コーピングとは?やり方や企業で導入するときのポイント
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コーピングはストレスに対するメンタルマネジメントの手法ですが、企業でも注目を集めはじめています。しかし、どのようなものか、どう導入するかわからない人もいるのではないでしょうか。
今回はコーピングとは何か、仕組みや手法、企業で導入する際のポイントについて解説します。コーピングを企業に取り入れる際の参考にしてください。
目次
コーピングとは
コーピングとはストレスに対処するための行動です。ストレスになるものの原因解決、またはストレスの負担を減らすための行動を行います。
日本では仕事でストレスを抱える人が多く、そのような人がコーピングを実践することで、ストレスを緩和させられます。モチベーションの低下やうつ病などの精神疾患の予防に効果が期待できるでしょう。
企業での仕事によるストレスによって、過労死や自殺の問題が問題視されるようになったことから注目を集めはじめました。
ストレスを放置する悪影響
ストレスは必ずしも悪いものではありませんが、過剰なストレスは心身に悪影響を及ぼします。人は過度なストレスによる負荷がかかると、なんらかの行動に現れます。
その反応は心理的なもの、身体的なもの、行動面の3種類です。具体的には、心理的な不安感や、身体面での動悸、行動面では、過度の飲酒や喫煙、ギャンブルなど、好ましくない行動が出てきます。さらに放置すると精神障害の原因にもなりえます。
また、ストレスは精神だけではなく、身体に悪影響を及ぼす点も問題です。ストレスは自律神経やホルモンなどの内分泌系、免疫系に悪影響を及ぼし、頭痛さまざまな病気の間接的な原因となります。
コーピングと適応機制との違い
適応機制とは欲求が満たされない、または自分に不都合な事態を避けたいときに、心身の緊張を保とうする働きです。
ストレスに対する反応という点ではコーピングと共通しています。しかし、コーピングの場合は、意識的な行動であり適応機制は無意識で働く反応である点が大きな違いです。
コーピングはやり方を学ぶことで、日々の生活に取り入れられます。
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ストレス発生の仕組み
コーピングのやり方を知る前に、ストレスがどのように発生するかを知っておくことが大切です。ここでは、ストレス発生の仕組みについて解説します。
ストレッサーとは
ストレッサーとは、外部からの圧力や負担などストレス発生の原因になる要因のことです。具体的には、「上司から文句を言われた」という場合や、「満員電車で窮屈な思いをした」などが挙げられます。
ストレスによってなんらかの反応を得た結果、緊張状態となり、心的な負担として蓄積されます。
ストレッサーは音や光など物理的な刺激によるもの、化学物質によるもの、人間関係をはじめとした心理・社会的なものに分けられています。ストレスは心理・社会的なものがクローズアップされがちです。しかし、それ以外の要素もストレッサーも含まれます。
一次的認知評価
一次的認知評価とは、ストレッサーを「ストレスとして認識するか」を判断する行程です。「ストレッサーではない」と判断された場合、そのまま関係ないものとしてストレスに感じることはありません。
「ストレッサーである」と判断された場合には、二次的認知評価に進みます。
二次的認知評価
二次的認知評価は、ストレスに対してどう対処するかを考えるプロセスです。「ストレスにへの対処法があるか」「ストレスの対処法は実現可能か」を検討します。どちらも難しいと判断した場合、ストレスによる悪影響をもたらします。
デイリーハッスルとは
デイリーハッスルとは、日常で起きる小さなストレッサーのことです。ちょっとした日常の人間関係や、仕事のミスなど、一つ一つは小さなストレスでも積み重ねることで大きな問題となることがあります。
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コーピングの手法
コーピングは大まかに3つの手法に分けられます。
・問題焦点型コーピング
・情動焦点型コーピング
・ストレス解消型コーピング
これらの手法はそれぞれ特徴が異なり、ストレスの原因や状況に合わせて使い分けることが大切です。それぞれの内容を次で解説します。
問題焦点型コーピング
問題焦点型コーピングとは、ストレッサーに対して、自発的に問題解決に取り組む方法です。また、周囲にアドバイスや協力を求める手法も当てはまります。
例えば、「電車通勤が辛いときに、自転車を購入し自転車通勤を試みる」、「長時間労働がストレスになっているときに、業務効率を上げる工夫をして残業時間を減らす」などの対処法が挙げられるでしょう。これらの方法がうまくいくと、ストレスの根本原因自体が解消し、このことに対してストレスを感じること自体がなくなります。
