クラッシャー上司の特徴と対策方法とは?部下を潰す上司の見極め方と対応策
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クラッシャー上司は部下を精神的に潰し、自分だけが出世する上司のことです。このような上司は短期的な売上には貢献することがあっても、長期的な会社の成長を阻害してしまいます。
クラッシャー上司の問題は個人の適性だけではなく、会社の制度に課題がある場合もあるため、会社の問題として捉えることが重要です。
クラッシャー上司とは何か、特徴や問題点、対処法について解説します。クラッシャー上司に対して対処するときにお役立てください。
目次
クラッシャー上司とは
クラッシャー上司とは、部下を休職や退職に追い込む上司のことです。クラッシャー上司はパワハラやセクハラなどの上司と意味合いが異なり、組織の中では優秀で評価されている点が異なります。
そのため、企業によってはクラッシャー上司は必要な人材であると判断され、黙認されるケースもあります。
クラッシャー上司の問題点
クラッシャー上司は仕事が優秀でも、最終的に会社に悪影響をもたらします。具体的には以下の点です。
・イノベーションを阻害する
・人材育成を阻害する
・人材流出を促してしまう
クラッシャー上司の部下になった人は退職しやすくなり、離職率が上がってしまいます。離職しない場合でも、部下のモチベーションが下がることで、人材の育成も遅れてしまいかねません。「自分の意見を言っても無駄」という気持ちが強くなると、会社内でのイノベーションも起こらなくなります。
クラッシャー上司がいることで、短期的に売上を上げられても、長期的な会社の成長を阻害してしまうでしょう。
クラッシャー上司が注目される背景
パワハラの原因を分析していく過程で、クラッシャー上司が注目されるようになりました。
パワハラの背景を見ていく中で、問題になったのが日本の雇用形態です。日本企業の傾向として、年功序列で階級が上がり、スキルや能力ではなく「部下として扱いやすい人」が好まれる傾向にありました。そのため、社風や会社の雰囲気に馴染める人が優先的に採用される企業も少なからずあります。
上下関係が重視される会社の風土の中で、会社に馴染めない人や、上司の意向にそぐわない人を権力で排斥するのがパワハラです。このパワハラの問題を検討する過程で、クラッシャー上司の存在が注目を集めるようになりました。
働き方改革関連法に対応していく上で、このクラッシャー上司への対応は重要な問題といえます。
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クラッシャー上司の特徴
クラッシャー上司は部下に対する接し方だけではなく、性格にもある傾向がみられます。ここではどのような特徴があるか、解説します。
部下や同僚への思いやりにかける
クラッシャー上司は部下や同僚を配慮する気持ちが少なく、褒めることが苦手な傾向があります。また「自分ができることは他の人もできて当たり前」と感じている点も特徴です。
褒められることで部下が喜ぶという気持ちが想像できず、部下のパフォーマンスを上げるために、何をすればよいか適切に把握できていません。自分の気持ちを優先し、ミスに対して怒り執拗に部下を責めてしまう場合もあります。
部下の心情を理解し、共感できる上司であれば、マイナスの点を指摘するだけではなく、部下がどのように感じているのか対話し、部下の気持ちを理解しようとする努力を怠りません。
自分の考えに固執してしまう
クラッシャー上司の特徴として自分の考えに固執してしまうことが挙げられます。自分の考えが正しく、そうではない考え方が間違っているという考えを持っていることが特徴です。
部下は自分の意見を聞いてもらえず、一方的に上司の考えを押し付けられることにストレスを感じてしまいます。
周囲に自分と同調するよう強要し、自分の指示を完璧に守らないと、厳しく糾弾する場合もあります。
メタ認知能力が低い
クラッシャー上司の問題としてメタ認知能力が低いことがあります。メタ認知能力とは、自分の言動や行動を客観的に捉えられる能力です。メタ認知能力が高いと、周囲との円滑な人間関係を作りやすく、急なトラブルなどで感情が乱されることはありません。
一方でクラッシャー上司はメタ認知能力が低いため、自分がどのような状態になっているか客観的に把握できず、自分のやり方にこだわってしまいます。
承認欲求と自己防衛本能が強い
クラッシャー上司は承認欲求が強い傾向にあります。承認欲求が強いこと自体は問題ではありませんが、承認されないことに対して、恐怖感を感じている場合があるのが問題です。
