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人事担当が知っておきたいリスクマネジメントとは?

2022.03.03 その他

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不祥事への対応が企業の価値を決めてしまうような風潮の昨今。リスクマネジメントは企業の永続的な活動において不可欠な取り組みとなりました。
その重要さはわかってはいても、部署ごとでの取り組みになると、具体的に何をして良いのかが見えにくくなってしまいます。
今回は、特に人事担当者目線でのリスクマネジメントについて解説していきます。
一般的なリスクマネジメントとは、違ったアプローチもありますので、最後まで読んでいってくださいね。

リスクマネジメントとは?

リスクマネジメントとは、リスクを組織として回避するため、また、発生時の
損失を低減させるために対策することを指します。
テクノロジーの発達、会社運営のグローバル化、社会の多様化が進み、以前は顕在化することが少なかった問題が、表に現れやすくなった背景から、会社運営におけるリスクマネジメントは多岐に渡るようになりました。
そのため、会社運営全体としてのリスクマネジメントと、各部門のリスクマネジメントの両方が最近では大切であると見られています。

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リスクマネジメント実施の方法

ここではリスクマネジメントの一般的な実施方法について解説します。

リスクの発見

まず初めに考えられるリスクを洗い出します。
このリスクの洗い出しから始まるリスクの特定は、その後に続くそれぞれの対策に影響しますので、複数の視点から考え、可能性を洗い出すことが大切です。

リスク分析

続いて、洗い出したリスクをどれほどの影響力を持つのか分析します。
重要度×緊急性で優先順位も大まかにこの時点で考えておくのがオススメです。
また、定量的、数値的に判定できるリスクと、数字では表すことが難しいリスクもこの段階で分類しておきましょう。

リスク評価

分析されたリスクに対し、会社としての優先順位を本格的につけていきます。
経済・機会・信用・社員と顧客の心理的安全性などからも判断し、優先順位をつける作業と共に、誰が、どの部署が対応すべきかを特定していきましょう。

リスク対応

リスクの評価から策定した対策案を実行に移します。
リスクコントロールとして、「回避」「損失防止」「損失削減」「分散・分離」といった手法が取られます。また、保険などを利用してリスクの移転や、リスクを潜在的に意識しながら保有することも対応となります。

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人事担当者が知っておくべきリスクマネジメント

人事担当者が関わるリスクは、会社の経済的損失・機会的損失の他に、最も大きな信用失墜のリスクがあります。
これらのリスクに影響のある内容を業務ごとに解説します。

人事異動

人事異動において注意しなければならない事は、従業員が一方的に押し付けられたと感じさせないことです。
労働契約で使用者側には人事権が認められていますがこちらは契約に基づくものであり範囲を超えての行使を認められていません。
権利の乱用と感じさせないためには、相手の理解をしっかりと取り付けておく必要があります。

法改正への対応

昨今、雇用における法改正や、行政の指導が活発になってきています。
人事部においては、関連省庁から出される細かな発表を漏らさず確認し、法改正の折には、即座に適正な対応をすることが求められています。

法定手続き

企業が行うべき法定手続きには
・年末調整
・36協定
・年度更新
・月変
・給与支払報告書

といったものがあります。
それぞれ行うべき手続きに期日がありますので、その期日に遅れることがなく進められるようスケジュール調整しておくことが重要です。

残業代・給与未払い

労働者により労働基準監督所に残業代や給与の未払いを申告されてしまうケースがあります。
特に残業代においては、その従業員が所属する部署の責任者や従業員の上司により適正な申告がされず未払いが発生するケースがよく見られます。
日頃より、リスクマネジメントとして上司として人の上に立つ人材への適正な教育が必要となります。

過剰労働

過剰労働においては、従業員本人の適性や能力に応じた業務提供をされていたかどうかも問題になってきます。
その従業員の周囲の人材の働きかけによって対応可能な場合と、そうでない場合とが考えられますので、確実に従業員の適性を把握することができる360度評価を活用し、適材適所となる配置や、頑張りが確実に成長となり、力となる環境の提供が必要となります。

ハラスメント

昨今、ハラスメントが多様化し、多くの問題を引き起こしています。
一度、問題として外に出てしまうと、著しく企業のイメージを損なう問題に発展します。
世代間の感覚差、立場による意識の違いをマネジメント層が積極的に受け入れて、行動に反映させていく必要があります。
ハラスメントは、当事者意識を呼び起こしにくく、研修による意識付けも難しいものなので、役員レベルからの日々の心がけが重要になります。

