キャリア・アダプタビリティとは?サビカスの4次元と企業での導入方法
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キャリア・アダプタビリティとはどのような概念か知りたい、と思う企業の人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
キャリア・アダプタビリティは昔からある概念ですが、VUCAの時代の到来により、より注目されるようになってきました。
本記事ではキャリア・アダプタビリティとはどのような概念か、構成される要素や、企業で高める方法について解説します。企業でキャリア・アダプタビリティを高める制度を導入したいとお考えであれば、ぜひ参考にしてください。
目次
キャリア・アダプタビリティとは
キャリアアダプタビリティとは、時代の変化など、環境に合わせて変化を受け入れ、キャリアを適合できる能力です。
この概念は、ドナルド・E・スーパー氏がはじめて提示し、その後マーク・L・サビカスによって、構築されました。
キャリア・アダプタビリティが高い人は、転勤や異動に対しても柔軟に適合できるとわれています。
キャリア・アダプタビリティが注目される背景
キャリア・アダプタビリティは、1950年代から登場した概念ですが、近年になって注目を集めています。その大きな要因が、VUCAと呼ばれる時代の到来です。
VUCAとは、「Volatility」「Uncertainty」「Complexity」「Ambiguity」の頭文字を取ったもので、変化しやすく、不確実、複雑で、曖昧である時代を示します。
この時代が到来したことで、キャリアの変化も激しくなり、年功序列制度や、終身雇用制度が崩壊し、変化に柔軟に対応できる人材の重要性が高まりました。そのため、キャリア・アダプタビリティが高い人材を育成することは、企業の人材戦略として、今後重要性が高まってくるといえるでしょう。
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サビカスが提唱する4次元
サビカスは、キャリア・アダプタビリティを、以下4つの次元で説明しています。
・関心(Concern)
・統制(Control)
・好奇心(Curiosity)
・自信(Confidence)
これらの概念がどのようなものか、理解することがキャリア・アダプタビリティを理解するうえで大切です。それぞれどのようなものか、次で解説します。
関心(Concern)
関心とは、未来や自分のキャリアへの関心を意味します。自分が進むべき道を、自分で明確に定めるために必要な能力です。自分の夢や願望、ビジョンを長期的な目線で持っている人が該当します。
関心は4つの要素の中でも土台といえる要素で、この要素がなければ、後に説明する要素を満たすことも難しくなります。
統制(Control)
統制とは、キャリアを自分でコントロールできる力です。キャリアのコントロールは自分が主体となるもので、選ぶキャリアについて自分で責任を持つことが求められます。
とはいえ、キャリアの形成には、企業や組織の環境が関わるものです。そのため、統制ができる人は、コントロールできるものと、できないものを見極めつつ、自分の行動を決められます。
好奇心(Curiosity)
好奇心とは、未知のものや人、仕事へ前向きに関わろうとする気質です。この気質があることで、自分の興味があるものに対して、積極的に関わるようになります。新しい人脈や情報を積極的に獲得できます。
自信(Confidence)
自信とは、困難なものごとに対して、果敢に挑戦できる気質です。自信があることで、未体験のものや不安定な環境の中でも、自分のキャリアを発展させやすくなります。
自信がある人は、自己効力感が高い人ともいわれています。自己効力感とは、ある課題や目標に対して自分が適切な行動を取り、実現できる能力があると感じられている状態です。
関連記事:自己効力感とは?自己肯定感との違いや種類、高め方
これら4つの要素を持ち合わせている人材は、自分の進むべきキャリアを明確に認識できるようになり、継続的に成長していける人材となるでしょう。
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企業でキャリア・アダプタビリティを高めるには
キャリア・アダプタビリティは、個人で高めるものですが、企業の取り組みで、キャリア・アダプタビリティを高めるサポートも可能です。
ここでは、どのような手法があるか、いくつか紹介します。
キャリアパスの整備
キャリアパスとは、企業が従業員に示す人事育成計画です。企業に所属し働くことで、どのようなキャリアが形成できるのか、仕事における、人生計画を提示します。
VUCAの時代が訪れたことで、企業で形成できるキャリアパスも一つではなく、他種多様な生き方に対応した、キャリアパスの形成が求められるでしょう。
キャリア形成に必要な能力の確認と形成
キャリア形成に必要な能力を把握し、形成することでキャリア・アダプタビリティは高まります。
キャリア形成に必要なスキルはさまざまですが、社会人基礎力のように、会社を問わず求められる能力や特定の業界や会社で求められるスキルなど、非常に幅広いものです。
個人のキャリア形成では、自分に必要な能力を把握し、長期的な目線でスキルアップを図る必要があります。
関連記事:社会人基礎力とは?なぜ必要なのか、求められる理由や鍛え方まで解説
面談とフィードバック
企業が面談やフィードバック、教育体制を充実させることで、キャリア・アダプタビリティは高まります。具体的ややり方の事例としては以下のものがあるでしょう。
・メンター制度
・1on1ミーティング
・360度評価
メンター制度とは、上司以外の先輩社員から、若手社員を1対1でサポートする制度です。
上司以外の社員が相談できる環境を整えることで、人間関係の改善や、成長を促し、キャリア・アダプタビリティでいう、関心を育むことにもつながります。
1on1ミーティングは上司と部下で行うミーティングです。部下の育成を主な目的としており、役割や目標の提示、目標達成のフォローなどを行います。1on1ミーティングでは、部下の業務遂行能力を高め、キャリア・アダプタビリティを4つの観点全般高めるうえでも役立ちます。
360度評価とは、一人の従業員に対して、上司や同僚、部下など複数人の視点から評価する手法です。この評価制度を導入することで、より客観的な評価がえられ、自分の能力や強みを認識するのに役立ちます。
ただし、キャリア・アダプタビリティを高めるためには、これらの制度をただ導入するのではなく、目的に合わせて運用することが大切です。
関連記事:
メンターとは?よいメンターの条件やメリットは
1on1とは?その効果と実施のポイントは?
まとめ
キャリア・アダプタビリティはVUCAの時代が訪れ、終身雇用制度や年功序列制度が成立しなくなった今の時代に、注目を集めるようになりました。
関心、統制、好奇心、自信の4つの観点から、自分自身のキャリアについて考え、キャリア形成のために必要な行動ができる能力を身につけることが、キャリア・アダプタビリティを高めるうえで大切です。
キャリア・アダプタビリティを高める手法として、360度評価の導入も選択肢です。CBASE 360の360度評価は導入が簡単にでき、負担もかからないため、すぐに客観性が高い、評価制度を導入でき、従業員の自己理解を深めるのに役立ちます。
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