エッセンシャルワーカーとは?生活を支える重要な職種とその意味を解説
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新型コロナウイルスの感染状況の報道とともに多くニュースで流れてくる「エッセンシャルワーカー」についての話題。
今回はこのエッセンシャルワーカーについて、言葉の表す意味、どのような仕事をする人たちなのか、抱えている問題点について解説します。
目次
エッセンシャルワーカーとは
エッセンシャルとは
英語でのessentialの意味は「本質的なさま。絶対的なさま。不可欠。」です。
ここから、本質的、根本的、基幹的、肝心、必要不可欠、必須の、といった意味をも含むようになります。
例えば、近年、ベストセラーとなったグレッグ・マキューン著の「エッセンシャル思考」では、自分が一番大事なものを見極め、それ以外の選択肢をうまく捨て、本質的なものに最高の力を発揮できるようにする技術であると「エッセンシャル思考」を説明しています。
このように、本質として必要不可欠であるものに対し、使われるのがエッセンシャルという言葉です。
エッセンシャルワーカーの意味
先述から考えると「エッセンシャルワーカー」とは、本質として必要不可欠である働き手、と考えることができます。
人が生きていく中で不可欠となる要素を担う職務に就く働き手ということになります。
医療、福祉、保育、第一次産業、行政、物流、小売業のほか、ライフラインを担う分野で働く人々がエッセンシャルワーカーと定義づけられるでしょう。
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代表的なエッセンシャルワーカーとなる職種
ここでは、具体的にエッセンシャルワーカーとカテゴライズされる職種について解説します。
医療
医師・歯科医師・看護師・理学療法士・薬剤師・救命救急士などが思いつくところでしょうか。
その他、厚生労働省が医療従事者の範囲とするのが、准看護師・助産師・歯科衛生士・診療放射線技師・歯科技工士・臨床検査技師・言語聴覚士・管理栄養士・義肢装具士などです。
小売・販売
私たちは生きていくために食料品、生活必需品などを消費し続けます。
生活の営みに欠かせない消費を支えるのがスーパーやコンビニエンスストア、薬局などの店員の存在。この仕事に就く人々、この生業を成り立たせる人たちもエッセンシャルワーカーとなります。
公務員
地域住民に行政としてのサービスを提供する公務員もエッセンシャルワーカーに含まれます。
窓口に寄せられる各種相談対応に追われる自治体も多くあります。
新型コロナウイルスの影響下ではワクチン接種のための対応、生活苦に関する相談も多く、特に保健所の業務は常に逼迫する状況を続けています。
福祉・教育
老人介護、幼児を預かる保育所・幼稚園などで勤務する人もエッセンシャルワーカーです。
介護、介助を必要とする人、保育ケアを必要とする人に向けての業務は、医療とは別の面での「命を預かる仕事」として継続しなくてはならない仕事であり、高い責任感と緊張を必要とする業務です。
生活・公共インフラ
生活のインフラを整備するのもエッセンシャルワーカーとなります。電気・水道などに関わる事業者、技師、作業員などはイメージしやすいところですが、ごみ収集員も重要なエッセンシャルワーカーの一員となります。
交通(運輸)・物流
公共交通機関のバス・電車の運転士や運営・接客を担う駅員といった交通機関で働く人々、物流を担う郵便配達員、宅配便の配送員、遠距離の物流を可能にするトラック運転手といった職種もエッセンシャルワーカーとなります。
交通機関で働く人々は環境の衛生保全のための業務が加わり、物流に関わる職種の人々は通信販売、デリバリー需要で増え続ける宅配数の増加で業務量の増加が気になる職種でもあります。
1次産業
生活と切り離せない衣食住のうち、「食」は日々の営みでは大変に重要です。
この「食」を支えるのが農業・漁業などの1次産業従事者です。
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エッセンシャルワーカーが注目された背景
新型コロナウイルスの影響から、リモートワークが各企業に求められ、学校が休校となり、店舗休業が続き、外出に関する規制がされました。
この際に、社会の最低限の機能を失わないために通勤せざるを得ない職種の人々がエッセンシャルワーカーとして注目されました。
特に海外をスタートに感染リスクを負いながらも、働き続けていた医療関係者への感謝の気持ちを表すブルーライトアップや夕方の拍手などの行動があり、世界的に報道されたのも記憶に新しい方も多いでしょう。