メンタルヘルス

中間管理職、若年層のメンタルヘルスの問題もリスクマネジメントとして取り組むべき課題の1つです。
ストレスチェックの義務化もあり、積極的にメンタルヘルスに取り組んでいるという姿勢も企業の評価として重要なものになってきています。
また、メンタルヘルスで問題を抱える社員は著しく集中力が下がり、事故発生の危険性もあります。

採用活動

採用活動においては、求職者への対応、選考期間中の流れ、試用期間及び研修期間中の対応などで求職者との間に問題が生じる可能性があります。
特に、試用期間を設けなかった場合、研修期間中に不採用扱いとできませんので、慎重に雇用契約までを進める必要があります。

リストラ・解雇

リストラや解雇は、受け取られ方を間違えると不正解雇や退職の強要として訴えられてしまうことが考えられます。社員を解雇する必要が生じた場合、以下の点に気をつけましょう。
・解雇予告
(労働基準法第20条によって、解雇予告を行うことが義務付けられている)
・解雇理由の正当性
(就業規則に解雇事由が明記されていてそれに該当する場合)
・リストラ後の人員配置
(リストラ後、空いたポジションにどのような人員を配置するのかの見直し)

人事担当者向けリスクマネジメント方法

人事担当者が業務におけるリスクマネジメントを行う場合、トラブルを未然に防ぐことに力を注ぐことが重要です。そのためには正しい知識を持って人事・労務管理を行わなければなりません。
そのために
・年次スケジュールの把握
・各種手続きの自動化、効率化
・複数人で見直し確認をする習慣

の3点が大切です。
リスクマネジメントをしながら日々の業務を行うためには、業務内容の数量化・数値化といったことも積極的に考え、数値データとして変化に気づくと言うことも大切です。
さらに部署ごとで抱える問題についてもコミュニケーションを密に取ることによって適切に把握し、リスクを予測すると言う体質を人事担当者の中で育てていくことも必要かもしれません。
また、リスクマネジメントを効果的にするために、第2種衛生管理者、ビジネスコンプライアンス検定、メンタルヘルスマネジメント検定といった資格の取得や、こういった分野の学習を人事担当者やマネジメント層が積極的に取り組むことも必要かもしれません。

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リモートワークに潜むリスク

リモートワークが推進され、多くの企業ではリモートワークに対してのリスクマネジメントも急務となりました。
人事担当者としては、
・従業員の勤怠管理が難しくなる
・人事評価が難しくなる
・従業員同士で不公平感を抱える可能性がある
・環境整備にコストと時間がかかる
・環境変化、運動不足による健康を損なう危険性がある
・コミュニケーション不全などからのメンタルへの影響

といった心配が発生します。
勤怠管理の一環としてリモートワーク中、離席を許可制にしてはプライバシーの問題にも関わってきます。反面、仕事とプライベートの切り替えがうまくできずに、常態的に仕事を続けてしまう見えない残業が頻発しやすくもなります。
これまでは、同じ場で確認できたことが、画面越し・文字のやり取りだけの判断となり、評価すべき基準の変化に評価者がついていくことができなくなることも考えられます。
また、数値で評価できない部分については、同じ部間で適正な判断が難しく同僚同士で見えない評価に不満を感じることもあるかもしれません。
勤務体系の変化だけでなく、相次ぐ自粛の影響による運動不足からの体調、メンタルの不全となるかもしれません。
社員のリモートでの「働く環境配慮」も人事担当者の業務とする場合は、健康管理に関する呼びかけもリスクマネジメントとして必要になるでしょう。

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まとめ

コンプライアンスやCSRが話題となる昨今、リスクマネジメントは企業で重要な課題となってきています。
今回は、このリスクマネジメントを人事担当者目線で解説しました。
時には企業の顔ともなる人事セクションのリスクマネジメントは、会社の根底を揺るぎないものにするために重要な取り組みになりますね。


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HRコラム編集部

「CBASE 360°」は、株式会社シーベースが提供するHRクラウドシステムです。経営を導く戦略人事を目指す人事向けのお役立ち情報をコラムでご紹介します。

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