リーンスタートアップとは?実施の手順やデメリット
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リーンスタートアップは顧客の需要を最小限満たす商品を作り、顧客の声を素早く拾って改善するマネジメント手法です。しかし、どのように実践するのか、方法がわからない人もいるのではないでしょうか。
今回はリーンスタートアップとはどのような開発手法なのか、具体的な手順やメリットについて解説します。マネジメントや開発手法の改善にお役立てください。
目次
リーンスタートアップとは
リーンスタートアップとは、コストをかけず、最低限の機能をもった試作品を短時間に開発し、顧客の反応を収集・改善することで、満足度が高い製品やサービスを開発するマネジメント手法です。
低コストで顧客に需要があるかどうか、反応をみてから本格的な開発ができるため、無駄な投資を避けて開発できます。
1979年に生まれたアメリカの企業家エリック・リースが提唱し始めました。
アジャイル開発とは
アジャイル開発はリーンスタートアップと高い関連性があります。アジャイル開発とは、システムやソフトウェア開発で使われる言葉で、一つの機能ごとに短いスパンでの開発計画を立てることで、スピーディに開発する手法です。
リーンスタートアップは起業や商品開発の手法であり、アジャイル開発はソフトウェアの開発手法であるという違いがあります。しかし、「小さくはじめて、素早く改善する」という点で両者は非常に親和性が高い手法といえるでしょう。
高い回答回収率、自動グラフ化機能による課題解決への即効性が期待できます。
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リーンスタートアップのメリット
リーンスタートアップは、これまでの開発手法と異なり、以下のようなメリットがあります。
・コストと時間を抑えてニーズを確認できる
・早期に動き出せる
・フィードバックを得やすい
・変化に対応しやすい
これらのメリットにより、スピード感がある起業ができます。次で実際にどのようなものか解説します。
コストと時間を抑えてニーズを確認できる
リーンスタートアップのメリットは、コストや時間を抑えて商品を提供できることです。
従来のマネジメント手法の場合、完全な製品を作るまでには時間とコストがかかります。しかし、ニーズがあるかどうかも把握できない状態ではじめるため、売れるかどうか不確実という点が問題でした。
しかし、リーンスタートアップでは最低限の機能をもった商品を作って市場に出すため、顧客の声をすぐに集められます。顧客の声からより正確なニーズが把握でき、ニーズがあると期待できれば、改善を繰り返して、より満足度が高い製品やサービスの開発につなげられます。
早期に動き出せる
リーンスタートアップは早期に新規市場に参加できることがメリットです。特に新規分野であれば、いち早く市場に参入することによる先行利益が獲得でき、市場での優位性まで確保できます。
ニーズが不明瞭な分野やトレンドがわかりにくい分野で、リーンスタートアップは効果的です。
フィードバックを得やすい
リーンスタートアップでは、商品を市場に出すまでの時間が短く済むため、フィードバックをすぐに得られます。商品開発に時間がかかると、市場に出るまでに時間がかかり、フィードバックも得られません。
フィードバックを素早く得られることで、ニーズの有無やサービス改善の方向性をいち早く調査・分析できます。
変化に対応しやすい
リーンスタートアップは開発から市場に出すまでのサイクルが短いため、市場の変化に対してもスムーズに反応できます。
大規模な開発を行なっている場合、市場に大きな変化があっても、これまで投入したコストや時間があるため、開発中断という決断は簡単にはできません。
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リーンスタートアップは時代遅れ?デメリットはある?
