パラレルキャリアとは?会社・従業員のメリットは?副業との違いは?
⇒人事評価(360度評価)の課題をラクラク解決!導入企業満足度90%以上を誇る「CBASE 360」の詳細はこちら
2018年が副業元年と呼ばれ、ここから加速度をつけて働き方の多様性が広まってきました。そこから注目を集めるようになった「パラレルキャリア」。
このパラレルキャリアと副業の違い、何がパラレルキャリアなのかを把握ができていない人も多いようです。
今回は、このパラレルキャリアについて解説していきます。
目次
パラレルキャリアとは?
スキーの板を平行に揃えて滑ることをパラレルと呼ぶように、パラレル(parallel)とは、平行、並列を表す言葉です。
パラレルキャリアは、P・Fドラッカーが著書にて一つの企業にとらわれない、これからの社会での働き方・生き方に対する考え方として紹介しています。
報酬の有無に関わらず、人生をより豊かにするために、本業とは別にもう一つ他の活動に並行して取り組むことを指し、本人にとっては本業と変わらぬ価値を持つことが特徴です。
副業との違いは?
パラレルキャリアと混同されやすい、副業やその他、似たような用語との違いを解説します。
副業との違い
副業という言葉も複数の職業を持つというものですが、パラレルキャリアとは目的が変わります。
パラレルキャリアは人生の形成・充実度アップを目的としますが、副業は収入を目的とします。
パラレルワーク、複業、その他の似た用語との違いは?
・パラレルワーク
複数のキャリア、スキルを活かして副業や起業へ発展させていくことをパラレルワークといいます。複数の収入源を確立して予測が難しい将来の収入源確保の対策として取り組まれるケースが多く見られます。
・複業
副業よりも取り組むべき業が多い様子を表します。この中には無報酬のものを含み、人生の仕事・時間・収入のポートフォリオ作りという考え方もあります。
・ダブルワーク
副業と同じく収入を目的に複数の仕事を持つことです。
・スラッシュキャリア
位置付けとしては複業に近くなります。一つに特化せずに複数の肩書き・経歴を持ち、キャリア形成を進めることです。例えば「FP/講演家/著者」というように、業種の間にスラッシュを用いることから、スラッシュキャリアと呼ばれます。
高い回答回収率、自動グラフ化機能による課題解決への即効性が期待できます。
- 目的に合わせたセミオーダーメイド設計
- 専任スタッフのサポートでとにかくカンタン手間いらず!
- 企業の持続的成長を目的とした改善サイクルを実現
パラレルキャリアが注目される背景
パラレルキャリが注目されるようになったのは、ワークスタイルの多様化や終身雇用制の維持が難しくなってしまった社会背景からの雇用の不安定さなどから、パラレルキャリアを選ぶ人が増えてきています。人生における経済面・精神面のリスクヘッジと言っても良いかもしれません。
⇒初めての360度評価導入でも安心!専任担当のサポートでカンタン導入・運用~改善も手間いらず。
パラレルキャリアのメリット
ここではパラレルキャリアの会社側・従業員側双方から見るメリットを解説します。
会社側のメリット
パラレルキャリアによって、社員の仕事へのプロ意識の向上、マネジメント能力の開発、新たな人脈形成が促進され、会社での業務にもプラス材料となる経験を実業を通して得ることができます。会社側が用意する研修では教育が難しいところを社員が自ら学んで来ることができるのは魅力とも言えます。
従業員側のメリット
企業の寿命が予測しにくい昨今を考えると、従業員側の最大のメリットは収入源の確保、転職・再就職に効果的なスキルの向上の2つです。
その他、マネジメントスキルの習得、人脈形成、視座の変化による多様的な思考、さらには狭い世界に縛られなくなることからストレスの軽減も見込めます。
実務的能力としても時間管理能力やコスト意識からの業務効率化によるライフタイムの充実も期待できます。
また、狭い範囲での仕事となりがち本業と比べ、好きなことへの取り組みが多く、場合によっては被災地への支援活動として社会貢献にもなるかもしれません。
パラレルキャリアのデメリット
ここでは、注意すべきデメリットについて解説します。
