ゆでガエル理論とは?ビジネスにおける「ゆでガエルの法則」と現象の意味をわかりやすく解説
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わかってはいても人はなかなか変化できない、そんな状況を表す言葉として有名なゆでガエル理論。昨今の変化が激しい社会の中では、その変化の遅さが命取りとなってしまうケースも多く見られるようになりました。今回は例として挙げられる「ゆでガエル理論」について解説します。
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目次
ゆでガエル理論とは?
蛙はいきなり熱い湯に入れると驚いて逃げ出してしまいます。しかし常温の水から温め始め少しずつ少しずつその水温を上げていくと温度の変化に慣れてしまうのか逃げ出すタイミングを失い最後は茹でられたようになって死んでしまいます。
このようにゆっくりと進む環境の変化や、少しずつ近づいてくる危険を察知する難しさ、そしてこれらに反応することの大切さを戒める言葉として「ゆでガエル理論」は様々なシーンで使われています。
少しずつ業績が落ちていても周囲とそれほど大差ないと安易に考えてしまい、対策が後手後手となってしまい手遅れとなってしまう様子への警告の例えとして、企業経営やビジネスの文脈で用いられることが多くあります。
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企業におけるゆでガエル理論の事例
ここで、いくつかの企業におけるゆでガエル理論の事例を見ていきましょう。
写真フィルム業界でのゆでガエル事例
ゆでガエル理論でよく事例としてあげられるのがフィルム業界です。
写真フィルムの需要はデジタルカメラの普及や電子記録媒体の普及で、世界的規模で急落していきました。2001年にはポラロイドが倒産、2006年コニカが写真フィルム事業から撤退、そして、2012年コダックが倒産。
富士フイルム株式会社は社名には「フイルム」の言葉が残っていますが、その技術開発力、ノウハウを医療分野、高機能素材、光学デバイスなど多岐に展開し、今も規模の大きさを誇っています。その転換で世の中を驚かせた化粧品事業は今も健在です。
変化を取り入れて生き続けるエルメス
海外でゆでガエルとならなかった事例を。エルメスのブランドで有名なフランスの株式合資会社エルメス・アンテルナショナル社。創業当時は高級馬具の製造を主としていましたメーカーでした。そこから世界的な馬車商へと発展していくのですが、アメリカ中心に始まった自動車への交通手段の変遷の中、高級な革素材を入手するルートや技術力を生かし、ファッションの世界への移行していきました。現在では高級ブランド代表として、革製品のほか、時計、洋服、アクセサリー、香水などの分野にも手を広げ、Apple社のApple Watchにもその優れたデザインと技術を生かした時計バンドの提供がされています。
業態ごと変えて生き続ける伊藤園
国内で業態も社名も変えて、ゆでガエルにならなかった事例を紹介しましょう。
お茶飲料のトップメーカーの一つである伊藤園は、創業者が始め設立したのは日本ファミリーサービス株式会社という日用品販売の会社でした。その後、健康志向の高まりと茶葉の利益率の高さなどから、今の伊藤園の前身となるフロンティア製茶株式会社を1966年に設立し、老舗が幅を利かす世界に入り込むため伊藤園というブランドを買い取りました。事業体・社名を変化させて、お茶飲料に限らず、多くの飲料メーカーの株式を取得しながら販売種類を増やし、飲料の世界で大きな展開を見せています。
壺中之天・井の中の蛙とゆでガエル
極めて狭小な世界のことを「壺中之天」「井の中の蛙」で表現することが多くあります。
ここにもゆでガエルと共通するものがあります。
壺中之天・井の中の蛙
酒を飲んでこの世の憂さを忘れる楽しみのたとえを表し、俗世間とは異なった別天地を指す「壺中之天」。一度、味わった成功から抜け出せない様にも使われることのある表現です。自分の周りの狭い範囲でだけものを考える様を表す「井の中の蛙、大海を知らず」。この二つもゆでガエル同様に周囲の変化を察知できず、成功のぬるま湯から抜けられないゆでガエルに近い雰囲気を持っており、変化できない組織の様子にも使われます。
ゆでガエルは実在するのか?
本来のカエルは、環境の変化にとても敏感で、毎年のように環境に合わせ変化してきた新種が発表されるほど、環境対応性にも優れた動物です。
ゆでガエル理論は寓話に由来するたとえであり、その表現しようとするところが秀逸なため心理学、経済学、経営学などで比喩として多用されるようになりました。しかし、一説によると実験において脳を切除したカエルではゆでガエルの現象は起こるらしいとするものもあります。
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会社をゆでガエルにしないために何が必要か?
日々、環境が変化し続ける現在の社会においては、変化を察知するためのアンテナの高さと、変化する環境に順応し、自らも変化し続ける体制が企業成長のために必須ということです。
このために会社が必要とするのは、変化を察知するための仕組み、変化に会社組織として柔軟に対応し、成長を続けられる組織成長のためのシステムが不可欠となります。
「定期的に外部からの風を受け入れる」「会社としての成長戦略を共有しやすいように数値化する」などが必要なこととして考えられます。
抜本的な改革を必要とする深刻な状態に陥ることのないよう、「これでうまくいってきたから」とこれまでの成功実績や成功体験にトップがしがみつかずに積極的に改革の姿勢を見せることも大切でしょう。
社員から始まる「ゆでガエル理論」
自己保身のためヒトは変化への対応が難しいと見られることも多くあります。今まで続けてきた「ぬるま湯文化」が居心地よく、新しいものを受け入れにくい状況は社員一人一人から始まっているケースも少なくありません。
社員が自分の担当の場以外に目を向けることなく、社外へ目を向けることがなければ、それこそ、「壺中之天」「井の中の蛙」の世界です。
新しいものへ目を向けない、社会の変化を察知しようとしないのはなぜでしょう?
その先を試行錯誤し、チャレンジして成長するフェーズに踏み出せないのはなぜでしょうか?
与えられた作業だけを仕事とし、愚直にそれだけをやっていれば給与は得られる、そう思い込ませる環境が出来上がっているのではないでしょうか?変化に気づき、ぴょんと前に飛び出て車に轢かれてしまうよりも、安穏と周囲に合わせて外の世界を見なかったことにすれば快適でいられます。そこに一度、浸かってしまった社員は、脳を切り取られたカエルのように思考を停止させ、目の前のことだけ済ませていくぬるま湯の心地よさから出てみようというモチベーションが削がれているのでしょう。
社員から始まるゆでガエル理論を避けるためには、適正な人事評価と成長と変化の実感が得られる能力開発、組織開発と配置で、活力溢れる職場環境の構築が必要かもしれません。
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ゆでガエル理論のまとめ
今回は、様々な切り口より「ゆでガエル理論」を解説してみました。
会社が、社員が脳を切り取られたカエルとならないように、みんなで考える企業づくり、変化にしなやかに対応する企業づくりが必要です。ダーウィンの種の起源ではこう言っています。「最も強い者が生き残るのではなく最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることができるのは変化できる者である」と。思考する脳を持った本物のカエルであれば、環境の変化をいち早く察知し、環境に適応した進化を果たし、大きくなったり、小さくなったり、時には透明になったりと、たくさんの新種が生まれるでしょう。
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