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非常事態における心理状況の変化について

2020.04.17 離職防止

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2019年12月に中国の武漢市で始まったとされる新型コロナウィルスによる流行により、日本では2020年2月頃からテレワークによる自宅勤務などが取り入れられるようになってきました。
と同時に武漢、韓国で一旦収束したウィルスの感染は欧米各国の感染拡大をもたらし、イタリアに端を発する西ヨーロッパ各国、そして現在はアメリカが集中的に感染者の数、及び死者の数も増えて、増加の伸びがおさまる気配が見えていません。

さて本稿ではこのような世界各国で広がっているコロナウィルスの感染の中、日本においては4月7日に非常事態宣言が出されるという時点で、主に首都圏や都市圏に住む職業従事者や生活者のメンタルヘルスについて考察します。
他国ではロックダウン(食料品、医療品、銀行等以外24時間外出禁止)が多く行われ、一般市民の精神的ストレスは高まっています。
日本においても通常と違う生活を強いられ、かつ、目に見えないウィルスに感染しないようにという意識で生活することは、ストレス環境下にあると言っても差し支えありません。

この状況下で、人の心理が如何に変化するかをこれから解説していこうと思います。

ストレスとは

ストレスとは元々物理学や工学で使われていた用語で日本語だと応力という意味があります。ものにどれだけ圧力がかかるか、そしてどれだけ圧力がかかると凹んでしまい、元に戻らなくなってしまうか、というポイントを探る時に使う概念で、比喩として心理的な意味でも何かプレッシャー、ネガティブな圧力がかかり、通常の精神状態でいられなくなり、元に戻れなくなってしまう時の用語として使われるようになっています。

図1にあるように、心にストレスがかかると丸い玉だった心は楕円になってしまい、しばらくはストレスが取り除かれればまた綺麗な円に戻るかも知れませんが、もし、ずっとストレスがかかり続けていると心は楕円にひしゃげたまま戻らなくなってしまうかも知れません。
このような比喩でのイメージ図が用いられることがあります。他にもイメージ図があります。

ストレスを水と模して、コップに水(ストレス)が溜まっていく比喩があります。
ある程度までは耐えますが、コップの容量を超えてしまうと水は溢れ、コップはストレスを許容できなくなってしまいます。
これも心のストレスを表現するよく使われる喩えになっています。
では、ストレスがかかりすぎると心には何が起こるのでしょうか?
次はそこについて説明していきます。

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ストレスがかかると何が起こるか

ストレスとは心にネガティブな力がかかり、ネガティブな反応(ストレス反応)が起こるという極めて抽象的な概念です。
ネガティブというのは例えば感情で言うと怒り、恐れ、不安、悲しみなど多岐に渡ります。
となるとストレスがかかりすぎて起こるストレス反応も種類が複数に渡ることが想像されます。
例えば近しい家族を失い、強い悲嘆にくれる場合は、悲しい気分から立ち直れず鬱々とし、うつの気分から抜け出せなくなってしまう場合があるかも知れません。
逆に仕事で失敗を繰り返し、上司から怒られることを恐れるあまり、その不安や恐怖がパニック反応を引き起こすようになる人もいるかも知れません。
いずれにしてもストレス反応とは動物でも起きる反応でもあるので、単純化していくと以下のような反応に大別されるようになります。

パニック状態・行動:過活動を起こし、状態を打開する。あるいは誤作動を起こし、正常に身体が機能できていない
闘争・怒り系:身体を興奮させ、状態を打開。
逃走系:恐怖、不安で状況から逃走し、状況を打開。
諦め:状況が打開できないと身体・精神が認識し、最小エネルギー使用モードに。うつ状態もこれの一つと分類できる。

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ストレスにかかりやすい人、そうでない人

いずれにしてもストレス反応は元々は動物として生存に役立つ機能は持っていたかもしれませんが、現代社会に生きる人間としては、生活に不都合が出るくらい大きくは感じたくないものではあります。

さて、ストレス反応が出るまでにはどのようなメカニズムが働き、その反応が決定されるのでしょうか?
人間のストレス反応は複合的な要素から生じますが、単純化すると、個人の置かれている環境と、内的な要因(性格的なものや、信念など)、行動様式(ストレスがかかった時どのように行動するか)の組み合わせでその発生の確率や頻度、強度(脆弱性やストレスに対する強靭さ)が変わってきます。

まず環境要因としては、置かれている環境が物理的に大変(長時間労働や神経を集中せねばならないなど身体的、精神的に疲れるもの)、周りに支えになる人がいる(話を聞いてくれる人がいるかどうか)、本人が置かれている環境に満足しているかどうか、などが関係してきます。
その状況により、本人の内的要因や行動様式がいかにストレスに対して強靭に対応できる人でもやはり限度というものは出てきます。

