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シエスタ制度とは?メリット・デメリットと導入企業の実例を解説

2024.11.02 その他

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シエスタ制度はスタートアップ企業などで生産性の向上を目的として導入されています。しかし、本当に効果的なのか、どのように導入するべきかわからない人もいるでしょう。
今回はシエスタ制度の概要や導入事例、導入時の注意点について解説します。シエスタ制度の導入を検討しているのであれば、ぜひ参考にしてください。

シエスタ制度とは

シエスタ制度とは、午後に休憩時間を長めに取る制度です。シエスタとは、お昼から夕方の時間を示すスペイン語で、スペインなどの国では、昼休みを13時から16時ごろに取る習慣があります。
シエスタの時間は自由時間として、昼寝、気分転換など、自由に過ごせ、昼の休憩をリラックスやリフレッシュの時間にあてられます。
法律上は、「8時間の労働に対して1時間の休憩」が義務付けられていますが、1時間を超える休憩に関しては法律上特に問題ありません。
また、シエスタ制度の導入を任意にすることも可能です。任意で利用できることで、柔軟な働き方の実現にもつながります。

シエスタ制度の目的

シエスタ制度は昼以降の仕事の生産性を向上させることが目的で導入されています。「眠気が酷くて集中できない」「疲れていて、モチベーションが上がらない」という状態の従業員は、どうしても生産性が落ちてしまうでしょう。
そのような状況を回避するために、シエスタ制度は導入されました。昼寝を通して、従業員の眠気や体力を回復させることで、生産性の向上が期待できます。

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シエスタ制度導入の効果とデメリット

シエスタ制度は、生産性の向上に効果がありますが、デメリットもあります。ここではどのようなデメリットがあるか、解説します。

シエスタ制度の効果

シエスタ制度の効果としては以下のものが挙げられます。
・午後の生産性の増加
・労働時間の柔軟性の確保
・ストレスや疲労の解消
・集中力アップ
・認知能力の向上
・病気のリスク軽減
・プライベートの充実
・仕事や会社に対しての満足度の向上
・福利厚生としてPRすることでの求人効率の改善

特に午後30分程度の短い昼寝をすると、作業効率の改善に効果があることは、2014年厚生労働省によって公表されています。
シエスタ制度の導入によって、社員はより柔軟かつ、パフォーマンスを発揮しやすい環境になるため、モチベーションが向上する効果も期待できるでしょう。また、シエスタ制度の導入をPRすることで、求人効率の改善にもつながります。

参考:厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針 2014
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf

シエスタ制度のデメリット

シエスタ制度のデメリットとしては、適切な睡眠が取れないと逆効果になる点、退勤時間が後ろ倒しになりやすい点です。
シエスタ制度で睡眠を取ることもありますが、睡眠時間が長くなり、睡眠が深くなってしまうと、逆に脳がぼんやりしてしまう可能性があります。
また、休憩時間を長めに確保することで、退勤時間が後ろ倒しになる点にも注意が必要です。長時間労働が常態化しているような場合、従業員にかえって負担をかけてしまう可能性があります。
そのため、シエスタ制度を導入するときには、適切な昼寝の仕方を解説し、無理のない勤務が可能かどうか検証することが大切です。

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シエスタ制度の導入事例

シエスタ制度や昼寝制度はスタートアップ企業だけではなく、大手企業でも導入された事例があります。どのような形で導入されているのか、事例をいくつか紹介します。

三菱地所

三菱地所は2018年から、仮眠室を導入し、昼寝ができる環境を整えた企業です。仮眠室の導入と同時に30分の仮眠を取った場合とそうではない場合で、どの程度業務の質が向上するのか、効果測定も行なっています。
タイピングテストのような客観的なテストでも、主観的なアンケートでも、集中力が上がり、成果が出ているということがわかっています

株式会社ヒューゴ

株式会社ヒューゴは13時から16時までの3時間の昼休み制度を導入しています。この時間、従業員はアイマスクをし、デスクやソファで寝る、長めのランチや映画を見にいくなどの過ごし方をするなど、自由な過ごし方が可能です。制度を使用するかどうかは従業員の判断に委ねられています。
この制度を導入してから、5年間で売上実績は6倍以上に伸び、細かいミスの減少や残業時間の短縮などの効果が得られました

シエスタ制度導入の注意点

シエスタ制度は生産性の向上に効果が期待できますが、業務に支障が出ないように配慮することが大切です。シエスタ制度導入の注意点について解説します。

退社時間に配慮する

シエスタ制度は昼休みが長くなる分、退社時間が遅くなってしまう点に注意が必要です。勤務時間が8時間、休憩を3時間取り、出社時間が9時だったとすると、帰社時間は20時になります。
残業時間が長いような企業の場合、帰社時間が遅くなることで、かえって生産性が下がるリスクも考えられます。そのため、シエスタ制度を導入する際には、帰社時間に支障が出ないかどうか、確認が必要です。

お客さまや取引先に支障が出ないよう配慮する

シエスタ制度を導入する際は、お客さまや取引先とのやり取りに影響しないよう配慮する必要があります。シエスタ制度を導入する際には、取引先やお客さまにその期間は連絡がつかないことを共有するか、利用する人のタイミングをずらし、対応できる人材を確保するなどの工夫が必要です。

利用しやすい環境づくりや意識改革

シエスタ制度は日本では馴染みがなく、利用しやすい環境づくりと意識改革が大切です。快適な睡眠ができるよう、仮眠室の確保や、アイマスク、耳栓、仮眠用ベッドやチェアなどの準備が挙げられます。
また、「勤務中に昼寝は好ましくない」と考えている従業員もいるでしょう。特に上司や経営陣がそう考えている場合、従業員が利用を萎縮してしまい、形骸化してしまいかねません。
そのため、研修を行い、シエスタ制度導入の意義や効果的な睡眠の方法を共有しましょう。また、経営陣や上司が率先して利用し、従業員や利用しやすい雰囲気づくりも大切です。
また、組織の風土によって思うように導入が進まない場合には、組織の課題解決をしてから導入する必要があります。

効果的な昼寝のポイントを共有する

昼寝は生産性の向上に効果的ですが、睡眠時間が長すぎる場合には、悪影響を及ぼす可能性があります。昼寝を制度に取り入れる場合は、正しい昼寝の仕方を従業員に共有し、生産性を落とさない工夫が必要です。
簡単にポイントをまとめると、以下の点があります。
・15分から30分の睡眠を取り、それ以上の睡眠は避ける
・ベッドで寝るのは避け、机や椅子で寝るようにする
・アイマスクや耳栓を使い、睡眠環境を整える
・寝る前にカフェインを飲むと、目覚めがよくなる

睡眠が長すぎる場合、深い睡眠に陥り、目覚めが悪くなってしまいます。そのため、15分から長くても30分程度に止めることが重要です。
深い眠りに入るのを避けるため、机や椅子で寝るのも効果的です。最近では仮眠用のチェアなどもあります。カフェインは効果が出るまでに20分から30分の時間がかかるため、仮眠後の目覚めをよくするのに効果的です。
これらのポイントを従業員に共有し、シエスタ制度の効果を最大限活かせるよう工夫しましょう。

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シエスタ制度のまとめ

シエスタ制度は日本で徐々に導入が進んでいます。しかし、ただ導入するだけでは、利用されにくく、思うような効果が出ないこともあるため、正しい導入方法を共有し、柔軟に利用できる制度をつくることで利用されやすい環境ができるでしょう。
シエスタ制度を導入し、従業員のモチベーションを上げる際の参考にしてください。


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HRコラム編集部

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