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ジョハリの窓とは? やり方、項目例、研修への活用と効果について詳しく解説

2024.10.31 人材育成

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企業研修でよく導入されるジョハリの窓。自己認識の向上や組織内コミュニケーションの改善のためのツールとして有用と人気を集めています。このコラムでは、ジョハリの窓がどのように企業研修で活用され、組織と個人の成長を促進するかについて詳しく解説します。

ジョハリの窓とは

ジョハリの窓とは、自己開示やフィードバックを通じて、自己認識と他者からの認識のギャップを理解するための心理学モデルです。

このモデルは1955年に心理学者ジョセフ・ルフトとハリー・インガムによって提唱され、自己理解を促進するための効果的なツールとして知られています。企業研修や組織開発の場では、個々のメンバーの強みや弱点を明確にし、チームの協働を深めるために活用されています。

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ジョハリの4つの窓の示す意味

ジョハリの窓は「開放の窓」「盲点の窓」「秘密の窓」「未知の窓」4つの領域に分かれています。これらの領域は、自己開示とフィードバックの度合いによって拡大や縮小し、それが個人とチームの関係性に大きな影響を与えるとされています。

開放の窓とは

開放の窓は、自分も他者も知っている情報が含まれる領域です。この窓が広いと、自分の分析と他人からの分析が共通しており、自らの性質を自他ともに認知している状態を表しています。この領域が広がることで、自己開示の度合いが高まり、チーム内での信頼関係が深まります
企業内では、この窓を広げることが、オープンなコミュニケーションや心理的安全性の向上に繋がり、効果的な協働が促進されます。

盲点の窓とは

盲点の窓は、他者は知っているが自分では気づいていない情報が含まれる領域です。この窓が広い場合、自己分析が苦手だったり、自身の性格や能力を正しく把握できていなかったりする傾向が強くなります。また自分自身の能力について気がついていない可能性もあり、フィードバックを通じて初めて理解される自分の行動や習慣が含まれます。多くの企業では、360度評価を通じてこの盲点を認識し、個人の成長を促す取り組みが行われています。

参考記事:【2024年最新】360度評価とは?メリットやデメリットを徹底解説

秘密の窓とは

秘密の窓は、自分は知っているが他者には明かしていない情報が含まれる領域です。この窓が大きい場合、周囲に対して自己開示をしない可能性が高いと考えられます。この自己開示には、意識的に行っていないパターンと自覚がないパターンの2つに分けられ、自覚なく自己開示を行っていない場合は、自分自身の個性を十分に表現できていない可能性があります。

なお意識的に自己開示をしていない場合は、個人は自分の思考や感情を他者に伝えることに抵抗を感じている可能性があり、この窓が大きくなるとチーム内での信頼関係が希薄になり、協力がスムーズに進まない可能性があります
適度な自己開示を行うことは、チーム内の信頼関係を築く上で非常に重要です。特に、心理的安全性が高まることで、社員は率直な意見を交わしやすくなり、健全な組織文化の形成につながります。

未知の窓とは

未知の窓は、自分も他者も知らない未知の領域です。企業研修では、この領域を小さくすることで、社員が新しいスキルや強みに気づき、より多様なキャリアパスや成長の機会を見つけることができます。未知の窓を縮小するためには、フィードバックや自己探求の機会が重要です。

ジョハリの窓が多くの企業研修で活用される理由

ジョハリの窓は、個人の自己認識を深めるだけでなく、チーム全体の協力体制を強化するツールとして、多くの企業研修で活用されています。自己開示と他者からのフィードバックを通じて、コミュニケーションが円滑化され、チームの信頼感が向上します。

ジョハリの窓を研修に導入するメリット

ジョハリの窓を研修に導入するメリットは主に以下の通りです。
1.個々の自己認識の向上
2.チーム内の信頼関係の向上
3.リーダーシップの強化
4.フィードバック文化の醸成
5.パフォーマンス向上への直結