自分の承認欲求が脅かされる危険があると、そのような危険を排斥しようとし、頭ごなしに怒鳴りつけてしまうことがあります。
成績は優秀なケースが多い
クラッシャー上司とただのパワハラ上司と大きな違いは、クラッシャー上司は成績が優秀な傾向にある点です。売上や営業成績が優秀なことで、会社からは評価されていると、クラッシャー上司の存在が黙認されてしまう場合があります。
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クラッシャー上司への対処法
クラッシャー上司は一個人としては優秀でも、長期的にはデメリットが大きいため、適切な対処が必要です。ここではクラッシャー上司がいる場合、人事としてどのような対処を行うべきか解説します。
対話を行う
クラッシャー上司への対策は人事やコーチによる話し合いを行うことです。クラッシャー上司は個人としては優秀な場合が多く、メタ認知能力を高め、自分で課題を乗り越えられるのであれば、会社としても損失を出さずにすみます。
しかし、クラッシャー上司の改善は、ただ単に忠告や罰を与えるだけでは意味がありません。
クラッシャー上司の能力や心に課題があることも考えられるためです。コーチングや研修を行い、メタ認知を高める、マネジメント力を高めるなどの対策を行います。
ポストオフ
クラッシャー上司との対話をしても改善が見られない場合、役職を外すポストオフ、または給料を落とすなどの対処を行います。クラッシャー上司の成績がよいとしても、改善が見られなければ、会社に悪影響を与えてしまうためです。
特にクラッシャー上司について相談があったにもかかわらず、放置した場合、コンプライアンス体制違反として責任を問われる可能性があります。
コーチや人事との対話を通して、建設的にやりとりするのが好ましいことは確かです。しかし、改善が見られない場合には、早めに対処することが大切です。
クラッシャー上司を生み出さないために
クラッシャー上司が生まれるのは個人の資質だけではなく、会社の雇用制度や人事制度が影響しています。そのため、クラッシャー上司を生み出さないよう、対策を整えることも重要です。
会社に課題はないか分析する
クラッシャー上司を生み出す背景に、会社の課題がないかどうか分析しましょう。
クラッシャー上司が生まれる背景として、個人の適正だけではなく、会社の人事制度や雇用制度に問題があることも考えられます。特に年功序列制度は問題を発生させがちです。また、企業のコンプライアンスの考え方に問題がある場合もあります。
しかし、クラッシャー上司の問題は表面化しにくく、社内の人事だけで会社の課題を分析するのは難しい場合があります。
そのような場合は社外の組織診断の利用を検討しましょう。
相談窓口を設ける
クラッシャー上司への対処や早期発見のためには、相談窓口を設けることが大切です。
クラッシャー上司は個人としては優秀で、そのような行為を行っていても、簡単に表面化しない場合があります。
秘密を相談できる相談窓口を設置することで、部下から何かあった場合に相談でき、早期発見が可能です。
ただし、相談窓口の利用は上司が確認できると、利用が難しくなります。そのため、相談したことが外に漏れないよう配慮することが大切です。
相談窓口への相談でクラッシャー上司の存在が確認できた場合も、その対処は慎重に行う必要があります。
会社の給与体系・人事制度・評価制度を整える
会社の人事制度や評価制度の見直しはクラッシャー上司問題の発見や予防に効果的です。人事制度や評価制度の変更は、企業の風土に強い影響を与えます。
たとえば360度評価のように複数人から評価できる制度を導入することで、客観的な評価ができ、クラッシャー上司が生まれにくい環境づくりが可能です。
組織の風通しがよくなれば、相談しやすい雰囲気が作れ、クラッシャー上司が生まれにくくい体制が整います。
また、人事制度を整え、個人の能力だけではなく、周囲との協力体制について評価項目を設けることも有効です。
クラッシャー上司のまとめ
クラッシャー上司は部下を退職や休職に追い込みますが、優秀な人材が多く、対策が軽視される場合があります。
しかし、長期的には会社に不利益を生み出し、放置することで、コンプライアンス違反のような深刻な問題を引き起こしかねません。そのような問題に発展する前に対処することが重要です。
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