リーンスタートアップは「時代遅れ」といわれることがあります。しかし、適切な方向性で運用すれば、決して時代遅れなマネジメント手法ではありません。
ここではリーンスタートアップで起こりうるデメリットについて解説します。
信頼が失われるリスク
リーンスタートアップは素早くサービスや商品を開発して、市場に出すことです。しかし、これを「不完全なものを出す」ことだと間違って捉えている人もおり、信頼が失われるのが、リスクであるというのが課題であるという声があります。
たしかにコストや時間の投入は最小限ですが、最初の商品が顧客のニーズを解消するものでなければ、意味がありません。また、従来ほどしっかりとしたニーズ調査はできませんが、ニーズの仮説検証については必ず行います。
また、商品を市場に出すときのリスクコントロールも可能です。「販売するユーザーを限定する」「ベータ版と製品版の名前を変更する」などの方法により、信頼性への影響を抑えられます。
ただし、注目度が高い商品やサービスの場合には、期待値が高いことから、SNSでの炎上リスクは避けられません。そのような商品の場合には、リーンスタートアップは不向きといえるでしょう。
リーンスタートアップが不向きなモデルもある
リーンスタートアップはビジネスモデルによっては、期待するような効果が発揮できないものがあります。具体的には以下のようなケースです。
・既存のビジネスモデルがある場合
・イニシャルコストが高い場合
既存のビジネスモデルがある場合には、既存のサービスや商品よりも何らかの形で優位が取れるものである必要があります。そのため、ある程度の開発コストや時間は必要になってしまうでしょう。
イニシャルコストが高い場合、開発コストを最小限にしてもある程度の費用がかかります。そのため、リーンスタートアップとしてはじめるには不向きです。
これらの条件に当てはまる場合には、リーンスタートアップではじめるのは避けた方がよいでしょう。
リーンスタートアップのプロセス
リーンスタートアップはスピード感をもって開発する手法です。具体的には以下の手順で進めていきます。
- 仮説を立てる
- MVPを作る
- 仮説を計測する
- 再構築する
実際にどのような手順で進めるのか、次で解説します。
1. 仮説を立てる
最初に、どのようなニーズがあるか、どのようなサービスや商品が顧客のニーズを満たせるのか仮説を立てます。
仮説構築で利用できるのが、リーンキャンバスというフレームワークです。このシートでは「世論」「作る商品」「マーケティング手法」「期待できる成果」などを記入し、商品を作るうえで必要な情報をまとめます。
2. MVPを作る
最初に立てた仮説を検証するためのMVPを作ります。MVPは、「必要最低限のプロダクト」のことで、コストや時間を抑え、顧客の最低限のニーズを満たせるプロダクトのことです。
一般的にはコストがかかりやすい部分ですが、リーンスタートアップでは、実用に必要な製品をコストをかけずに開発するため、コストは最小限に抑えられます。仮説は必ずしもうまくいくとは限りません。そのため、次の肯定で顧客の反応を計測することが重要です。
3. 仮説を計測する
MVPを市場に販売し、アンケートやインタビューなどの方法で、データを収集します。
データ収集し、仮説検証は本当に正しいのか、顧客のニーズがあるのか、ある場合には今後何を改善していくのがよいかを調査しましょう。
仮説が正しくない場合でも、集めたデータや改善を通して、ニーズを満たす方法がないか考察することが重要です。
4. 再構築する
集めたデータから課題や改善点を洗い出し、商品の再開発を行います。立てた仮説が間違っていた場合には、原因は何かまで考えます。ここでは「変えるべきこと」だけではなく、「変えるべきでないこと」も併せて確認することが大切です。
リーンスタートアップの事例
リーンスタートアップはスタートアップだけではなく、大企業や中小企業などでも使われているマネジメント手法です。ここではどのような事例があるか、紹介します。
トヨタ
トヨタの生産方式は「無駄の徹底的排除」を重視し、「かんばん方式」と呼ばれる開発方法をとっています。かんばん方式では、部品納入の時間や数量が書かれた作業指示書で、在庫を最小限に抑えるための管理手法です。
このかんばん方式は製造管理だけではなく、プロジェクト管理の場面でも使われています。
Airbnb
Airbnbは細かい仮説検証を繰り返し、成功をあげた企業の一つです。Airbnbの創業者である、ブライアンとジョーは、ある会議で「ホテルが満席で参加できない」という課題があったことをきっかけに「短期的な宿と朝食を提供するネットワーキングサイト」を提供しました。
サービス開始当初は、使えたのは「場所、日程を選べば宿泊可能な民泊施設が表示され申込できる機能」のみでした。しかし、このような状況でも利用者がいることがわかり、本格的に開発に乗り出し、現在のサービスにつながっています。
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まとめ
リーンスタートアップは、変化が早いVUCAの時代と親和性があり、顧客の変化に柔軟に対応できるマネジメント手法です。
この手法では低コストかつ短時間でプロダクトを市場に出せ、顧客の声をいち早く拾えるため、より満足度が高い商品づくりに役立ちます。特に市場規模が小さく、未開拓の市場で有効な手法だといえるでしょう。リーンスタートアップの手法を取り入れる際の参考にしてください。
「CBASE 360°」は、株式会社シーベースが提供するHRクラウドシステムです。経営を導く戦略人事を目指す人事向けのお役立ち情報をコラムでご紹介します。