それぞれ解説します

個々の自己認識の向上

ジョハリの窓は、個々の従業員が自分自身を客観的に見つめ直すためのツールです。自己評価と他者からのフィードバックを組み合わせることで、従業員は自分の強みや弱点を明確に把握し、成長の方向性を見出すことができます。

チーム内の信頼関係の向上

ジョハリの窓は、自己開示とフィードバックを通じて、チーム内の信頼感を深める効果があります。お互いに率直な意見を交わし合うことで、誤解やコミュニケーションの断絶を防ぎ、協力体制を強化します。これにより、心理的安全性が高まり、効果的なチームワークが生まれます。

リーダーシップの強化

ジョハリの窓は、リーダーシップ開発においても非常に有効です。リーダーは、自分の行動や言動がどのようにチームに影響を与えているかをフィードバックから学び、自身のリーダーシップスタイルを改善できます。これにより、リーダーとチームの関係性が強化され、全体的な組織パフォーマンスが向上します。

フィードバック文化の醸成

企業において、建設的なフィードバックが行われる環境は成長のために不可欠です。ジョハリの窓を研修で取り入れることで、フィードバックを受けることに対する抵抗感が減り、社員同士がオープンに意見を交換し合う文化が育ちます。これにより、従業員は自己改善を促進し、組織全体が進化する文化が醸成されます。

パフォーマンス向上への直結

ジョハリの窓を通じた自己認識の深まりやフィードバックの促進は、従業員個々のパフォーマンスを向上させます。盲点を減らし、自己開示を進めることで、個人とチームがより一貫した目標達成に向かって進めるため、最終的には企業全体の業績向上にも繋がります。

ジョハリの窓を活用するデメリット

ジョハリの窓は効果的なツールですが、導入にあたってはデメリットも存在します。特に、フィードバックの質や自己開示の抵抗、専門知識の必要性などが課題となります。また、時間やリソースを十分に投入する必要があり、チーム内の信頼関係が築かれていない場合、期待する効果が得られない可能性もあります

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ジョハリの窓の実施方法の種類

ジョハリの窓を実施する方法には、紙やペンを用いた方法と、デジタルツールを活用した方法の2つが一般的です。どちらの方法にもメリットがあり、組織や参加者の状況に応じて使い分けることができます。

紙やペンを用いて記述する手法

紙とペンを用いる方法は、ジョハリの窓のもっとも基本的なアプローチです。参加者が自分自身の特徴や他者からのフィードバックを紙に記述し、4つの窓に情報を分類していきます。対面でのフィードバックセッションを通じて、直接的かつ深い対話が促進されます。特に、じっくりと自己反省やフィードバックを行う場では、紙に記述することで、思考が整理されやすく、フィードバックの質も向上します。ただし、手書きによる作業は時間がかかることが多く、大規模な研修では効率が下がる可能性もあります。

無料の診断アプリなどを利用する手法

ジョハリの窓をデジタルツールで実施する方法も広く利用されています。無料の診断アプリやオンラインツールを活用することで、迅速かつ効率的に自己評価とフィードバックのプロセスが進められます。特に、多数の参加者がいる研修やリモートワークが一般化している現代の職場環境では、オンラインツールの活用が有効です。これにより、データの集計や分析が自動化され、結果を即座にフィードバックできるため、研修全体の進行がスムーズになります。一方で、直接的な対話が少なくなり、フィードバックの質が浅くなりがちな点が課題です。

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ジョハリの窓の実施手順

ここではジョハリの窓の実施手順を解説します。

事前準備

紙とペンを用いて記述する場合は、実際にジョハリの窓を作成する用紙と、相手の持つ特性を書き連ねるための用紙とを用意します。この特性を書き連ねる用紙はグループワークの場合、参加人数分必要です。

