手を抜けない人事評価のコメントは型を押さえて良好な関係を築こう
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業務量の多い中で上司という立場の社員の悩みの種が毎年の人事考課・評価で発生する評価コメントの作成。
部下の育成や評価は仕事と思いながらも、特に部下を持つようになって経験の浅い人は、評価コメントの作成時に部下への教育の甘さや、サポート不足といった自分の働きかけの不足を感じてしまい心痛いようです。
とはいえ、部下の今後のキャリアやモチベーションにも関わる大切な作業。
今回は、限られた時間の中で、どのように部下の働きや目標達成に向けてのプロセスを振り返り、評価コメント作成の作業を進めていけるか?を注意点や事例と合わせて解説します。
目次
人事評価コメントの必要性
まず、人事評価制度は社員の異動や報酬などに影響する大切な制度です。
社員の勤務実態に応じ、待遇面や昇級・昇格、育成計画、適材適所のための配置など企業が成長戦略と社員のパフォーマンスとを結びつけるための大切な判断材料です。
ここに添えられるコメントには、単に上司から見た部下、部下から見た上司というデータ以上の価値があるのです。
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人事評価コメントの書き方のポイント
人事評価のコメントは、上司側だけでなく部下側も作成するものですが、上司側が適切な書き方がわかっていないと、部下側もどのように書いて良いかわからなくなります。
社歴の浅い部下には書き方のポイントを予め指導しておくと良いでしょう。
部下に人事評価のコメントについて指導する際は、「シンプルな言葉で」「数字的根拠を用いて」「具体的に」ということを伝え、感情的・感覚的なコメントにならないよう注意を払いましょう。また、個人の行動だけでなく、チームの中での貢献についても触れることも伝えておくと良いでしょう。
上司として被評価者へコメントを書くにあたっても同様に「シンプルな言葉で」「数字的根拠を用いて」「具体的に」が大切ですが、加えて「公平性」も重要な要素です。
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人事評価コメントで配慮を必要とするもの
人事評価のコメントでやってはならないのが、「人格を否定」「他者と比較」するようなコメントです。
人事評価の対象は業務ですが、数値化が難しい項目については評価に主観が入りやすくなってしまうため、特に注意が必要です。
また、他者との比較に関しても、周囲と比べ劣っている、他の優秀な社員と比較するような内容も、被評価者の尊厳を傷付け、モチベーションを著しく下げてしまいます。
あくまでも「業務」に対して評価するようにしましょう。
人事評価コメントは評価基準で変わる
人事評価でのコメントの対象となるのは「成果(業績)評価」「能力評価」「情意評価」の3つです。
これら3つの評価に関するコメントの例と注意点について解説します。
成果評価での例と注意点
成果(業績)評価は、期初に設定されていた業務目標や、実際の業績に対して評価する項目です。
業務目標の達成度、課題目標達成度、日常業務成果といった3つの軸から評価されます。
業務目標の達成度は、工場職員であれば生産個数、営業職員であれば営業成績、販売職であれば販売数や販売金額といったもので達成率を見ていきます。
課題目標達成度は、販売職の場合は目標売上に貢献するために、売り場にどのような改善をしたか?工場職員であれば製造レーンでのロスをどれだけ減少させたのか?というように、それぞれの現場における課題解決のための取り組みとそれによる課題解決の達成度を判断するものです。
日常業務成果については日常的に発生する業務について、日々のPDCAやルーティングワークをうまくまわせるようになった、などが判断の材料になります。
能力評価での例と注意点
能力評価は、社員個々が能力をどれだけ発揮し、業績での結果や貢献につなげたかを確認していきます。「実行力」「計画力・企画力」「解決力」「課題改善力」といったものを中心に見ていきます。
自ら課題・問題を発見し、見つけた課題・問題をどのように改善・解決していくのかの対策を立案し、その対策を実行するための企画・計画を実行に移し、結果を出すまでの一連の活動を部分的、そして全体的にと複数の視野で評価を考えることが大切です。
数値化が難しい評価のため、具体的な数字があげられるものは積極的に数値化することをお勧めします。
情意評価での例と注意点
情意評価は、業務に対する勤務態度や姿勢を評価するものです。「責任感」「積極性」「協調性」が情意評価の対象となりますが、これも数値が難しいため、勤怠などの数字を優先しがちになりますが、勤怠だけでなく積極的に取り組んでいるかどうかの評価をしっかりと盛り込みたいところです。また、積極性が強くとも、周囲との調和が取れず、社内でのコミュニケーションに苦慮するような場合は、適した評価コメントを残さないと本人の行動改善を促すことが難しくなることも考えられます。
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業種別の人事評価コメント例
ここでは業種別のコメントについて例を交えて解説します。
事務職
「目に見えにくい小さな問題をいち早く気づき、即座に対応して未然にトラブルを防いでくれています。会議資料のレイアウト調整を工夫して印刷枚数を減少させるなど積極的なコスト削減も実施し会社全体の利益を考え行動する姿勢が見られます。」
事務職の担当する業務は目には見えにくい努力の積み重ねや、丁寧なコミュニケーションによる内外との信頼構築により、各担当者の後方支援となっていることが多く、数値化が難しいものがあります。具体的に何が、経営・運営における何に効いているのかを明記することが大切です。
営業職
コメント例:
「個人の営業目標は95%であった。しかし、後輩たちの支援を惜しみなく続け、その結果、育成を担当した部下全員が個人目標を達成し、部署全体の目標達成にも貢献している。来期は周囲だけでなく自己の目標達成にも集中してみてほしい。」
営業職は具体的な数字目標もあり、また結果も数字として現れやすいので比較的、コメントも作成しやすいでしょう。
問題は目標を達成できなかった社員へのコメントで、自分のことだけでなく周囲への貢献が認められる場合は、部署への貢献の様子を記載しても良いでしょう。
医療関係
コメント例:
「日々、相手の立場で考え、丁寧に観察・記録する行動の積み重ねが、急変時の即時対応の正確さにつながっていることを評価したい。これからは、周囲との連携したチームとしての業務も意識し成長を続けてほしい」
看護師・介護職といった職種では毎日、決まった仕事をしていますが、突発的に利用者の状況急変などが起こるため、臨機応変さや柔軟性、日頃の観察力が評価対象となります。
周囲との連携も不可欠な業務も多いため、コミュニケーション能力や仕事を適切に人に任せる姿勢も注目ポイントです。
福祉・保育関係
コメント例:
「子ども一人ひとりの成長や変化に気づき、保護者との連携で適切に子どもたちの安全確保と成長をサポートできている。保護者からのアンケートも高評価が続いており、同僚からも信頼が厚い。」
保育士の仕事は、子どもの安全と成長への適切なサポート、さらに保護者との協力の体制が築けているかが注目ポイントになります。顧客満足度は保護者と子どもの多方向になり、しかも予測不能な事態も考えられる仕事のため、俯瞰して全体を把握し最良の行動を選択できていることも評価には大きく関わります。
まとめ
今回は人事評価におけるコメントの書き方と注意点について解説しました。
人事評価のコメントは、主観をできるだけ排除して客観性を高めることを意識しないと、評価者・被評価者の関係性も浮かび上がってしまう側面も持っています。
毎回の人事評価がお互いの成長の確認であり、モチベーションを引き出す活力剤となるような社内人間関係の構築も大切ですね。
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