部コーチの導入も選択肢です。
まとめ
アクションラーニングは実際の問題をテーマに議論するため、参加者のモチベーションが高くなり、チーム力の向上、個人の能力開発にも効果的です。
ただし、アクションラーニングが効果を発揮するためには、適切なルール決めと、コーチの介入など、押さえておくべき点があります。この記事を参考に、アクションラーニングの導入を検討してみてください。
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