会社側のデメリット
社員がパラレルキャリアを行なっている場合の会社側のデメリットは主に下記の通りです。
・休息の不足による集中力の欠落や健康問題
・情報漏洩のリスク
・離職のリスク
・労働災害発生時の責任の所在
会社の就業規則に合わせ、規定の時間を勤務した上で他の取り組みをするので、必然的に休息時間の不足が起こります。これにより、業務に集中できなくなったり、健康上の支障をきたすことが考えられます。
また、社内で得た情報に関する管理が不適当であれば、機密情報や個人情報の流出リスクも発生します。
パラレルキャリアを行う人の多くは、本業以外では趣味や、やりたいこと、やり甲斐を感じることで活動をしますので、本業が入れ替わってしまい、後にはもう片方の取り組みを本業とするために退職というケースもあるかもしれません。
情報漏洩とリスクの度合いとして同等となるのが、労災事故発生時の対応です。
きちんとした線引きと要因の確認がないと自社の労災事故か、社員の責任か、という問題で会社側と社員側で揉め事となるケースが想定されます。
従業員側のデメリット
従業員側のデメリットとしては、単純に自分自身の時間をパラレルキャリアに取り組む分、失うので、休息の時間の確保が難しくなります。休息が不十分なために本業でも集中力を欠いてミスが生じる、疲労からパフォーマンスが落ちる、などのようなことが起こりやすくなります
また、職場での同僚や上司が副業やパラレルキャリアへの理解が薄い場合は、細かなことで協力を得られなかったり、社内、部署内での適切なコミュニケーションが維持できなかったりという、職場環境上の不都合が生じるかもしれません。
このため、パラレルキャリアを行動として起こしている社員への評価が著しく下がるなど、待遇面にも影響するケースも起こる可能性があります。
⇒万全のセキュリティ・専任担当者の徹底サポートで担当者の負担軽減!年間80万人以上が利用、顧客満足度91.1%の「CBASE 360°」
会社が推奨する際に注意すること
会社として社員のパラレルキャリアを推奨する場合に注意すべき点について解説します。
就業規則
まずは就業規則の整備です。
副業やパラレルキャリアを認める場合は、
・どのような職種であれば、どのような活動内容であれば許可をできるのか
・健康管理、時間管理の徹底
・情報漏洩に関する取り決め
・傷病の際、どの範囲までを会社の責任とするのか
などを起こりうるトラブルやリスクを洗い出して、就業規則やルールの改訂や、整備を進める必要があります。
決まり事についての整備だけでなく、申請方法や手順と情報管理、本業への悪い影響を起こさないための誓約も書面でとっておくことを検討すべきです。
また、何のためにパラレルキャリアを社員が望んでいるのかもヒアリングができると良いかもしれません。わざわざパラレルキャリアとしなくても解決できるものも内容によってはあるかもしれません。
相談、教育の場づくり
パラレルキャリアを始める社員は、コミュニケーション能力が高い人材でも、専業として働く社員に対し、負い目を感じてしまうケースが少なくありません。
それゆえ、陰で副業やパラレルキャリアを築いて、会社の目や手が届かないところで活動を広げてしまう場合も考えられます。
こう言ったことを避けるために、パラレルキャリアを考える社員に相談と教育の機会・場を提供することも会社を守るためにも大切なことです。
また、パラレルキャリアの背景には、働き方の多様化が含まれていますので、社員の生活や気持ちに寄り添った相談窓口の存在はとても大切になります。この相談窓口は単に相談を受けるだけで終わらせず、都度、適切な支援ができるようにしておくことも考えておくべきでしょう。
まとめ
今回はパラレルキャリアについて解説しました。
従業員の人生を豊かにし、会社側にもメリットの多い取り組みの一つです。会社側、従業員側ともに快適にキャリアの形成と従業員満足度を引き上げていけるよう、適切な制度・ルールの運用と、支援対策で人も会社も成長できる環境が作れると良いですね。
「CBASE 360°」は、株式会社シーベースが提供するHRクラウドシステムです。経営を導く戦略人事を目指す人事向けのお役立ち情報をコラムでご紹介します。