ラポールとは?心理学やビジネスでの活用方法と、信頼関係を築くためのヒントを解説
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ラポールをうまく形成すると、相手の心情を深く理解でき、ビジネスでもさまざまなよい影響を与えます。しかし、テクニックの実践は相手にバレてしまうと、逆効果になるため、相手に合わせさりげなく実践することが大切です。
今回はラポールとは何か、ラポール形成に利用できるテクニックや相手のタイプを見分ける方法まで解説します。相手とうまくラポール形成したい方はぜひ参考にしてください。
ラポールとは
ラポールとは「架け橋」のことで、相手との親密な関係や信頼関係のことです。ラポールを相手と形成できれば、リラックスした状態で話しやすくなり、心の中の悩みまで聞き出せます。ラポール形成で、重要な構成要素や、形成するためのポイントについては以下の記事をご覧ください。
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ラポールの具体的なやり方
ラポール形成はじっくりと時間をかけて作るものですが、テクニックを利用することで、より短時間でラポール形成できる可能性が高まります。ここではラポール形成に利用できるテクニックについて解説します。
ペーシング
ペーシングとは、自分の動きを相手のペースに合わせるテクニックです。人間の本能として、違いがあるものに敵意を持ち、逆に共通性がある人に安心する傾向があります。
具体的には、話し方や話すスピードや声の大きさ、トーン、呼吸を相手に合わせてみましょう。たとえば、相手が早口で話す場合には、自分も同じくらいの速さで話すようにします。また、明るい話し方の場合であれば、明るく反応するようにすると効果的です。
このペーシングを実践するためには、後述するキャリブレーションを使います。ペーシングをするうえで、みるべきポイントは肩や胸の動きです。これらの動きは呼吸に対応して動くため、呼吸を合わせるのに役立ちます。
ミラーリング
ミラーリングとは、瞬き、動作、声、表情、姿勢やジェスチャーなどを、相手の真似をして反応する方法です。真似する際に、意識して合わせたいのは、顔の位置と表情、上半身を意識しましょう。
顔の位置としては、頭が真っ直ぐか、前後左右に傾きがあるかがあります。顎の位置に着目すると、自然と実践可能です。表情としては、口角の上がり方や目の開き具合などに注目しましょう。相手の瞬きに合わせるのは簡単ではありませんが、プロのカウンセラーが実践しているテクニックです。
上半身は背筋の伸びや身体の傾きに注目します。また腕を組んでいるか、手の状態はどうか、ジェスチャーなどもミラーリングの対象です。
ただし、このミラーリングはあまり露骨にやると、相手にバレてしまう可能性があります。相手にバレてしまった場合には、ラポール形成そのものが難しくなることがあるため、さりげない実践が大切です。
キャリブレーション
キャリブレーションは相手を観察し、相手の心理状態に気づくためのテクニックです。キャリブレーションはミラーリングやペーシングを実践する上でも欠かせません。相手の状態をよく観察することで、相手の呼吸のペースや話し方などが把握できます。
実践するときには、相手の話にしっかりと耳を傾ける傾聴の姿勢が重要です。傾聴して相手から話をしてもらうことで、相手を観察する時間も確保できます。
相手の心理状態を適切に把握することで、相手と信頼形成するために何をするべきか判断しやすくなるでしょう。
心理状態を判断するポイントになるのは、相手の表情や声のトーンなどです。しかし、相手の心理状態を初対面で見抜くのは経験が求められます。2回目、3回目と重ねて会うときに、相手の表情やトーンに変化がないか、比較すると心理状態の変化が把握しやすくなります。
相手の心理状態に気づきがあったときには、相手の気持ちに寄り添い、「今日は前お話したときよりも元気ですね」などの言葉として伝えてみましょう。それが適切だった場合「この人は自分の気持ちをよくわかってくれる」と感じ、信頼関係が構築しやすくなるはずです。
なお、人によっては「気持ちを悟られたくない」と考える人もいます。そのような人を相手に心理状態を探ろうとしているのが気づかれてしまうと、ラポールを形成できません。そのような場合には、無理に探ろうとするのは避けてください。
バックトラッキング
バックトラッキングは、相手の言葉をそのまま返すことです。できるのであれば、相手の言葉をそのまま返すと、効果は高まります。
特に会話で使うべきタイミングは相手の話へ共感するときと、相手の話を確認するときです。
「〇〇が嬉しかったんです」という言葉であれば、「嬉しかったんですね」と「嬉しい」という言葉をそのまま使うと、相手に共感してもらいやすくなります。違和感がなければ、主語や目的語も省略しないで伝えましょう。
また、相手の話を要約するときや、事実確認をするときには、丁寧にバックトラッキングすると、相手から「話をしっかりと聞いてくれる人だ」という印象を持ってもらえます。
ただし、ミラーリングと同様、あからさまだとバレてしまいます。そのまま返すのが好ましいですが、自然な会話の流れを壊さないよう注意しましょう。
リーディング
リーディングとは相手の関心を自分の目的に向けて、相手の行動変換を促し、リードすることです。営業活動であれば、提案する段階がこのリーディングにあたります。このリーディングはラポールが形成された状態で実践すると、高い効果があります。
ただし、ラポール形成できていない状態でリーディングをすると、信頼関係が壊れる原因になりかねません。そのため、リーディングの実践はラポールが形成できているかを確認してから実践しましょう。
また、リードするときには、直接的に指示や命令をするのではなく、相手の気持ちを汲み取りながら、提案するのが効果的です。指示や命令は「否定された」という心理が働き、リーディングに失敗することがあります。
相手の3タイプに合わせて反応する方法
人はどの感覚を重視するのかによって、視覚、聴覚、身体感覚の3タイプに分けられます。相手のタイプに合わせてテクニックを使い分けられると、相手と信頼関係を構築するうえでも有効です。タイプを見極めるポイントと、接し方について解説します。
視覚系
視覚系とは目で見た情報を重視するタイプです。視覚的な表現を重視し、ジェスチャーを多用します。「話が見えない」など、視覚的な表現が多いことも特徴です。
視覚系の人は早口で話す傾向があるため、こちらも意識して早口で話すようにしましょう。目で動きがわかるミラーリングも効果的です。
聴覚系
聴覚系は、耳で聞いたことを重視します。相手の声の調子やトーンに着目する傾向があり、擬音語や「調和」など聴覚に関連した言葉を多用する傾向があることが特徴です。そのため、相手の話し方やスピードを合わせると、信頼関係を築きやすいでしょう。
聴覚系は3つのタイプの中では論理的な考えを重視する傾向があります。そのため、自分でも論理的に話すことを意識することがラポール形成するうえで効果的です。
身体感覚系
身体感覚を重視するタイプの人は身体の感覚で物事を話します。話すスピードはゆっくりな傾向があり、目線が下がる、胸に手をあてて話す傾向があるのが特徴です。「感じる」のように身体感覚に関連した言葉を多用する傾向にあります。
話しているときの居心地のよさを重視する人も多いため、身体感覚系の人と会話するときは、会話のテンポを特に重視して話しましょう。感情や声のトーンを合わせることも効果的です。
まとめ
ラポールはうまく形成することで、相手の気持ちのより深いところまで聞き出せるため、ビジネスでも、提案がスムーズに通りやすくなるなどの効果が期待できます。ただし、短い時間でラポール形成するのは簡単ではありません。
ラポール形成のテクニックは、相手のタイプに合わせて、うまく利用できれば、短時間でラポール形成ができるでしょう。ラポール形成のテクニックを実践する際の参考にしてください。
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