ラポール形成とは?心理学に基づく信頼関係の築き方を解説
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ラポール形成はさまざまな場面で利用され、ビジネスにおいても役立つ手法です。しかし、ラポール形成の実践は難しく、どのようなものか分からない人もいるでしょう。
今回はラポール形成とはどのようなものか、やり方やうまく実践するポイントについて解説します。ラポール形成の考えを、社員教育に取り入れる参考にしてください。
目次
ラポール形成とは
ラポールとは「架け橋」を意味し、親密な関係や信頼関係を意味します。ラポール形成とは、信頼できる間柄を意味します。
このラポール形成は関係性を示す言葉ではなく、精神感応を意味しているため違いを把握しましょう。ラポール形成は言葉や行動で表現せずとも、気持ちが通じ合う状態を指しています。
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ラポール形成が重要視される理由
ラポール形成ができていると、相手と安心してコミュニケーションが行える状態になります。相手の意見に素直に耳を傾ける、人間関係がよくなるなどよい影響を与えるでしょう。会議や仕事上のやりとりでも、ストレスなく自然なやりとりができ、業務効率もよくなります。営業活動であれば、相手から信頼されやすくなり、契約率やリピート率アップにもつながるため、ビジネスでも有用です。
ラポール形成3つの基本要素
ラポール形成をするためには、以下3つの原則があります。
・尊重
・類似性
・ペーシング
後ほどテクニックについてもお伝えしますが、これらの要素を十分に意識しなければ、テクニックが逆効果になりかねません。
尊重
ラポール形成のためには、相手の価値観や体験、感情など、相手のもっている世界観を尊重する姿勢が大切です。そのためには、相手の価値観は否定せずに受け入れ、相手をコントロールしないようにしましょう。
このような姿勢ができていると、相手のいくことにきちんと耳を傾けられるようになります。真摯に聞こうとする姿勢があることで、相手の共感を得られ、ラポール形成につながるでしょう。
類似性
類似性とは、相手と共通性を見出すことで、一体感が生まれる性質のことです。相手とちょっとした姿勢や身振り手振りが似ていることで、安心感や好感を抱きやすくなります。
また、身振り手振りだけではなく、共通の趣味や話題があることも効果的です。類似性を見つけると安心するのは人間の本能でもあるため、類似性を発見すると、ラポール形成が進みやすくなります。
ペーシングとリーディング
ペーシングとは、呼吸や話し方、視線などを相手に合わせることです。具体的な行動を相手に合わせることで、安心感や親しみを感じさせます。相手の思考の癖や行動の仕方に合わせたペーシングができるとより効果があるでしょう。
リーディングとは、目的に合わせ、会話をリードすることです。質問や提案を会話に含めつつ、会話の流れをリードします。リーディングとペーシングをうまく組み合わせることが大切です。
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ラポール形成の基本テクニック4つ
ラポール形成をする上で具体的なテクニックとしては以下の4つがあります。
・ミラーリング
・マッチング
・キャリブレーション
・バックトラッキング
それぞれどのようなものか、次で解説します。
ミラーリング
ミラーリングとは相手の姿勢や仕草を模倣して真似るテクニックです。鏡に映しているような形で、仕草を合わせます。同じタイミングで飲み物を飲むなど、そういった手法が効果的です。
無意識で行われることもあれば、意識的に行う方法もあります。ただし、相手にミラーリングされていると気づかれると逆効果になる可能性もあるため、注意が必要です。
マッチング
マッチングとは、声のトーンやスピードなど、相手に合わせ調整して話すテクニックです。雰囲気を合わせ、話のテンポやリズムも相手に合わせます。
コミュニケーションの主導権を自分が取ろうとするのではなく、相手に合わせて変えることが大切です。
キャリブレーション
キャリブレーションとは、言葉以外の要素から相手の心理を把握するテクニックです。判断の材料としては以下のものがあります。
・呼吸のペース
・話し方のトーン
・表情
・姿勢
これらを適切に把握し、相手の心情や状態に合わせた対応を取ることで、ラポール形成の助けになります。ただし、相手の心情や状態を間違えて解釈することもあるため、キャリブレーションのテクニックだけに頼らないようにしましょう。
バックトラッキング
バックトラッキングとは、相手の言葉と同じ言葉を返す方法です。意味を変えず適宜言葉を言い換えながら、適切なタイミングでかつ、自然な流れで取り入れることが大切です。
相手が伝えたいと思っている話題で実践すると、効果を発揮します。必要以上にバックトラッキングをする、そのまま言い返すなどすると、逆に失礼に受け取られる可能性もあるため、注意が必要です。
ラポールをうまく形成するポイント5つ
ラポール形成を成功させるためには、意識したいポイントがいくつかあります。具体的には以下の通りです。
・相手に好意を持ち、尊重する
・相手の五感タイプに合わせる
・思考フィルターに合わせる
・最初が肝心
・さりげなく実践する
次で詳しく解説します。
相手に好意を持ち、尊重する
ラポール形成をするためには、テクニック以上に相手に好意を持って尊重する姿勢が重要です。相手の価値観に気づきそれを肯定できると、ラポール形成がスムーズです。
ただし、初対面の相手から、価値観を知るのは簡単ではありません。無理に聞き出そうとすると逆効果です。自然な会話を続けながら、相手の価値観を徐々に把握していくとよいでしょう。
相手の五感タイプに合わせる
相手の情報処理の仕方に合わせて、実践の仕方を変えることが効果的です。人は視覚・聴覚・身体感覚から情報を処理いますが、どの情報の処理が優先順位が高いのかは人によって異なります。
相手がどのようなタイプか見極めた上で、そのタイプに合わせテクニックを取り入れられると効果的です。
思考フィルターに合わせる
相手の思考フィルターとは、考え方の方向性や癖のことです。ラポール形成をするためには、思考フィルターに合わせて、相手との接し方を変える必要があります。
思考フィルターの種類はいくつもありますが、例えば、目的達成が重要か、問題回避が重要かの違いがあるでしょう。目的達成を重視する場合は相手の目的を達成できるように会話を進め、問題回避を重視する場合は、起こりうる問題と対処法を話をします。
相手の思考フィルターを理解して、テクニックを実践するとより深いレベルでのラポール形成ができるでしょう。
最初が肝心
ラポール形成を成功させるためには、第一印象が大切です。第一印象がラポール形成に占める割合は大きく、ここでつまづいてしまうと、ラポール形成が難しくなります。
さりげなく実践する
ラポール形成はテクニックが多いですが、テクニックを実践していると相手に気づかれてしまうと、逆効果です。また、意図せず相手に不快感を与える場合もあります。
テクニックを実践する場合は、基本原則を守ることを前提にした実践が大切です。しかし、すぐに100%実践するのも難しいため、日々のトレーニングが大切です。
ラポール形成のまとめ
ラポール形成をうまくできると、ビジネスをはじめとしたさまざまな場面でよい影響を与えます。ただし、テクニックを実践するだけではなく、相手を尊重する姿勢をもった上で実践することが大切です。やり方を伝えただけでいきなり実践できるものではないため、ラポール形成をうまくやるためには、日々のトレーニングが必要です。
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