降格人事は可能?降格人事が可能なパターンについて解説
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「降格人事とはどのようなことを指すのだろうか」
「降格人事はどのような場合に行うことができるの」
と気になりませんか。
降格人事とは、企業が社員の職務上の地位を下げることを指します。
降格人事は制度的にも法的にも問題がない状態で行わなければ企業が訴訟リスクを抱える可能性があります。
この記事を読めば、降格人事について理解することができます。
降格人事について気になっている方はぜひ、最後まで読んでいって下さい。
目次
【結論】正社員に対して給与が下がる降格人事をすることは原則違法行為
降格人事を行うにあたって最も注意して欲しい点は、正社員に対して給与が下がる降格人事を強行することは原則として違法行為と裁判所に認定される可能性があることです。
なぜなら、労働基準法と労働契約法は原則として給与を社員本人との合意がなければ給与を下げることを認めていないためです。
そもそも労働者に毎月支払うと約束したお給料は双方合意の契約であり、契約は一方の都合で破ることはできないためです。
反対に給与減額を伴わない発令は本人の尊厳を傷つけなければ可能です。
減給処分は裁判覚悟で行う最終手段であり、仮に正当な理由があるとしても会社側は不利となります。
なぜなら、裁判で活用される労働基準法と労働契約法は労働者のための法律であり、経営者のためのものではないため勝つ負ける以前の話だからです。
もしもどうしても減給を伴う降格人事を行う場合には、関連する判例(特に最高裁判例)を良く読み、労働基準監督官に良く確認して発令を考えるようにしましょう。
降格人事とは?降格人事の種類
「降格人事にはどのような種類があるのだろうか」と気になりませんか。
降格人事には以下の種類があります。
・懲戒処分(懲罰として発令して辞令交付)
・人事異動
それぞれについて解説します。
懲戒処分(懲罰として発令して辞令交付)
降格人事には社員が仕事で致命的なミスをしたといった懲戒処分があります。
懲罰という性質を持っているため、発令後に事例を正式に交付します。
懲罰の内容によっては会社内の掲示板に処分内容と氏名を一定期間掲示することもあります。
人事異動
降格人事には人事異動があります。
人事異動の一貫として行われるものであり、役職を解く解職や降格があります。
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降格人事が裁判所に認められるためには社会通念上相当な理由と根拠が必要
降格人事が裁判所に認められるためには、社会通念上相当な理由と根拠が必要となります。
なぜなら、労働法規は基本的に一度向上させた賃金などの待遇を会社が一方的に下げることを認めていないためです。
認められるためには以下のような証拠の積み上げが必要となります。
・就業規則に降格条件が明記されており、本人に周知徹底されていること
・降格処分を行うに足る証拠
・懲罰委員会などヒアリングの場を設け、本人の希望を聞く
それぞれについて解説します。
就業規則に降格条件が明記されており、本人に周知徹底されていること
降格人事が裁判所に認められるための大前提として、就業規則に降格条件が明記されており、本人がそれを深く理解している必要性があります。
なぜなら、周知徹底されていない就業規則は裁判で本人が「読ませてもらったこともない」と反論し立証されれば、無効化するためです。
就業規則に書かれていないことを一切会社はできないだけではなく、本人が就業規則を読んで理解していなければそもそも懲戒処分はできません。
管理職昇格時に絶対に管理職研修が必要であり、昇格試験の中身が就業規則の暗記という会社も多いです。
降格処分を行うに足る証拠
降格処分を行うにあたっては降格処分に足るだけの証拠が必要となります。
なぜなら、何の根拠や証拠もなく感情論や印象だけで懲罰を下したと主張されれば、会社側は損害賠償を支払うことになるためです。
必ず懲戒事由に該当するだけの証拠を集めるようにしてください。
懲罰委員会などヒアリングの場を設け、本人の希望を聞く
懲罰を行うにあたっては、懲罰委員会などヒアリングの場を設けて本人の意見を聞くようにして下さい。
なぜなら、本人の同意も取らずに降格人事を強行したとなれば裁判官の心証が悪くなる可能性があるためです。
どのような状況でも本人の意見は絶対に聞く必要性があると考えてください。
裁判になったとき本人の話を聞いた事実がなければ高い確率で会社側が敗訴することになります。
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降格人事が行われる理由
「他の企業ではどのような理由で降格人事が起こるのだろうか」と気になりませんか。
一般的には企業で降格人事が起こる理由は以下の通りです。
・能力不足
・パワハラ
それぞれについて解説します。
能力不足
降格人事が行われる理由は能力不足を根拠としてものが多いです。
なぜなら、会社側が期待していた成果を社員が出せなければ降格させないと周囲に示しがつかないと思いこんでいる経営者が多いためです。
経営上は周囲に示しがつかないという理由があるのですが、実際問題として本人の意見を聞かず、証拠もない状態で降格人事を強行すれば裁判を起こされる可能性が高いです。
客観的に見て合理的な理由をしっかりと立証できる状態で降格人事は行いましょう。
パワハラ
昨今ではパワハラが大きな問題となっており、パワハラを行う上司に対して厳しい処分を下す企業が増加しています。
これまでの状況とは異なりパワハラ防止法も実施されており、パワハラは明確な違法行為と認定されるようになっています。
しかし、労働法規が厳しいため、思い切った降格人事は難しいでしょう。
降格人事で起こる弊害
「降格人事を行うことで会社にどのような影響が出るのだろうか」と気になりませんか。
降格人事を行うことによって会社内に以下のような弊害が出る可能性があります。
・社員の退職
・社員がモチベーションを失う
それぞれについて解説します。
社員の退職
降格人事を行うことによって、降格人事を受けた社員は退職してしまう可能性があります。
なぜなら、会社から厳格に罰を食らったと感じるためです。
また、他の社員の目などもあり、居づらくなって退職してしまう方は多いです。
社員がモチベーションを失う
降格処分を受けた社員と、周囲の社員がモチベーションを失います。
降格された本人はもちろんですが周囲の社員も「せっかく難しい仕事に挑戦していたのに失敗したらこの会社は罰を下すのか」と会社に反感を抱きます。
最終的には難しい仕事に挑戦する社員がいなくなる可能性があります。
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降格人事の伝え方は丁寧に行う
降格人事の伝え方は、本人に丁寧にするようにしましょう。
なぜなら、無礼な態度で伝えるとトラブルになる可能性があるためです。
また、復活する可能性のある社員には期待を添えて伝えることも重要です。
まとめ
今回は、降格人事について解説させて頂きました。
降格人事の中でも、給与が下がる降格人事は原則違法行為となる点には注意してください。
正社員に対して毎月支給されているお給料は、労働契約の元に支払いがされており、会社側の一方的な都合で契約を破棄することや内容を変えることは認められていません。
また、降格人事は最後の手段だと考えるようにしましょう。
降格人事は証拠の集まり具合などによって発令するかは考えましょう。
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