診断アプリなどを利用する場合はあらかじめ必要なアプリをダウンロードして、オンライン上でグループワークが出来るように準備をします。

ジョハリの窓を実施する前に、参加者に十分な準備をしてもらうことが大切です。まず、ジョハリの窓の基本概念を説明し、参加者に自己理解を深めてもらう準備を行います。以下は、自己評価や他者フィードバックに役立つ20の項目例です。これにより、参加者は自身について深く考えるきっかけを得ると同時に、フィードバックが受け入れやすい環境が整います。

ジョハリの窓 項目例

向上心がある親切
協調性が高い感情的になりやすい
責任感が強い決断力がある
リーダーシップがある論理的
柔軟性がある冷静
自信がある思いやりがある
創造的積極的
慎重時間管理が上手い
正直忍耐強い
粘り強い感受性が高い

ワークショップの進め方

グループワークで行う場合、用意してある用紙の1枚目を4つに分割するための十字を書き入れ、左上を開放の窓、左下を秘密の窓、右上を盲点の窓、右下を未知の窓と書き込みます。二枚目以降の用紙にはグループワークに参加している個人個人に性格に該当する要素を記入していきます。

2枚目以降の用紙については、自分自身が把握するものには◯を、自分以外の人が認める項目については色を変えて◯をつけていくと良いでしょう。
自分も他人も◯をつけたものは「開放の窓」に、自分が◯をつけ他人がつけなかったものは「秘密の窓」」、自分は◯をつけず、他人が◯をつけたものは「盲点の窓」へ、自分も他人も◯をつけなかったものは「秘密の窓」に振り分けます。

各参加者は、自己評価で認識していた項目に他者の意見を加えることで、新たな気づきを得られます。フィードバックの共有段階では、自己開示によって「秘密の窓」を小さくし、オープンなコミュニケーションを促進します。

最後にディスカッションと振り返りの時間を設け、参加者が得たフィードバックを基に今後の行動計画や改善点を具体的に考えるよう促します。このようなプロセスを通じて、参加者間の信頼感やチームワークが強化されます。

分析手順

ジョハリの窓を用いたワークショップで得られたフィードバックや自己評価結果は、自己理解とチーム関係の改善に欠かせない分析材料です。以下に分析の手順を示します。

自己評価とフィードバックの整理

まず、参加者が自己評価で選んだ項目と、他者からのフィードバックで得た項目を一覧化します。この段階で、自己評価と他者評価の重複する項目や、ギャップのある項目が明確になります。

4つの窓の分類

自己評価と他者評価の結果を4つの窓(開放の窓、盲点の窓、秘密の窓、未知の窓)に分類します。自己評価と他者評価が一致する項目は「開放の窓」自己評価にはなく他者評価にのみある項目は「盲点の窓」自己評価にのみある項目は「秘密の窓」、そしてどちらにも該当しない項目が「未知の窓」に該当します。

ギャップの確認

「盲点の窓」にある項目については、他者の意見を基に自己理解を深め、今後の行動改善に繋げます。また、「秘密の窓」に該当する項目については、自己開示を進めることで、他者との信頼関係を高める方法を検討します。

行動改善プランの策定

分析結果を基に、改善すべき行動や目標を設定します。例えば、盲点の窓で気づいた改善点について、どのような場面で気を付けるべきか、どのようなスキルを伸ばすべきかを具体的にプランに落とし込みます。

実施における注意点

ジョハリの窓のワークショップを実施する際には、心理的安全性の確保やフィードバックの質の向上に配慮することが重要です。まず、参加者が安心して自己開示やフィードバックを行えるよう、批判的なコメントや不適切なフィードバックを避け、建設的で前向きなフィードバックを推奨します。
また、フィードバックが曖昧ではなく、具体的な状況や行動に基づくものであることが、相手にとって受け入れやすいフィードバックになります。なお、信頼関係が十分に築かれていない場合は、表面的な結果に終わりがちです。そのため、ワークショップの前に信頼関係を構築する活動や説明を行い、安心して取り組める環境を整えることが重要です。

