借り上げ社宅とは?メリット・デメリットから家賃補助との違いまで徹底解説
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この記事をお読みの方は
「借り上げ社宅がどのようなものか知りたい」
「借り上げ社宅の制度を利用し、会社の福利厚生を充実させたい」
そうお考えではないでしょうか。
借り上げ社宅は、住宅関連の福利厚生の中でも多く導入されている制度です。会社の状況に合わせて適切な制度の導入ができなければ、損をしてしまうかもしれません。
この記事では借り上げ社宅とは何か、メリットやデメリット、借り上げ社宅の代替案との違いまで解説します。借り上げ社宅は自社で導入するべきなのか、どのように導入すればよいかの参考にしてください。
目次
借り上げ社宅とは
借り上げ社宅とは会社が社員のために、会社名義で契約した賃貸の住居のことです。会社で部屋を選び契約するケースもありますが、社員が住居を選択し、会社が手続きを進めるケースもあります。
企業の福利厚生の一つとして導入されている制度です。住宅に関する福利厚生の中でも、自由度が比較的高く社員にもメリットがあり、多くの企業で導入されています。2015年の統計データによると、転勤がある企業で社宅を保有している企業の社有社宅が23.7%が社有社宅、65.9%が借り上げ社宅を導入してます。
借り上げ社宅導入のメリット
借り上げ社宅は他の住宅関連の福利厚生と比べると、以下のメリットがあります。
・節税効果がある
・福利厚生の一つとして求人にPRできる
・社員の満足度が向上しやすい
これらのメリットがあるため、住宅関連の福利厚生の中でも多く導入されている制度です。次で詳しく解説します。
節税効果がある
借り上げ社宅は家賃を一定額以上従業員から受け取っていれば、社員の給料から課税されません。そのため、法人税や社会保険料の負担軽減につながります。
また、会社が支払う家賃は非課税または福利厚生費として経費として計上可能です。
参考:国税庁「No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき」
福利厚生の一つとして求人にPRできる
借り上げ社宅は社員が規定の範囲内で住宅を自由に選択でき、家賃負担も減らせると資金面でメリットが大きい制度です。住宅関連の福利厚生は企業にとって必須ではなく、住宅手当や借り上げ社宅の制度がない会社もあります。
そうした点を考えれば、借り上げ社宅を導入すれば、福利厚生の中でも、求人でPRしやすいでしょう。
社員の満足度が向上しやすい
借り上げ社宅は社員の満足度が向上しやすい福利厚生の一つです。家賃負担は社員から見れば小さいものではありません。社員は契約手続きがほぼ不要で、手間も少なく済ませられます。特に住宅にこだわりがなく、お金を貯めたいという社員に喜ばれる制度です。
ただし、導入すれば必ずしも満足度が上がるとは限りません。借り上げ社宅の規定によって、社員が希望する住宅が契約できない場合、社員の満足度が下がる可能性もあります。特に会社から物件を指定する場合、思うような物件ではない場合は、不満に感じる社員もいるでしょう。
管理の手間が不要
借り上げ社宅は管理を不動産会社が行うため、手間がかからない点がメリットです。会社で社宅を保有する場合、社宅のメンテナンスや設備の管理を行う必要があり、手間がかかります。
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借り上げ社宅導入のデメリット
借り上げ社宅は多くのメリットがあります。しかし、以下のデメリットがあるため、注意が必要です。
・契約や支払い手続きが必要
・空室のままにすると家賃負担が発生する
・解約、違約金発生のリスクがある
・非課税にするための賃料相当額がある
これらのデメリットは、事前に把握し、自社にマッチしているか参考にしてください。
契約や支払い手続きが必要
借り上げ社宅の制度を導入するためには、会社で不動産会社と契約や支払いの手続きが必要です。具体的には、不動産会社と部屋を選ぶ作業なども含まれます。
また、借り上げ社宅に住む社員と賃貸会社で、トラブルになった場合も対応が必要です。トラブルの対策として、社内規定を作り、企業が負担する家賃の範囲や退去の条件、住宅に同居できる人の範囲などを決めておきましょう。
大きな会社であれば、それほど大きな手間ではないかもしれません。しかし、対応できる人が少ない中小企業の場合、制度導入に人的リソースや時間の負担があります。そのため、会社の中で対応できるリソースが十分にあるか確認しておきましょう。
空室のままにすると家賃負担が発生する
借り上げ社宅を会社で契約し、空室のままになっていると、その分の家賃が発生します。余分な経費を出さないためには、空室にならないよう管理しなければいけません。しかし、100%空室にならないよう管理するのは難しく、費用負担はある程度考えておく必要があります。
違約金発生のリスクがある
借り上げ社宅は、事前に長期契約で借り上げをしている場合、賃料を抑えて契約できます。賃貸契約は契約期間が定められていることが多く、途中解約すると違約金が発生するケースが多々あります。
非課税にするための賃料相当額がある
借り上げ社宅は適切に運用すれば、節税効果がありますが、非課税にするためには条件があります。
その条件は非課税になるための賃料相当額以上を社員から受け取っていることです。事前に計算しておかなければ、課税対象になってしまうこともあるため、事前に確認しておきましょう。
参考:国税庁「No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき」
借り上げ社宅の代替案はどのようなものがある?
借り上げ社宅以外に、住宅関連の福利厚生として採用されるものは以下の通りです。
・住宅手当
・会社で社宅を保有する
それぞれの違いを把握した上で、会社に合った制度を導入すると、従業員の満足度向上にも繋がります。
住宅手当
住宅手当は社員に住宅関連の補助を目的にした手当です。会社によっては家賃補助など、名称が異なる場合もあります。
メリットとしては、制度の導入がしやすくリスク管理できる点です。住宅手当は毎月一定額支給するだけのため、導入が簡単です。社員側からは、住宅を自由に決められるというメリットもあります。
デメリットは、所得税と社会保険料で負担が増えてしまう点です。住宅手当は給与として扱われるため、所得税の課税対象となります。また、実質的な給与の増加になり、企業が負担する社会保険料が増えてしまいます。
会社で社宅を保有する
会社で社宅を保有する方法もあり、社有社宅や社宅とも呼ばれています。
会社で社宅を保有すると、会社の資産となる点がメリットです。減価償却や維持管理費を負担するなどの手段、税金対策もできます。
しかし、社宅保有のための費用負担が大きく、管理の手間も費用もかかる点がデメリットです。固定資産税や社宅の管理維持・修繕の費用は会社で負担しなければいけません。また、地価化の変動などで、資産価値が減少する可能性もあります。
またこの制度では、社員の住居選択ができないため、従業員がメリットを感じないケースもあります。
高度経済成長期には、資産として保有するメリットが大きく、特に社員3000人以上の大企業で導入されることが多い制度でした。以前ほどのメリットはないものの、会社の資産に余裕があり、長期保有が可能な場合には選択肢になります。
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借り上げ社宅のまとめ
借り上げ社宅は住宅に関する福利厚生の中でも多くの会社で導入されています。住宅手当や会社が社宅を保有する場合と比べると、出費を抑えて運用しやすいでしょう。
ただし、借り上げ社宅は会社の規定によっては社員の住居選択の自由度が下がり、社員満足度が下がるなどの問題が起きる可能性もあります。
この記事を参考に、会社の状況に合った福利厚生を整えてみてはいかがでしょうか。
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