ツァイガルニク効果とは?心理学的な意味と例、恋愛やビジネスでの応用法を解説
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ツァイガルニク効果は、達成できずやり残したことが記憶に残りやすいという効果であり、ビジネスやマーケティングの場面で多く使われています。しかし、場合によってはマイナスに働くこともあるため、どのような現象なのか、知っておくことが大切です。
今回はツァイガルニク効果とはどのようなものか、具体的な事例やメリットとデメリット、活用方法について解説します。
目次
ツァイガルニク効果とは
ツァイガルニク効果とは、「途中でうまくいかなかったことや中断したことが、最後までできたことよりも記憶に残る」という心理現象です。クルト・レヴィンとブルーマ・ツァイガルニクによる心理学の実験で、この効果は実証されました。
スポーツなどで、よいプレーよりも失敗したプレーの方が心に残る経験をしたことはないでしょうか。これがツァイガルニク効果です。この効果は恋愛やマーケティングなどでも応用されています。
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ツァイガルニク効果の事例
ツァイガルニク効果は、日常のさまざまな場面で起きています。ここではどのような事例があるか紹介します。
恋愛
ツァイガルニク効果で代表的なものが恋愛です。成就した恋愛よりも、うまくいかなかった経験の方がよく覚えている、というのもツァイガルニク効果が働いているためです。
別れを告げた側は自分の中で完結していますが、別れを告げられた側は記憶に残り、次の恋愛をはじめにくいのもツァイガルニク効果の影響です。
相手の気持ちを引き出すために、気になる情報を小出しにして、「もっと知りたい」と思わせる方法もあります。
勉強
勉強や論文の場面でも、ツァイガルニク効果は起こります。例えば、テストが終わったときに、解けなかった問題が印象に残ってしまう経験はないでしょうか。これもツァイガルニク効果です。
また、勉強をキリがよいところまで続けないと気になってしまうのも、ツァイガルニク効果が関わっています。
マーケティング
世の中のマーケティングの多くはツァイガルニク効果が関わっています。代表的なものはTV番組のCMのタイミングです。「続きはCMの後で」のように気になるところでCMに入ると視聴者は続きが気になり、チャンネルを変えにくくなります。
このような手法はTVだけではなく、WebサイトやSNSなど多くの広告で使用されている手法です。
日常生活
日常生活でもちょっとした場面で、ツァイガルニク効果が働いています。何かをしている途中、急に別のやるべきことができた場合、中断せざるを得なくなったことが気になってしまったことはないでしょうか。これもツァイガルニク効果です。
ツァイガルニク効果のメリット
ツァイガルニク効果はうまく活用することで、仕事の効率化やモチベーションアップにつなげられます。ここではどのようなメリットがあるのか、紹介します。
何かをする原動力にできる
ツァイガルニク効果は、何かをするときの原動力として活用できます。特に活用しやすいのが、モチベーションが上がらないときです。気持ちがのらないときでも、何かはじめると、ツァイガルニク効果が働くことで、中断せずに仕事がはじめられます。
「5分だけやってみる」など、敷居を下げてはじめると、そのまま中断できずに仕事を続けられることも多いでしょう。
モチベーションアップにつなげられる
ツァイガルニク効果を活用して、あえて仕事を中途半端なところで終わらせる方法もあります。仕事が途中になっていると、そのことが記憶に残っており、緊張感を維持できます。この効果をうまく活用することで、モチベーションアップに効果があるでしょう。
その一方で業務を中断することはストレスの原因になり、逆効果になることもあるため、注意が必要です。
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ツァイガルニク効果のデメリット
ツァイガルニク効果によって、仕事上のデメリットになることもあります。どのようなデメリットがあるのか、次で解説します。
ストレスを増やし、モチベーションを下げる
作業途中のものがあると、そのことが意識に向きストレスになります。その結果、モチベーションを下げる可能性があることに注意が必要です。途中になっているものはツァイガルニク効果によって、頭にずっと残り続けているため、ストレスになってしまいます。
そのため、やり残しのタスクを残さないようにすると、すっきりとして仕事の効率化につながるでしょう。
やり切ったことは忘れてしまう
ツァイガルニク効果はやり切ったことを記憶から忘れてしまう効果があります。これ自体は悪いことではありませんが、難しい目標をやり切ったときに、燃え尽き症候群になってしまう可能性があるでしょう。
目標は継続して立て続けるようにし、終わりを作らないようにすると、燃え尽き症候群になりにくくなります。また厳しすぎる目標になっていないかも注意が必要です。
ツァイガルニク効果をビジネスで活用する方法
ツァイガルニク効果はビジネスでも多くの場面で活用されています。ここではどのような活用方法があるのか、紹介します。
あえてキリが悪いところで終わらせる
ツァイガルニク効果を利用した方法の一つが、あえて作業中のものを途中で終わらせ、記憶に残す方法です。このことで、頭の中に仕事を残して、緊張感を維持できます。重要な仕事や、しっかりとよいアイデアを練りたいような仕事の場合に利用できるでしょう。ただし、やり残した業務が多いと逆にストレスになるため、注意が必要です。
ポモドーロ・テクニックもこの効果を利用しています。ポモドーロ・テクニックとは25分仕事をしたら5分休憩し、25分仕事をするやり方です。こまめに中断することで、集中力を維持できます。
TO DO LISTやスケジューリングを活用する
TO DO LISTやスケジューリングを活用すると、ツァイガルニク効果のデメリットを抑えられます。業務によってはやることが多く、どうしても途中になってしまうものもあるでしょう。また、ちょっとした内容でも、中途半端に残してしまうと、業務の効率化を妨げる要因になります。
TO DO LISTやスケジューリングで「いつ、どこで、どのようにやるか」を決め、仕事の区切りをつけておくと、脳では区切りがついた状態になり、ツァイガルニク効果が働きません。TO DO LISTやスケジューリングをうまく利用して、予定のメリハリをつけましょう。
マーケティングなどビジネスで活用する
ツァイガルニク効果はマーケティングで多く活用されています。広告やWebサイトだけではなく、アポイントの獲得などにも効果的です。
Webサイトなどで、閲覧者に商品やサービスの魅力を伝えた後で、「続きはこちら」という形で区切ると、気になってアクセスしやすくなる効果があります。漫画や書籍の試し読みで続きを気にならせる手法も、活用方法の一つです。
また、商談でも商品の魅力を説明しつつ「詳しい内容は次にお話しします」という形で会話を区切ると、次のアポイントにスムーズに誘導できます。
仕事は適切に終わらせられるように管理する
上司や人事の目線で見た場合、仕事の効率が悪い部下はツァイガルニク効果によって効率を落としている可能性があります。
中途半端に業務を残している、区切りのよいところで終わらせられていないなどツァイガルニク効果が悪影響をもたらしているかもしれません。これらの要素に気づくと、部下の業務効率改善につなげられるでしょう。
まとめ
ツァイガルニク効果はマーケティングで多く用いられる手法であり、うまく使うことで仕事の効率化につながります。その反面中途半端に業務を残すと、業務効率を落とす要因になるため、その性質をよく理解し、うまく使いこなすことが大切です。
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