職能資格制度とは?職能資格制度のメリットと問題点を解説
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職能資格制度とは、職務遂行能力によって社員をいくつかの等級に分類し、賃金の管理を行う制度のことです。
社員の能力に応じた賃金を支払い、人材を育成することを目的として、広く導入されてきました。
しかし最近では、早い段階で職能資格制度を導入した企業から、現行制度の限界を指摘する声もあがっています。
今回は、職能資格制度のメリットと問題点をまとめてご紹介します。
【メリット1】社員の自己啓発につながりやすい
職能資格制度は、「企業は人なり」という理念のもと、社員の能力に見合った処遇を与えるための制度です。
企業の基準で社員の能力を判断して処遇を決めるため、会社が求めているものが社員に伝わりやすい特徴があります。
評価される能力は、潜在的な能力と顕在している能力に分けられます。
潜在的な能力とは、知識や経験、資格や責任感、そしてストレス耐性などのことです。
一方、顕在的な能力とは、具体的に達成した成果によって測られる能力のことです。
職能資格制度を導入している企業では、役職に見合った能力がある社員は役職についていなくても役職者同等の処遇を受けることができます。
能力を適正に評価する制度によって企業は優秀な人材の流出を防ぐことができ、社員側は役職にこだわらず能力向上に集中することができるでしょう。
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【メリット2】長い期間を掛けて人材を育てる環境に適している
職能資格制度は、長い期間を掛けて熟練工や管理者を育てる環境に適しています。
能力のある社員ほど、経済的に安定した環境のもとで長期的に仕事に集中しやすくなるでしょう。
ただし、社員の能力は経験を積むごとに向上していくという考えをもとにすると、勤続年数が長い社員ほど高い能力を持っていると判断されやすくなります。
そのため、職能資格制度が導入されている企業では勤続年数が長い社員の方が評価されることが多いと言えるでしょう。
結果的には年功制と似た形になりますが、職能資格制度には「認められ、評価されたい」という人間の欲求に応えられるメリットがあります。
正当な評価をされていると感じた社員ほど、能力を発揮しやすくなるものです。
日本企業に根付いていた年功序列のメリットをうまく活かしつつも、デメリットを解消した制度であると言えます。
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【デメリット】能力の評価が難しく、運用がうまくいかない場合がある
日本企業の体質に合っている職能資格制度ですが、年功序列と変わらない運用になってしまうことが多いというデメリットもあります。
一度評価された職務遂行能力は失われないことが制度の前提となっているため、実情と評価が乖離することも少なくありません。
つまり、賃金と能力のミスマッチが生じやすくなるということです。
社員の潜在能力が業務に活かされるとは言い切れず、評価が難しい一面もあります。
能力と役職という二重の格付けを行うため、中小企業の場合は管理も複雑になりやすいでしょう。
特に人事部という独立した部署がなく、総務や庶務などが人事評価を兼ねている企業では、複雑な管理の負担が大きくなり過ぎる可能性があります。
このような理由から、職能資格制度の運用がうまくいかないケースが見られます。
そのため、職能資格制度とは異なる新しい制度の導入に力を注いでいる企業も増えているようです。
おわりに
職能資格制度は、人材育成を促進して組織のさらなる成長を目指すための制度です。
一人一人の能力に着目して処遇を決めることにより、社員のスキルアップへのモチベーションは高まるでしょう。
一方、会社の規模によっては人件費が膨らんだり、評価が難しかったりして制度をうまく運用できない場合があります。
時代や企業に合わせて制度を改革し、より実情に合わせた制度を採用することが必要です。
「CBASE 360°」は、株式会社シーベースが提供するHRクラウドシステムです。経営を導く戦略人事を目指す人事向けのお役立ち情報をコラムでご紹介します。