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【テレワークにおけるメンタル不調対策】第3回 テレワークにおいて、メンタル不調にさせない・早く気づく組織を作る方法

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テレワークだからこそ、基本的なメンタル対策の徹底が必要

「テレワークによるメンタル不調対策として何をすればいいでしょうか?」という質問をよくいただきますが、テレワークだからといって特別な対策は基本的には必要ありません。
基本的なメンタル不調対策を徹底して行うことが必要で、そのために業務内容やコミュニケーションを言語化・可視化していくことが重要なポイントとなります。
基本的なメンタル不調対策として、1次予防と2次予防という考え方があります。
1次予防はメンタル不調を「未然に防止」するための対策で、2次予防はメンタル不調を「早期発見・早期介入」するための対策のことです。
(メンタルヘルス不調後の「職場復帰支援」を行う3次予防もあります)

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1次予防でメンタル不調を未然に防止!

1次予防を行うことで、メンタルヘルス不調を未然に防止します。
個人としてはセルフケア(自己管理向上)を行い、企業としては情報提供や場の提供を行います。

個人

個人におけるポイントは、自分にあったケア方法(自己管理方法)を見つけることです。
リラクゼーション、親しい人との交流、仕事以外の趣味、適度な運動、規則正しく快適な食事や睡眠をとることも方法の1つとなります。
テレワークだからこそ自分の健康やパフォーマンスを自分で管理してしていくことが求められます。
周囲に相談しにくい場合は、TV電話等も活用しつつ、1人で抱え込まずに産業医や保健師などの専門家に早めに相談しましょう。

企業

企業におけるポイントは、社員に向けて「教育研修・情報提供」をしていくことです。
テレワークにおいて、社員1人1人に自己管理を高めてもらうためにも、ストレスやメンタルヘルスに対して正しい情報を知ってもらい今まで以上に意識することへ繋げていきます。
また、ストレスへの対処方法を伝えることで、本人のセルフケアを促すことができます。
同時に、ストレスチェックの活用も行い、自分のストレス状態を正しく意識・評価できるよう促していきます。

教育研修・情報提供の例として、厚生労働省「心の耳」サイトをお勧めしています。
無料のe-learningもあり、わかりやすくセルフケアの方法を学習することが可能です。
→ 厚生労働省「心の耳」働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

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2次予防でメンタル不調を早期発見!

2次予防を行うことで、ストレス反応である「いつもと違う」様子にいち早く気づき、メンタル不調を早期発見できるようにします。
社員の「いつもと違う」様子にいち早く気づけるよう、どういったサインに注意すべきか知っておくとよいでしょう。
「いつもと違う」サインとしては、心の異変、体の異変、行動の異変の3つがあります。
図の10項目は、「いつもと違う」サインの例になります。
ストレス反応は初期に服装や衣服・髪型や化粧に出やすいと言われており、例えば10番目も大事な項目となります。

しかしテレワークにおける課題は、対面で見えないため「いつもと違う」に気づきにくいことです。
普段顔を合わせなくても「いつもと違う」をいち早くチェックするためには、下記2つが重要となります。

①定期的かつ言語化したコミュニケーション

定期的なコミュニケーションの機会を設定し、定点的に社員の「いつもと違う」が起きていないか確認をしていきましょう。
オンラインは対面の75%程の情報量になると言われており、今まで以上に互いの考え等を言語化して相手に伝えていくコミュニケーション方法が大事です。
また、コミュニティ要素として気軽に相互発言できる場の提供も大事です。

②複数の相談体制の確立

テレワークにおいて1人で仕事を管理・進めることが増え、仕事においても1人1人の自己管理を求められるようになります。
何か困った時に相談できる窓口を「複数」用意しておくことが大事です。
同僚や上司だけでなく、健康の相談窓口としては、例えば産業医や保健師に相談できる体制を整えておくと非常に安心です。

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テレワーク時代こそ、産業医と共にメンタルに強い組織作りを!

産業医は、働く上での「予防」をサポートする企業の顧問医師です。
悩みがあったり不調が見られた社員へ個別対応をしてくこと、会社組織へ予防のための健康体制つくりをサポートしています。
メンタル対策においては、安心して働ける社内環境を作り、人事・管理職への教育やストレスチェック等を活用しつつ不調の早期発見を行い、社員へ産業医面談を行い、個人と会社へ適切なアドバイスや振り分けをしていきます。
また休職復職者へはその後のフォローアップも行います。
これら一連の流れを企業と共に実践することで、メンタルの未然防止(1次予防)と早期発見・早期対応(2次予防)を実現していきます。
これからの企業は、このようなコンサル型の産業医を顧問につけることで、メンタルに強い組織作りを作っていきましょう。

また産業医は、メンタルに限らず、幅広く働く人と会社の健康問題を対応することで、企業における人材の「定着」をサポートしています。
メンタル不調を始めとして、休職や離職を予防することで、企業の経済的損失を防ぎ、健康経営を実現していきます。

産業医と取り組むテレワークにおけるメンタル対策

▷1次予防・2次予防の考え方の指導、実施方法・振り返り方法の指導
▷さらには1次予防のための教育・情報提供、2次予防のための早期発見→早期対応の方法などを人事担当者とともに連携して構築していく
▷メンタル不調のサインがある個人へは早めに個別指導を介入する

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重要Point

1 テレワークだからこそ、基本的なメンタル対策の徹底が必要
2 未然防止(1次予防)は、個人の自己管理向上と、企業から情報や場の提供を
3 早期発見(2次予防)は、「いつもと違う」に気づく組織作りにむけて、定期的かつ言語化したコミュニケーション、複数の相談窓口を
4 メンタルに強い組織作りをサポートできるコンサル型の産業医を顧問にすることで、健康経営の実現を

  • 著者紹介

    360_02

  • 著者紹介

    ⼀般社団法⼈ 健康経営推進産業医会
    代表理事 鈴木 健太

    1989年 東京都国立市出身
    2009年筑波大学医学部へ入学。在学中にKinesiology, Arizona State Universityへ留学し、医学・経済学・人文学等を学ぶ。卒後は国立国際医療研究センター国府台病院で勤務医として働く。予防医療の重要性に気づき、帝京大学公衆衛生大学院で健康経営の研究へ進む。また、産業医として多くの企業を担当する。
    2018年1月 (一社) 健康経営推進産業医会を創業。産業医のコミュニティや教育体制作り、メンタルヘルス・健康経営・働き方改革などをテーマに企業への発信活動を行う。 2019年2月 (株)Dr.健康経営を創業。
    “医療専門性にもとづき、働くを元気に”
    医師が経営し、企業に価値ある健康経営サービス(産業医サービスやストレスチェック等)を全国の企業に提供。働く人の健康メンタルを広くサポート。また、立ち上げ~健康経営の実践まで企業をサポートする。

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