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企業の成長力を高める経営人材育成とは?

2021.11.08 人材育成

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企業を発展させ持続させるためには、次世代の経営を任せられる人材の育成が必要です。厚生労働省の調べでは、この人材を経営人材として上場企業の過半数が経営人材候補を育成するための取り組みをしているとのことです。
今回は、この経営人材と経営人材育成について解説します。

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経営人材育成とは

経営人材育成は長い間、人事では重要課題として語られてきていますが、未だ人材の確保、育成の充実を認識できる企業は少ない状態です。

経営人材とは

副社長・専務・常務やCEO、COOなど、経営人材とは、経営や事業の目標や目的、課題について「設定する立場」の人材を指します。幹部人材との違いは、方針に関わる設定をする、または関わる立場が経営人材で、設定に対し応える側のリーダーとなるのが幹部人材です。

経営人材に求められるもの

経営人材に求められるのは、厳しい経営判断にさらされることが多い立場となりますので、思い切った決断力・判断力、それを狂わせることのない安定したメンタル、苦難な状況でも立ち向かうことができるポジティブな思考、そして新たなビジネスを構築するための創造性(クリエイティビティ)。
どれも企業が成長を続けるために必要なものですので、どれか一つだけ突出していても良いとは言えないものです。

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経営人材育成の具体的なステップ

経営人材育成の最初の一歩は「求める人物像の明確化」です。その後の育成プログラムを始め最終的な登用にも影響しますので、ここはとても大切です。
この人物像ベースにいつまでに何人が必要かを割り出し、候補者の選定をします。

選定した候補者が求める人物像へとステップアップするために必要となる教育・支援を考え、具体的な育成プランを立て、研修などの教育機会を与えます。
単に教育・育成だけでなく十分なコミュニケーションも必要ですので、ヒアリングや定期的なミーティングなどコミュニケーションの機会を作り候補者と会社との関係性も育てていきます。

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国も課題と考えるリーダーの育成

日本企業の活性化は日本の経済成長とつながっているため、国も企業のリーダー育成への取り組みを始めています。

日本経済の成長の鍵を握る経営力

経済産業省の「企業価値向上に向けた経営リーダー人材の戦略的育成についてのガイドライン」にでも、「経営人材の育成が企業の持続的成長に決定的な影響を与え、競争力を継続的に向上させられるかどうかの鍵となる」というような内容が明記されています。
高度経済成長期には日本的経営が世界でも高い評価を得ていましたが、経済が右肩下りとな利、短期間に経営環境が大きく変化する現代においては旧来の経営体制からの脱却が急務となります。この企業経営と国内経済との関連、グローバル社会との関連から経営リーダー人材育成の取り組みについては、経済産業省から多くのレポートが出されています。

経済産業省「企業価値向上に向けた経営リーター人材の戦略的育成についてのガイドライン」(平成29年3月)
https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/data/pdf/20170331001-1.pdf

日本の経営リーダー人材育成の状況

前述のガイドラインでは、これまでも日本では早期より人材の早期選抜、育成が行われてはいたものの、国際的レベルでは十分なものとなっていなかったのでは?と懸念が持たれています。
現在の日本における経営リーダー人材の育成状況としては、取り組んでいる企業と取り組んでいない企業との間で5年後、10年後には差は歴然となるに間違いない、とされているものの、自社にて順調に人材の確保・育成ができていると認識している企業は37.6%に止まっているとのことです。当然、10年後・20年後については「わからない・回答できない」とのアンケート回答が多くなっています。

経営人材育成ガイドライン

前述の経済産業省の「企業価値向上に向けた経営リーター人材の戦略的育成についてのガイドライン」では、「フェーズ1.ビジョンや経営戦力を実現する上での重要なポストおよび要件の明確化」「フェーズ2.人材の把握・評価と経営リーダー人材育成候補者の選抜・確保」「フェーズ3.人材育成計画の策定・実施と育成環境の整備・支援」「フェーズ4.育成結果の評価と関連施策の再評価・見直し」と4つのフェーズに分け、日本における経営人材育成の問題点への対応も考慮した説明がされています。
同じく、経済産業省より出されている「産学連携 サービス経営人材育成ガイドブック」では、経営人材育成プログラムを開発する際の参考となる事例やプログラムが持続的に機能し続けるためのポイントなどがまとめられています。学術機関との連携による開発も検討することで企業内だけでは不足する部分のカバーも可能になります。
これら資料を熟読の上での準備が大切です。

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経営人材育成が立ち往生するのはなぜか?

企業も国も重要と分かっていながらも、なかなか経営人材育成が立ち往生してしまうのは、なぜでしょうか?

育成対象の選抜が難しい

まず、育成の対象を決めることの難しさがあげられます。若手からの早期選抜の場合は経験の浅さから候補者が気後れしてしまい、望むような育成の効果は得られない可能性もあります。特に日本は新卒一斉採用のため、若手の時は横一列に同期が並んでいる状態。そこから突然、飛び出ることの恐怖や周囲との断絶感を感じ、チャンスとして提供している機会も周囲を伺って足踏みしてしまうことも考えられます。
反対に選抜した候補者が必要以上にエリート意識を持ってしまい、周囲との不和が起こることも心配の一つです。

配置転換・異動の融通が効かない

経営人材には成長の過程に合わせた配置や人事交流も含んだ異動も考えたいところですが、事業推進の観点から反発も多く、簡単には配置転換や異動は難しくなります。合わせ候補となる社員はその部署では成果を期待される社員であることも多いため、その部署にて業績を上げる責務を負った責任者との兼ね合いもあり、異動可能となったとしてもタイミングも難しくなってきます。

育成後の実践の場を用意するのが難しい

研修による座学にて理論・知識を候補者に提供することは可能ですが、実際問題として、身に付けた理論・知識を実践する場を現場のビジネスの中で提供することは難しいものです。大企業ではグループ会社や子会社、事業提携先など実際の経営人材の補佐役としての環境提供はできますが、中小企業では実践の場=主要事業の成果になってしまう可能性が高く、判断の難易度が実践の範囲を超えてしまうことでしょう。

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経営人材育成を進めるために必要なこと

経営人材を育てるために必要なポイントは「合理的な人材の選抜をする」「経営人材育成も考慮した計画的な人員配置を考える」「古い慣習にとらわれすぎない」「経営層が経営人材育成に関わる」の4点があげられます。
人材の選抜については公平、かつ適性があることを周囲が認知することが大切です。360度評価システムなどを導入し、日頃、評価の公平さを社員が認知していれば、周囲も本人も納得の選抜となり、スムーズに育成のラインに乗せることができます。
また、育成と合わせての実践の機会を想定した人員配置、人事計画で現場からの反発も最小に止めるための手配も大切です。そのためには年功序列などの旧来の意識にとらわれない人事登用が常であることも風土づくりの一つとして取り組まなくてはなりません。
さらに、経営層による経営人材育成はそもそも役割として負わなくてはならないはずのものです。経営層の積極的参加により、社内での調整が円滑に進められるようになれば、育成過程で発生する立ち往生も少なくなってくるはずです。

まとめ

今回は経営人材育成について解説しました。
経営人材の育成はその会社の未来だけでなく、日本の経済の未来にも関わるとして国も力を入れている事業です。企業の規模による困難さはありますが、社内の成長の風土を整えるチャンスでもありますので、積極的に取り組んでいく価値は大いにあります。


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HRコラム編集部

「CBASE 360°」は、株式会社シーベースが提供するHRクラウドシステムです。経営を導く戦略人事を目指す人事向けのお役立ち情報をコラムでご紹介します。

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