ファブレス企業とは?メーカーとの違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説
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ファブレス企業は自社で工場を持たないことで、開発研究やマーケティングにリソースを集中させる企業です。
企業の競争力を確保するうえで役立ちますが、デメリットもあり、どのような企業でもおすすめできるわけではありません。
今回は、ファブレス企業とはどのような企業か、メリットとデメリット、ファブレス経営を成功させるためのポイントについて解説します。ファブレス経営をご検討の企業はぜひ参考にしてください。
目次
ファブレス企業とは
ファブとは半導体工場のことで、ファブレス企業とは自社で生産工場を持たない企業です。製品の生産に関わるものは外部に委託して対応します。
工場設備を外部に委託することで、自社では、研究開発やマーケティングにリソースを割ける点が特徴です。研究開発やマーケティングのみの注力することで、新製品や技術の開発に注力し、競争力を確保しやすくなります。
ファブレス企業向きの事業や業種とは
ファブレス企業にしやすい事業や業種としては以下のものが挙げられます。
・半導体メーカー
・デジタル機器メーカー
・インテリア
半導体やデジタル機器は製品の競争が激しく、製品サイクルが短いため、短いスパンで新製品を出して、競争力を確保する必要があります。
また、デザイン力が求められるインテリアなどもファブレス企業向けの事業です。企画やデザインに注力し、製造を外部に委託することで、競争力が確保できます。
ファブレス企業の事例
有名なファブレス企業の事例としては以下の企業が挙げられます。
・Apple
・キーエンス
・任天堂
・サンゲツ
・ダイドードリンコ
・無印良品
これらの企業のような、グローバルに事業を展開する企業が有名なファブレス企業です。国内であれば、任天堂やキーエンスが代表的ですが、それ以外にも飲料品のダイドードリンコやカーテンやインテリアなどのサンゲツもファブレス企業に含まれています。
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ファブレス企業のメリット
ファブレス企業になることで、得られるメリットとしては以下のものがあります。
・市場の変化に柔軟に対応できる
・開発や研究にリソースを割ける
・製造費を下げられる場合がある
これらのメリットを生かし、競争力を確保することが、成長の鍵となるでしょう。具体的なメリットについて次で解説します。
市場の変化に柔軟に対応できる
ファブレス企業は工場がなく、企画力や開発力を重視した形態のため、市場の変化に柔軟に対応できます。
初期投資の費用がかからないため、ベンチャー企業やスタートアップのような、資金力に課題がある企業でも成長を目指せます。また、固定費も最小限で済むため、事業におけるリスクを抑えることが可能です。
開発や研究にリソースを割ける
ファブレス企業は製造のための資材や人材を最小限にできるため、開発や研究に企業のリソースを割けます。
研究開発にリソースを割くことで、企業の競争力を維持し、高い付加価値を提供できることが特徴です。いかにして高い競争力を維持するかが、ファブレス企業として成長できるかどうかのポイントになります。
製造費を下げられる場合がある
ファブレス企業は製造能力が高い企業に製造を委託することで、製造費が下がる場合があります。特に大きな工場を持った企業であれば、大量発注によるスケールメリットを生かしたコストダウンが可能です。
また、外注先を分散させることで、製造量の調整や納期の短縮を図れます。ただし、その場合には、品質管理体制を整えることが重要です。
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ファブレス企業のデメリット
ファブレス企業はうまく機能すれば、高い競争力を確保できますが、デメリットもあります。具体的なデメリットは以下の通りです。
・品質管理しにくい
・情報漏洩のリスク
・外注コストがかかる可能性
・外注業務のノウハウが蓄積されない
それぞれのデメリットについて、次で解説します。
品質管理しにくい
ファブレス企業のデメリットは、品質管理がしにくいことです。他社で製造を委託するため、委託先の製造工程は把握しにくく、品質確保のための施策が欠かせません。特に複数企業に製造を委託する場合には、品質のムラが生じてしまい、コントロールが難しくなるでしょう。
外注する際にはコストだけではなく、技術力や対応力など、信頼できる企業を探す必要があります。
情報漏えいのリスク
ファブレス企業のデメリットは、情報漏えいです。製造の委託先には自社の技術やノウハウが詰まっています。
そのため、委託先がその情報を外部に漏らす、類似品を製造することで、自社に不利益をもたらす可能性があります。
このような事態に対応するため、契約書で対処法や責任の所在についての取り決めが必要不可欠です。また、委託先が信頼できるかどうかは慎重な判断が求められます。
外注コストがかかる可能性
ファブレス企業の場合、外部企業に委託することになるため、外注コストは別途発生します。しかし、外注する場合は、小ロットで発注する場合や、安価な外注先が見つからない場合には、外注コストが高くなる可能性が高いでしょう。
売上が安定した際には、自社で製造管理した方が安定する場合もあります。
外注業務のノウハウが蓄積されない
外部委託した業務は自社が携わらないため、ノウハウが蓄積されません。生産過程で得られた知見やフィードバックなどを次の研究や開発で活かせない場合があります。
外注する際には、製造で得られる知見が必要かどうかも検討材料となるでしょう。
ファブレス経営を成功させるポイント
ファブレス経営は自社の競争力を高めるのに有効な方法ですが、失敗するリスクもあります。ここではファブレス経営を成功させるためには、どのような点に注力するべきか、解説します。
人材育成
ファブレス企業では研究・開発やマーケティングを主に行うため、これらへの投資、特に人材をいかにして育成するかが重要な課題です。
人材育成が進めば、独自性のある商品開発ができ、ブランド力を維持できます。しかし、独自の商品を生み出せない場合には、ファブレス企業の利点が活かせず企業競争に負けるリスクが高まってしまうでしょう。
イノベーションを起こせる人材や優秀な人材を積極的に確保する必要があります。
参考:イノベーション人材育成とは?背景や求められる要素
外注に対応できる管理体制の構築
ファブレス企業は製造を外部に委託するため、品質管理体制が確保できるかどうかが重要です。複数企業に製造を依頼する場合には、品質にばらつきが生じやすくなります。
そのため、品質を均一化するための管理体制や工場選びなどの仕組みづくりが必要です。
パートナー企業の見極め
ファブレス経営成功の重要なポイントが、パートナー企業の見極めです。ファブレス企業は品質管理を外部に依存しやすく、情報漏えいのリスクも抱えています。
そのため、情報漏えいのリスクが少なく、十分な製造力をもち、信頼性が高い企業を見つけられるかどうかが成功のポイントです。
また、信頼できるパートナーを見つけた後も、パートナー企業との連携体制を作り、品質管理体制に問題がある場合には厳しいルール作りが求められます。
まとめ
ファブレス企業は開発・研究やマーケティングに自社のリソースを集中させることで、企業の競争力を保つことが重要です。そのためには、自社の人材育成や外注に対応できる管理体制、信頼できるパートナー企業の見極めが重要となるでしょう。
人材育成の方法として、360度評価の導入も選択肢です。対象の社員を上司だけではなく、同僚や部下など複数の視点から評価することで、主観的になりやすい人事評価に客観性をもたせられます。
また、企業の風通しをよくし、コミュニケーションを活性化させる手段としても効果が期待できるでしょう。
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