次に内的要因ですがまずは本人の価値観(どんな大変な時でも自分の基準を崩さずに頑張って物事をこなさねばならない、あるいはこなしたいと思う)をどこまで通すかが一つ目の要因になります。
次に人は心の生き物ですので、ストレスを感じた時にそれをどれだけ長い間、心の中で受け止めるか、すなわち、思考や感情をどれだけストレスに向けるかも関係してきます。
これにより、どれだけストレスがかかった時に、身体精神的にそれを受け止め、ストレスホルモン(コルチゾールなど)が反応するかが決まります。

最後に、行動様式ですがこれは様々なものがあります。
単純に想像するとストレスがかかった時、人によってはそれを解消しようと飲みに行ったり、カラオケに行ったり、あるいは人に話を聞いてもらったり。
他にはストレスの原因を解決しようといろいろ策を練ったり動いたり。
さらにはストレスから逃げようと策を練ったり動いたり。
いろいろな行動方略があります。

これら、上記したものの組み合わせでストレスがかかった時、すぐに調子を持ち崩す人、そして逆に一向にこたえない人が出てくるのです。
皆さんはいかがでしょうか?

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震災の時、東北の人はストレスを感じる度合いが高かった

一般的には上記の様にストレスに対する反応は個人の内的要因や行動様式、つまりは個人差で決まってきます。
しかし、個人差とは関係なく、多くの人が一気にストレスを感じる時があります。
天災や戦争など社会全体に危機を及ぼす事象が起きた時、人々は総じてストレスを感じ、多くの人がストレス反応を生じることがあります。
近年だと、東北大震災の起きた2011年に東北で使われた心理検査では他の地域では見られない個人の抑うつ気分が優位に高い、そして内的要因も行動様式も含めてストレスを感じやすい方向にその地域に住む人全体が引っ張られるという事象が確認されています。
つまり、その人が置かれている環境が激変して危機的状況が起きたときは、どのような性格や価値観・信念、行動様式を持った人でも対応の限界があるということです。

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現在の環境について

現在(2020年4月5日)の日本の環境は、コロナウィルス により東京の感染者が増加し、1ヶ月前のテレワークなどの導入の時の雰囲気、状況とは深刻さが変わってきています。
このままの増加曲線、感染者拡散数でいくと西欧諸国が辿った道を送ることも考えられます。
4月に入ってから英国エコノミスト紙の記事でも出ていますが、都市がロックダウンになると生活者は基本的に家から外出することができなくなり(必要なものの買い出しや必要な職業の人以外は)、生活が変わり、ストレスを感じる人も増えてくると思われます。
4月4日の週末から日本でもコロナウィルス 期におけるメンタルヘルスの記事が多く執筆される様になってきています。

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対策できること

まずは、自分がどんな状態に置かれているか自覚することが重要です。
ストレスに強い人弱い人いますので、実は強い、という人は自覚しなくてもこの時期をそのまま乗り切れてしまう人もいるかもしれません。
しかし、自分が何か無理をしているな、あるいは環境が変わって気が張ってしばらくは頑張れているものの、時間が経ったら急に疲れが出てくる、などということもあります。
生活環境の変化に追われ、それに対応するために精一杯という方や、逆に忙しくしていないと落ち着かないということでやることをたくさん入れてしまう方もいるかもしれませんが、一人で落ち着いて自分がどの様に感じているか考えているか、体調はどうかを見つめる時間をとってみるのも良いかもしれません。
ヨガや瞑想などを体験したことがある人はそれを実践してみると自身の状態について自覚しよう、知覚しようと注意を向けることもできます。

ウィルスに感染しない、させないように注意を払うことももちろん重要ですが、この時期をどう乗り切るか、長期戦になるのであれば自分はどのように向き合うのか、合えるのか自覚できると良いのではないでしょうか?
末尾になりますが、本当に不安に思った方は、心理検査(特にメンタルヘルスの状況をモニターする検査)などを受けて、その状況を測ってみるのも良いかもしれません。

2020年4月1日(4月7日改訂) 野田浩平

  • 著者紹介

    360_02

  • 著者紹介

    株式会社ココロラボ代表取締役
    株式会社Ducks and Drakes取締役
    代表理事 野田 浩平

    東京工業大学大学院修了(博士)外資系コンサルティング会社、ベンチャー企業での人事コンサルティング、人事サービスの提供を経て現職。感情の認知科学(うつ)の専門を生かし、人の評価、メンタルヘルスのサービスを提供。現在はモチベーション、エンゲージメント、幸福観と変遷してきた感情研究の延長で、社会的公正を国家間でどう実現するか、フィリピンを拠点に実戦と思索と双方で活動中。

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