インクルージョンとは?ダイバーシティとの違いは?
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ダイバーシティ・インクルージョンという言葉をご存知でしょうか?
ダイバーシティという言葉は、会社環境づくりのため、多くの企業のPRに使われるようになり認知度も上がってきましたが、インクルージョンはダイバーシティと並べて使われる機会が多いながらも、どちらかというと教育分野で多く目にする言葉です。
今回は、この「インクルージョン」について解説します。
目次
インクルージョンとは?
「インクルージョン」とは、ビジネス用語の一つで、特に人事、組織開発などの分野でよく用いられます。
全ての従業員が公平・平等に業務に参加でき、会社の発展に貢献できる機会を持てる状態を指します。「インクルージョンが実現している」というような使い方をされる言葉です。
多様性が広がるビジネスの世界では、性別・年齢・学歴・経歴・人種・国籍・障がい・家庭環境など様々な面で機会を損なってしまう可能性を、価値観・個性として会社に受け入れ、従業員のそれぞれが双方理解と協力によって能力の最大化を目指すことを理想としています。
インクルージョンの語源
英語のinclusionは、含めること、包含、含有、包括といった意味で、社会的な「一体性」や人種・文化などの「多様性の受け入れ」までを言葉の意味として持っています。
インクルージョンの言葉がビジネスの中で使われるようになったのは宝石の世界で、宝石に含まれる様々な内包物を表す言葉でした。
英語圏での考え方
欧米では、「インクルージョン教育」「インクルーシブ教育」などのようにビジネス分野だけでなく、教育の世界でも使われるインクルージョンですが、障がいを持った子どもを健常者と分離せずに、障がいも個性の一つと認め、「共生・共存」「お互いを認め合う」状態を表現する言葉として1980年代には教育に限らず、社会福祉のキーワードとしても広がりました。
ノーマライゼーション(障がいのある人が障がいのない人と同等に生活し、ともにいきいきと活動できる社会を目指す)や、ユニバーサルデザイン(はじめから誰にでもやさしい商品や環境であるためのデザイン)などと教育分野では混同されやすく、他の分野であっても、類似の言葉と混同しやすいので正しい理解が重要です。
日本での受け取られ方
日本においてはビジネスでは「インクルージョン」よりも「ダイバーシティ」の方が前に立った印象が強い状況です。
厚生労働省の資料においても「ソーシャル・インクルージョン」「インクルーシブ教育」への取り組みが社会活動として出ていることが多いようです。
経団連(日本経済団体連合会)では、「ダイバーシティ・インクルージョン社会の実現に向けて」にて「幅広い人材を迎え入れるダイバーシティ」と「あらゆる人材が能力を最大発揮できるインクルージョン」として提言が出されています。
参考:経団連・「ダイバーシティ・インクルージョン社会の実現に向けて」
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ダイバーシティとの違い
インクルージョンと並列して使用されることの多い「ダイバーシティ」との違いについて考えてみましょう。
ダイバーシティは直訳すると「多様性」となります。集団において様々な属性の人が集まった状態のことを指しますが、ビジネスにおいては表層的・深層的なものも含め、多様な人材に会社が寄り添い、社員それぞれが心地よく働ける環境の実現を意味します。
参考記事:ダイバーシティとは?推進するメリットや企業の成功事例を徹底解説!
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インクルージョンが注目される背景
ダイバーシティを提唱し、環境を整えるだけでは組織活性にはつながりにくく、会社と従業員、従業員同士と相互理解、互いの尊重ということも重要になってきます。
この際に注目されるのが「インクルージョン」です。
インクルージョンはダイバーシティを支える意味でも並列して使われ、企業活動としての活性化を見込めるキーワードとして互いが重要な鍵を持っています。
インクルージョンのメリット
インクルージョンの大きなメリットは
・企業のイメージアップにつながる
・社員の離職率を下げる
の2つが挙げられます。
最近では健全な企業の証明として「インクルージョンへの積極的な取り組み」をアピールする企業が増えてきました。
多様な人材の個性を認め、活かすことを前提に業務も進められるようになるため、単に個性を認められるだけでなく、子育て・介護などの状況変化による多様性の中でも、社員がそれぞれに活躍を実感できる機会創出となり、自分が会社に貢献しているという自信を築きやすくなります。
会社から必要とされる自分、を実感することは、業務へのモチベーションであり、会社への愛着の気持ちも育まれやすくなります。
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インクルージョン導入の流れと注意点
様々なメリットが期待できるインクルージョンですが、最大の注意点は効果が現れるのに時間がかかることを導入前に社内で認識しておくことです。
意識改革にも近いものになりますので、社員の心理的な育成も必要で、「無意識バイアス(無意識に偏見を持って人を評価してしまう行為)」が働きやすい初期段階では、社員それぞれで認識のズレからコミュニケーション不全、個性への不理解とならないよう配慮も大切です。
特に他の国と地理的に断絶されている島国として歴史を重ねてしまった日本では、多国籍な世界への理解がどうしても遅れがちで、知らず知らずに無意識バイアスが働いてしまいます。外国人従業員に対しての接し方や、外国人部下・上司への評価についても検討が重要と言えます。
特にうまくいっている、いっていない、を社員の主観に任せた評価ではどうしても偏りも生じます。具体的に成果・評価を数値化できる仕組みもあるのが望まれます。
インクルージョン導入時に必要な教育は
個性を尊重、という姿勢がモノをいう仕組みです。従業員個々の状況把握をヒアリングやアンケートを通じて進め、合わせてインクルージョンに対する理解を丁寧な説明と研修などの繰り返し教育で定着させる仕組みづくりが初期では必要です。
また、インクルージョンに関わる質問、問い合わせに対し、初期に質問・問い合わせ対応をすることになる上司、リーダー人材には、質問のやりとりに対する受け取り方や発言内容についての教育機会を作ることも考えておきましょう。
注意したいのは、模範解答に縛られ思考しなくなることです。
人それぞれに事情が違うように、人それぞれに最良となる回答・返答や対応は異なります。事業成果の最適化だけでなく、コミュニケーションについても都度、最適・最良とは何かを思考することを当たり前とする風土づくりの教育が必要です。
まとめ
今回はダイバーシティと並び、多様な社員のニーズを考えるときに出てくる用語「インクルージョン」について解説しました。
社員一人一人が輝きを持って働ける環境と協力で、みんな違ってそれがいい、と言い切れる組織の在り方も企業評価の一部となる日も近いのでは、と期待したい取り組みですね。
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