リーダーシップ論とは?理論の変遷や最新理論を紹介
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リーダーシップ論は非常に多くの種類があり、時代の流れとともに研究が深められてきました。最近では新しいリーダーシップ論も多く登場しており、それぞれに目的や特徴まで異なります。
今回はリーダーシップ論の変遷から最新のリーダーシップ論の考え方まで紹介します。目的や特徴まで詳しく解説しますので、どのようなリーダーシップを企業に取り入れるのか、ぜひ参考にしてください。
目次
リーダーシップ論とは
まず、リーダーシップとは指導力や統率力といわれますが、明確な定義は人によって異なります。
リーダーシップ論とは、組織やチームで成果に導くのは、どのようなリーダーなのか、どのようなプロセスをたどるのか、その共通点や法則を模索する理論です。
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リーダーシップ論の変遷
リーダーシップ論は昔から研究されており、研究が進められてきました。ここでは、リーダーシップ論がどのような変遷をたどってきたのか、その歴史を紹介します。
特性論
特性論とは、リーダーには、共通して持っている特性や資質があるとする理論です。1940年代以前はこの特性論をベースに研究が進められています。
優れたリーダーとは何か、リーダーとそうではない人の違いは何か、分析し、その特性を明らかにしようとしました。
その結果、特性や性格の把握の中で「クリフトンストレングス(旧ストレングス・ファインダー)」などの特性把握の手法が生まれています。
しかし、リーダーとしての資質に共通点があるかどうかは疑問が残り、特性も抽象的になってしまうため、その特性をどのように調べるのか、リーダーシップは特性によるものなのかという疑問が残っています。
参考:GALLUP クリフトンストレングス
行動論
行動論は1940〜1960年まで注目された理論です。行動論ではリーダーがどのような行動を取るのかに注目しています。行動であれば具体性があり、「経験や訓練で後天的に身につけられる」としています。
代表的な理論がPM理論です。この理論では、目標達成機能であるP(Performance)と集団維持機能M(Maintenance)の2軸に分け、両方の機能をあわせ持つのが目的達成と組織の維持や強化に強いリーダーだとしています。
コンティジェンシー論(条件適合理論)
コンティジェンシー論は、1960年ごろから提唱された理論で、メンバーの課題や条件に合わせて、リーダーの取るべき行動が変わるという理論です。
代表的なものがフィドラーの「コンティンジェンシー・モデル」です。リーダーの有効性に関わる条件を「状況好意性」という概念で定義し、その中には3つの要素があるとしています。
・リーダーが組織内のメンバーに受け入れられているか
・仕事や課題が明確で構造化されているか
・リーダーが部下をコントロールできる権限がどの程度あるか
以上の3つの条件を満たせるリーダーほど、リーダーシップを発揮しやすいとしています。
リーダーシップ交換・交流理論
1970年代に登場したリーダーシップ交換・交流理論は、リーダーとフォロワー(チームメンバー)との間でどのような価値交換が有益かどうかに着目した理論です。
成果に対して給料や昇給、失敗に対しては懲罰など「ギブアンドテイク」の考え方を中心に考えます。
変革型リーダーシップ理論
1980年代から登場した変革型リーダーシップは、ノール・M・ティシーやジョン・コッターが提唱した理論で、「生き残りのために企業を変化させることができるリーダーシップ」を意味します。
市場が成熟し始めたことや、時代の変化が激しくなったことで、企業の成功のためには、変化を求められるようになりました。
変革方のリーダーは能動的にチームメンバーに働きかけ、ビジョンや信念を持って行動することで、従業員のマインドにも変化をもたらします。
倫理型リーダーシップ理論
倫理型リーダーシップ理論は、1980年代から提唱された理論で、リーダーが持っている倫理観や人間性に着目し、「リーダーとはどのような存在であるべきか」に着目した理論です。
リーダーが部下に奉仕する姿勢を重視する「サーバントリーダーシップ」や人間性や高い倫理観からメンバーを導く「オーセンティックリーダーシップ」などが該当します。
最新のリーダーシップ論の種類
リーダーシップ論は種類が多く、最近ではさまざまな種類のリーダーシップ論が登場しています。
ここではどのような種類があるのか、いくつか紹介します。
サーバントリーダーシップ
サーバントリーダーシップは「まず部下に奉仕し、そこからチームを先導するリーダーシップ」という考え方です。日本ではいわゆる上司が部下を導く支配型のリーダーシップが主流でした。
これに対し、サーバントリーダーシップは、部下に奉仕の精神を持って、従業員の主体性を尊重し、成長を促すことで、チームとしての力を向上させることで、成果が出ると考えています。
新型コロナウイルスの感染拡大やVUCAの時代の到来によって、将来の見通しが立てにくくなったことが大きく影響しています。
ティッピング・ポイント・リーダーシップ
ティッピング・ポイント・リーダーシップは、転機として重要なものを見極め、一点突破しようというリーダーシップです。
影響力や信頼があるリーダーであれば、ビジョンを提示してメンバーを巻き込めますが、一般の人でも可能だとしています。そのためには、意識のハードル・経営資源のハードル・士気のハードル・組織のハードルの4つを超えることが必要です。
これらのハードルを超えることで、人を巻き込みつつ、大きな変革を促せるようになるとしています。
主に組織に課題を抱えており、大きく変革を必要とする場合に活用できる考え方でしょう。
ポジティブ・リーダーシップ
ポジティブ・リーダーシップはポジティブ心理学の台頭とともに知られるようになったリーダーシップです。
この場合のポジティブはただ楽観的に物事を考えるのではなく、目的や目標への高い貢献意識、肯定的なものの見方、美徳など3つの観点から個人を成長させることを重視しています。
ポジティブリーダーシップでのリーダーとは、リーダーの行動がメンバーに刺激を与え、そのような成長を促せるリーダーです。
組織が現在ある程度の安定しており、より成長させたい場合に取り入れられる考え方でしょう。
レベル5リーダーシップ
レベル5リーダーシップとは、第五水準のリーダーシップと呼ばれ、個人の謙虚さと職業人としての意思の強さの両方を持つリーダーが、会社を長期的な成長には必要とする考え方です。
このようなリーダーは、後継者として成功につながるリーダーを選抜でき、そのリーダーが会社の成長をもたらしてくれるとしています。
会社を長期的に反映させたいと考える場合に、レベル5リーダーシップを取り入れてみるとよいでしょう。
オーセンティック・リーダーシップ
オーセンティック・リーダーシップのオーセンティックとは「本物の」を意味し、倫理観や自分の価値観など、個人の価値観をベースにリーダーシップを発揮するという考え方です。
エンロン社での不正会計の問題から、企業の経営者には、高いレベルの倫理観が求められるようになってきました。このような背景から注目を集めるようになったリーダーシップ論です。
このようなリーダーには、自分の価値観や倫理観を理解し、その考えに忠実に行動すること、本心から働きかけ人をリードし、関係性を構築すること、自発的に学び続けることが必要な特性として掲げられています。
企業としての透明性を高めたい場合や、チームをより成長させたい場合に効果が期待できるリーダーシップです。
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まとめ
リーダーシップ論は昔から研究され続け、アプローチの方法も多種多様です。さまざまな種類がありますが、何を重視するか、目的によって、どのようなリーダーシップを取り入れるべきかは変わるでしょう。
企業でのリーダーシップのあり方を考える上での参考にして下さい。
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