さらには、1年遅れで開催された東京オリンピックにおいては、聖火ランナーの最終点火者の前の注目を集める区間の走者を医療従事者が担当するなど、敬意の対象としての注目が以前との大きな違いです。
しかし、2022年を迎え、感染力の高い変異株による爆発的な感染者数の増大により、濃厚接触者の隔離期間が、医療・介護に関わる人材の深刻な人手不足を引き起こし、深刻な問題として違った注目も集めています。
エッセンシャルワーカーに近寄る危機
新型コロナウイルスの影響から起こるものを中心に、エッセンシャルワーカーに近寄る危機について解説します。
業務上のリスク
直接、人と接する仕事となる医療関連、介護関連、保育の仕事に就く人々は、常に濃厚接触者となってしまうリスクを負っています。特定の症状の患者、痴呆症の老人、幼い子どもなどは、感染防止のための行動も難しいこともあるため、さまざまな対策に困難と感染する、感染させるリスクを負わなければならない、不条理なことも多く見られます。
その他、重症ではない患者、待機者を受け入れているホテル従業員にも同様にリスクが発生します。
過重労働、人手不足
医療従事者の人は病院内が一般向け、新型コロナウイルスの患者向けなどの区分けが必要であったり、介護・教育に関わる業務に就く人たちは日々多くの業務に負われる中、さらに消毒作業などの業務が追加になったり、物流関連では自粛期間の影響で通信販売、デリバリー需要が急増し、業務量が急激に増えたり、などにより人手が必要となる中、採用が進まず、過重な労働から退職も増え、深刻な人手不足とこれによる過重労働が目立つようになりました。
また、小売などでは、営業規模を縮小しての営業となったケースもあり、勤務シフト調整から希望する勤務数の確保ができなかった労働者が収入のために退職し、人手不足となるケースも多くあります。
また、社会インフラを保つための業務にあたる道路整備、各種工事、ゴミ回収などの業務については、就業の希望数自体が少なく、慢性的な人材不足と従事者の高年齢化も課題となっています。
バーンアウト
バーンアウトとは、燃え尽き症候群とも呼ばれ、それまで熱心に仕事に取り組んでいた人が突然、やる気を失ってしまうことを指します。
社会のために、と意欲的に勤務するエッセンシャルワーカーも多い中、終わらぬ感染状況と厳しい労働環境から、自分自身が擦り切れてしまい、突然に気力を失ってしまったり体調を崩すバーンアウトの症状を訴える人が増える心配があります。
過度なストレス
労働環境を健全に保つために、適度な休息を保持することが定められていますが、危機的な環境下では、それを保持することが難しくなります。社会的な責任を果たす、という大きな責任を担って業務にあたることの多いエッセンシャルワーカーに、休むことができないという負荷も大きくのしかかり、様々な目に見えないリスクと不安で過度なストレスに襲われることも考えられます。
待遇
介護・保育・小売・物流などの業務にあたる人々に関しては特に低賃金の問題が恒常的に続いています。特に介護人材、保育人材の賃金をはじめとする低待遇は社会の深刻な問題で、従事者の使命感に依存することで成り立っている状況は改善の余地があります。
その他、エッセンシャルワーカーが抱える問題
新型コロナウイルスの影響下においては、エッセンシャルワーカーの親を持つ子どもが学校などで差別を受ける、家族が近所付き合いの中で孤立するなどの問題がありました。
また、医療・介護従事者については、プライベートの時間でも感染リスクを徹底して抑えなくてはならないため、友人・知人と会う、遠方の家族・親戚と会うということが制限され、孤独な状況で生活を続けているという現状が続いています。
エッセンシャルワーカーへの支援
エッセンシャルワーカーへの支援として、政府の対応では厚生労働省から介護サービスに従事する職員に対し、最大20万円の慰労金の給付が発表されました。
また、企業からの支援として、エッセンシャルワーカーへの宿泊支援やフードサービスといったものが多く見られます。また、採用支援が行われている分野もあります。
しかし、多くは医療・介護分野で見られ、それ以外のエッセンシャルワーカーへの支援は今後の課題とも言えるでしょう。
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エッセンシャルワーカーのまとめ
今回は、エッセンシャルワーカーについて解説しました。
安全に快適に生活を続けるために不可欠な業務に就く人々へ、どのように感謝の気持ちを表すかが、世間では話題となりがちです。
生き生きとやり甲斐をもって業務に取り組んでいただくためには、待遇改善や職業としての地位向上を目指せる社会の仕組みづくりも大切かもしれませんね。
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