「周囲にアドバイスを求める」、「カウンセリングを受ける」という方法も、問題焦点型コーピングの手法の一つです。直接的な解決につながらなくても、気持ちを吐き出す、共感してもらうという過程により、ストレスが緩和されます。
情動焦点型コーピング
情動焦点型コーピングとは、問題そのものではなく、自分が抱えている感情に焦点を当て、感じ方や考え方を変えて対処する方法です。
例えば、「人事異動に不満があったが、周囲と相談し、今の状況で頑張ることが将来につながる」と考えられるようになることなどが挙げられるでしょう。
問題焦点型コーピングのように直接問題解決を図ることが難しい場合には、情動焦点型コーピングを用います。
ストレス解消型コーピング
ストレス解消型コーピングとは、ストレスを感じたときにストレスを身体の外に発散させる方法です。好きなものを食べる、タバコやお酒、運動をするなどの方法があります。ヨガや温泉、マッサージなどリラクゼーションなどの方法も、効果的です。
即効性があり、ストレス解消はできますが、原因が根本から改善するわけではありません。
個人でコーピングの質を高める方法
コーピングは個人で取り入れるときには、実践しやすいテクニックを取り入れることがおすすめです。どのような方法があるのか、次で解説します。
コーピングリスト
コーピングリストとはストレスを感じたときに、軽減できる行為や言動をリスト化したものです。最初にコーピングとして効果があるものを書き出し、ストレスを感じた場合に、どのような対処が効果的か、コーピングリストから実践して検証します。
例えば、「美味しいものを食べる」や「友人と飲みにいく」などがあるでしょう。しかし、同じ行動でも条件や状況によってストレスの軽減効果は変わるため、さまざまな条件で退避させることが大切です。
それぞれの状況や実践したコーピングの効果を数値化し、状況に合わせたストレス軽減法を取り入れることで、効果的にストレスを軽減できます。
輪ゴムの活用
輪ゴムを活用し、意識をストレッサーから別のものに移す方法も効果的です。輪ゴムを近くに準備しておき、ストレスを感じた時や、気分が晴れないときに、輪ゴムを引っ張り手首に当てます。
「これで気分を入れ替えるんだ」という気持ちを持ち、繰り返し習慣として取り組むことで、痛みをきっかけにストレスから意識をそらしましょう。意識的な気分の転換ができることで、ストレスを適切に処理しやすくなります。
企業がコーピングを導入するには
企業がコーピングをする手法としては、以下の方法があります。
・メンター制度
・研修
・ランチ会
・1:1ミーティング
・心理カウンセリング
これらの制度を会社の実情に合わせて、取り入れてみることも選択肢です。
参考:メンターとは?よいメンターの条件やメリットは
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企業がコーピングを導入する際のポイント
企業での過酷や労働による自殺や精神疾患などが話題になっており、企業でもコーピングに取り組む重要性は高まっています。ここではコーピングを導入する際のポイントを紹介します。
会社のストレッサーを減らす
企業がコーピングを取り入れる方法はさまざまですが、ストレッサーとなる会社の課題がある場合には、十分な効果が発揮されにくくなるでしょう。
そのため、組織内部に多くの人がストレッサーだと感じる課題はないか、分析することが大切です。しかし、自社だけでは、客観的な判断は難しいため、外部の診断ツールを使い、多様な観点からストレッサーがないか、確認しましょう。
状況に応じて適切な手法は変わる
ストレッサーによって、適切な方法は変わります。同じ方法でも、状況や条件が異なることで、思うように効果がないことも珍しくありません。
そのため、ストレスコーピングを導入する際には、現状を把握し、「問題解決ができないか」「ストレッサーについて捉え方を変えられないか」検証するようにしましょう。客観的な視点を取り入れることで、自分だけでは気づかない観点に気づくこともあります。
まとめ
仕事におけるストレスに対して適切な対処を取る方法として、コーピングは効果的です。従業員の心の状態がよくなることで、健康状態にも影響を与え、従業員のパフォーマンスの向上にもつながります。
しかし、ストレッサーとなる原因が会社の中に多い場合には、会社の労働環境改善が大切です。スマレビの組織診断は会社の課題は何か、手間をかけずに従業員が抱えている満足と不満の要因を調査できます。
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