ワーキングプアとは?貧困層の年収や手取りから見る原因と対策を解説
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ワーキングプアの人は労働しているにもかかわらず、年収が低く、厳しい環境で働いていることも多々あります。ワーキングプアに陥った人はさまざまな要因から、簡単には抜け出せません。
今回はワーキングプアとはどういう人か、実情や抜け出せない原因について解説します。
目次
ワーキングプアとは?定義や種類
ワーキングプアとは、フルタイムで働いているにもかかわらず、貧困状態にある人のことです。ワーキングプアは出産や育児の問題や、男女の不平等の問題で、女性に多くみられます。所得水準に関しては、国や地域によって異なりますが、日本では年収200万円、月収15万円以下がワーキングプアの一つの目安です。
ワーキングプアの人は、アルバイトやパートタイマーなど非正規雇用で働く人が多数いますが、正社員であっても、ワーキングプアである可能性は十分にあります。正社員でもワーキングプアになりやすい仕事として、飲食業、販売業、警備、建築業、保育士、農林漁業、などがあげられるでしょう。
30代以降の正社員を希望しつつ、非正規雇用で働いている中高年ワーキングプアの方もいます。また、大学を出て高い専門性があるにもかかわらず、受け皿がないためにワーキングプアに陥る、いわゆる高学歴ワーキングプアと呼ばれる人も出てくるようになりました。
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ワーキングプアが生まれた背景
ワーキングプアが生まれた要因はさまざまで、以下の要因があります。
・社会情勢
・キャリア再形成の難しさ
・価値観の変化
それぞれの要因について、具体的に次で紹介します。
社会情勢
ワーキングプアが増えたのは、社会情勢の影響から、企業の人件費削減、賃金水準の低下、非正規雇用の増加が背景にあります。
2012年にワーキングプアの人数は275万世帯いたのが最大であり、深刻な社会問題となっていました。
国税庁の「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」をみると、非正規社員の総人数は1167万人おり、平均所得は179万円という結果でした。前年度と比べると、2.2%増加しています。2012年以降は徐々に減少傾向にありますが、依然としてワーキングプアの人が多数いることがうかがえます。
参考:国税庁 平成30年分民間給与実態統計調査結果について
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2019/minkan/index.htm
キャリア再形成の難しさ
日本の就職事情として、一度非正規雇用になってしまう、子育てなどで退職してしまうと、キャリアの再形成が難しいことが問題です。正社員になっていると、研修やOJTにより、能力や専門知識を身につけていると見られ、評価されやすい傾向にあります。
企業によっては、パートタイマーやアルバイトの経験があると、それだけで不採用になってしまうケースもあり、非正規雇用になってしまうと、抜け出すのは容易ではありません。
中高年ワーキングプアの方の場合、年齢の壁が問題です。企業にとって、教育にかかるコストが高く、選考に落ちてしまいやすい傾向があります。そのまま、時間が経過し、歳を重ねてしますと、壁の高さはより高くなってしまうでしょう。
価値観の変化
また近年では、労働者の価値観が変化し、「自分の好きなことや自己実現に時間を使いたい」という人が増えてきているのも特徴です。自由な時間のために、収入が低くても非正規の仕事を選ぶ人もいます。
また、高学歴ワーキングプアの人の中には、自分の意思でそのような道を選ぶ人も少なからずいるでしょう。
ワーキングプアを抜け出すのが難しい背景
一度非正規雇用や無職の期間がある人の場合、ワーキングプアを抜け出すのは簡単ではありません。また、正規社員のワーキングプアの人も、簡単には転職できない事情があります。ここではどのような事情があるのか、紹介します。
気質の問題
真面目で一生懸命働く人は、ワーキングプアに陥りやすい傾向にあります。このような人が長時間労働が常態化しているようなブラック企業で働いた場合、一人で頑張りすぎていることがあるためです。周りに頼れるような人がいない場合誰にも相談できずに、転職するという選択肢が思い浮かばない場合もあるでしょう。
その結果、低い年収に甘んじたまま、過酷な労働を続けている場合があります。中には、「転職すると、他の社員に迷惑をかけてしまう」と転職に踏み切れない人もいるでしょう。
時間や精神的な余裕がない
ワーキングプアに陥っている人は、時間や精神的な余裕がない傾向にあります。転職や会社を辞めるというのは、エネルギーがいる決断です。しかし、長時間労働や低所得での労働や、過酷な肉体労働をしている場合、「転職してもうまくいかないのでは」や、「自分にはスキルがない」「疲れで、転職活動できない」と思ってしまい、ワーキングプア脱却を諦める場合があります。
「スキルを身につけよう」と考えても、スキルを身につけるためには必要な時間とお金が必要です。時間とお金を捻出できず、スキルを身につけるにしても、進められない場合もあります。
特に家庭や子どもがいる人の場合、時間やお金の問題がさらにシビアになり、より時間や精神的な余裕がない状態になりやすいでしょう。
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人事からみたワーキングプアの採用
人事から見ると、ワーキングプアの人は「採用のリスクが高い」と考えてしまいがちな人材でしょう。しかし、ワーキングプアの人の中に、魅力的な人材がいる可能性は0ではありません。ここではワーキングプアの人に目を向けるメリットを紹介します。
モチベーションが高い可能性
ワーキングプアの人は低給料、長時間労働など厳しい労働環境にいる人が多数います。また、転職活動をしていても、不採用になる可能性が一般の転職者よりも高く、不利な状況におかれてしまいがちです。
そのため、ワーキングプアの人は採用されたときに、会社に強い感謝の気持ちをもつことが期待できるでしょう。「他者への接し方や姿勢」に着目してみると、そのような人材を見極められるのではないでしょうか。
他では取れない優秀な人材の可能性がある
ワーキングプアの人は転職市場での価値が不当に低く見られがちで、十分にスキルや人柄を判断されないまま、不採用になってしまいがちです。しかしそうして不採用になっている人の中には、高いスキルをもつ人材がいる可能性は十分考えられます。
そうした人材に目を向けてみることで、他の企業では見つけられないような、優秀な人材が見つかるかもしれません。
自動選考で弾かれやすい
ワーキングプアの人は非正規雇用や無職の期間があるなど、自動選考で弾かれやすい問題を抱えているケースが多々あります。
そのため、ワーキングプアの人は書類選考から不採用になりやすい傾向にあり、特に自動選考を採用している場合、ワーキングプアの人に目を向けられません。特に30代以降の中高年ワーキングプアに当てはまる人は、教育にかかる投資とリターンの関係から敬遠される傾向にあります。
自動選考を取り入れると、エントリーシートや履歴書の確認や選考の効率が大幅に上がる点はメリットでしょう。しかし、「思うような人材が採用できない」と考えているのであれば、ワーキングプアの人に目を向けてみるのも選択肢の一つです。
ワーキングプアのまとめ
ワーキングプアの人は年収200万円以下の人で、過酷な労働環境にいることも多く、一度ワーキングプアに陥ってしまうと、そこから抜け出すのは簡単ではありません。
人事目線ではワーキングプアの採用はリスクが高く、敬遠する企業も少なくないでしょう。離職期間の問題などにより、自動選考で弾かれてしまうことも多々あります。しかし、多くの会社で、不採用となっている人の中にも、優秀な人材がいる可能性は0ではありません。
「採用でよい人材が集まらない」と感じているのであれば、ワーキングプアの人にも焦点を当ててみると、思わぬ人材が見つけられる可能性があります。
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