ジョハリの窓の実施結果の活用法

ジョハリの窓を通じた実施結果は、個人とチームの成長に大きく役立つものです。効果的に活用することで、自己理解や他者との信頼関係が深まり、職場環境全体のパフォーマンス向上にも繋がります。以下では、具体的な活用法を4つ挙げ、それぞれの方法について詳しく解説します。

「開放の窓」を広げ風通しの良い職場環境へ

ジョハリの窓の「開放の窓」を広げることで、社員同士が互いの強みや価値観を共有しやすくなり、コミュニケーションが円滑な職場環境が築かれます開放の窓が大きいほど、社員はお互いを理解しやすくなり、誤解や行き違いが減り、仕事の連携がスムーズになります。また、自己開示を進め、フィードバックを積極的に受け入れる姿勢を持つことで、意見や提案がしやすくなり、社員一人ひとりが自分らしく働ける風通しの良い職場が実現されます。人事担当者としては、社員が安心して意見を出し合える場を設け、日常的にコミュニケーションが取りやすい雰囲気を整えることが求められます。こうした取り組みは、社員のエンゲージメントやモチベーション向上に繋がり、業務効率の向上も期待できます。

「盲点の窓」を縮小しリーダーシップ開発と自己改善へ

ジョハリの窓は、リーダーシップ開発や自己改善においても非常に有効です。リーダーが自身の「盲点の窓」を縮小することで、自分の行動や言動がチームにどのような影響を与えているかを理解しやすくなります他者からのフィードバックを通じて、リーダーは自分の改善すべき点を具体的に把握し、自己改善の道筋を立てやすくなります。リーダーとしての自己認識が高まることで、より効果的なリーダーシップを発揮し、チーム全体のパフォーマンス向上にも貢献します。また、リーダーが積極的にフィードバックを受け入れる姿勢を見せることで、他のメンバーもフィードバックに対する抵抗感を和らげ、オープンな職場文化の促進が期待されます。

「秘密の窓」を開放しチームビルディングと信頼関係の強化へ

ジョハリの窓の「秘密の窓」を適度に開放することで、メンバー間の信頼関係が強まり、チームビルディングが促進されます。自己開示やフィードバックを通じて、メンバーはお互いの強みや弱みを知り、個性や価値観を尊重し合える関係が築かれます。秘密の窓を少しずつ開放することで、心理的安全性が高まり、メンバーは率直な意見を交わしやすくなります。信頼関係が強化されると、プロジェクトやタスクでの協力体制が整い、チーム全体の一体感も高まります。これにより、チームの生産性や問題解決力が向上し、職場のエンゲージメントが高まるといった効果も期待されます。

「未知の窓」を発見し個人のキャリア開発と成長支援へ

ジョハリの窓を通じたフィードバック結果は、個人のキャリア開発や成長支援においても役立ちます。自己評価と他者評価を比較することで、「未知の窓」に隠れた自分の潜在能力や新たな強みに気づくきっかけが得られます。未知の窓に該当する領域が明らかになると、今まで気づかなかったスキルや可能性に目を向けやすくなり、自己改善やスキル開発の目標設定がしやすくなります。この結果を踏まえ、キャリア開発に必要なトレーニングやサポートを行うことで、社員一人ひとりが持つ成長意欲を高められます。人事担当者としては、個人のキャリア目標に応じた成長支援を行うことで、組織全体の人材育成にも貢献します。

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まとめ

今回は、ジョハリの窓で得られる効果と実施における流れ、注意点を解説しました。
ジョハリの窓の自己開示から得るものは多く、組織が抱える課題を個人レベルで見える化して、対処の一手を打つためにも画期的なツールです。
社員の成長と、社内・部署内のコミュニケーション向上に、活用してみてはいかがでしょうか。


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HRコラム編集部

「CBASE 360°」は、株式会社シーベースが提供するHRクラウドシステムです。経営を導く戦略人事を目指す人事向けのお役立ち情報をコラムでご紹介します。

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