インシデントとは?意味や定義、アクシデントとの違いをわかりやすく解説
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インシデントは、企業で起きる好ましくない出来事です。インシデントはどのような企業でも起こるもので、インシデントに対して、適切な対策を整えることで、大きなトラブルになる前に対処できます。
インシデントとはどのようなものか、種類や対策方法について解説します。インシデント対策を整える参考になれば幸いです。
目次
インシデントとは
インシデントは「好ましくない出来事」のことです。ISO22300による定義では、「中断・阻害、損失、緊急事態、危機に、なり得るまたはそれらを引き起こし得る状況」とされています。
情報セキュリティを扱う分野では、「ネットワークやコンピュータのセキュリティを脅かしうる事象」、カスタマーサポートの分野では「解決すべき課題」と業務内容によって細かい意味合いはさまざまです。
インシデントの中には緊急性や重大性が高く、対応が遅れると、重大なトラブルに発展するものもあります。インシデントに対して、早急に対応できる体制を作ることで、インシデントの影響を最小限に抑え、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
アクシデントやヒヤリハットとの違い
インシデントはアクシデントやヒヤリハットと混同されることがあります。アクシデントは「事故」であり、「すでに起きたこと」のことです。インシデントはまだ事故にはなっておらず、アクシデントになる手前の状態を示します。
ヒヤリハットは作業中に危険があり、「ヒヤリ」や「ハッ」とした出来事のことです。インシデントの意味としてはこのような事象は含まれます。しかし、インシデントには、ヒヤリハットに該当しないものもあるため、同義ではありません。
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企業の代表的インシデント事例
企業で起きるインシデントにはさまざまなケースがあります。インシデントにはどのような事例があるのか、紹介します。
情報セキュリティ
DXが進み、インターネットで情報を扱う企業は多く、情報セキュリティはほとんどの企業が対策すべきインシデントといえるでしょう。
インターネットを経由して、悪意のある第三者や会社内部からの情報漏えい、災害によるものなど、これらのリスクは完全に回避できません。
また、情報漏えいは影響が非常に大きく、以下のような被害をもたらします。
・企業の信頼性が下がる
・損害賠償に発展する
・原因究明や改善に時間がかかる
情報セキュリティのインシデントは、深刻な事態を招くこともあり、将来的な利益の損失をもたらします。対応が遅れればより深刻化するため、早期に対処できる体制を整えることが重要です。
ハラスメント
企業内部で起こりがちなインシデントがハラスメントです。ハラスメントは「嫌がらせ」などのように訳される言葉で、企業におけるハラスメントには、さまざまなものが当てはまります。
・セクシャルハラスメント
・パワーハラスメント
・モラルハラスメント
・アルコールハラスメント
・スメルハラスメント
一般社団法人日本ハラスメント協会によると、ハラスメントは種類が多く、30種類以上あるとしています。ハラスメントは、従業員のメンタルの不調などのトラブルにもつながるため、早期の対処が重要です。
ハラスメント対策としては、研修や規則を作る、相談窓口の設置などの対処があります。また、組織風土を改善し、風通しのよい組織を作ることも重要です。風通しがよくなることで、ハラスメントの早期発見ができ、ハラスメントの抑止力にもなります。
業務上のミスが原因のもの
インシデント名前がつけられないミスやトラブルが原因で起きるものも多数あります。クレームに発展する可能性がある顧客対応、不注意によるミス、業務の抜けや漏れなどもインシデントの一つです。
このようなミスは「経験や能力の不足」「指示やマニュアルに従わなかった」「不注意」「疲労」「指示を間違って解釈した」「業務フローや対応方法の欠陥」などの要素が原因で起こります。
このようなインシデントは原因やその背景まで分析し、内容に合わせ改善策を立案、実施する必要があります。
インシデントを防ぐには
インシデントはアクシデントに発展する前に対処することで、被害を最小限に抑えられます。ここではインシデントを防ぐために、どのような対処ができるか解説します。
課題を見つける
インシデントの発見方法は、ワークフローの分解や組織診断を通して、課題を見つけるなどの方法があります。
インシデントの発生には、ワークフローや組織風土に問題があることがあるためです。ワークフローや組織風土が抱えている課題を発見し、対策を講じることで、インシデントの予防策になるでしょう。
具体例として、組織診断を外部に依頼する方法があります。組織診断は、自社で行う場合、組織の課題を把握するための調査に時間と手間がかかり、情報が適切に集められない場合もあるのが課題です。
外部に調査を依頼することで、効率的に現状の把握と改善策の提案ができ、組織の課題改善に効果を発揮します。
インシデントの記録
インシデントを防ぐためには、これまで起きたインシデントの情報を保存しておくことが重要です。
インシデントは緊急性が高いものだと、対応にばかり目を向けてしまう場合があります。しかし、インシデントの記録を残しておくと、その後の再発防止や早期対処につなげられます。
特に情報セキュリティのインシデントは、意識して残すようにしておかなければ、ログが消えてしまう可能性もあり、そうなってしまうと原因究明は困難になるでしょう。そのため、ログが可能な限り残せる体制を作ることが重要です。
インシデントの記録をつけておくことで、組織のノウハウ蓄積にもつながります。
インシデントの対応優先度を決める
インシデントは優先順位をつけて、対応することで、その影響を抑えることが重要です。インシデントは日々さまざまな形で起き、複数のインシデントが同時に起きることもあります。
インシデントの重要性をレベルに分けておくのがおすすめの方法です。インシデントの記録を残しておけば、優先順位を適切に判断しやすくなり、緊急事の判断でも、判断が滞る心配をする心配もなくなるでしょう。
情報共有体制を整える
情報共有体制を整えることで、インシデントの予防、早期発見、早期対処につながります。具体的には不透明な業務を作らないことです。
不透明な業務とは、担当者が不明確でワークフローが可視化されていないもの、業務が属人化しているものなどが挙げられます。
ワークフローとは、業務時にやるべきことを一連の流れとして整理したものです。担当者は誰か、現状どこまで業務が進んでいるか可視化できる状態になると、インシデントを予防できます。
属人化した業務とは、特定の担当者のみしか業務の進捗を把握できていない業務のことです。このような業務は担当者の不在や退職時に、業務の内容が把握できず、重大なトラブルになる可能性があります。
また、インシデントの受付先が明確になっていれば、インシデント発生時に慌てることも少なくなり、対応もスムーズになるでしょう。
対応策の振り返り
インシデント対策を立案、実施したあとは、その後の経過観察が重要です。
その対策が効果があったのか、別のインシデントは発生していないか、効果を検証し、効果が出ていない場合は、再度原因分析や改善策の立案までする必要があります。
また、改善策を実施する前に、効果が検証できる体制を作っておきましょう。
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まとめ
インシデントはどのような企業でも起こりうるもので、大きな問題に発展する前に対処することや予防策を整えることが重要です。
インシデントに対して、対応策を整えておくことで、影響を最小限に抑えられます。スマレビが提供する「組織診断」や「360度評価」は組織の課題をスピーディな把握や、会社でのハラスメント対策や風通しのよい環境づくりに役立つサービスです。
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