ハラスメントの原因と対策|増加する理由と防止策を解説
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ハラスメント対策は、問題行為の察知が難しい、問題の社員に自覚を促すのが難しい、再発防止策を整えるのが難しいなど、多くの問題があり、どのように体制を作るべきか分からない人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
ハラスメントは多種多様であり、問題の社員が無自覚なことも多いため、ルールを作るだけで対処できるものではありません。
今回はハラスメントの原因や解決策について解説します。
目次
ハラスメントとは
ハラスメントの種類は多種多様であり、さまざまなものがあります。
・パワーハラスメント
・セクシャルハラスメント
・マタニティハラスメント
・時短ハラスメント
・ケアハラスメント
パワーハラスメントやセクシャルハラスメントが一般的ですが、ハラスメントの種類は多種多様です。またそれぞれのハラスメントを明確に分けるのは難しく、複数のハラスメントが関係している場合もあります。
ハラスメントはは社員のモチベーションを下げるだけではなく、部署全体にも影響し、企業の生産性を低下させる重大な問題です。
また、最近では時短勤務をしている人に差別を行う時短ハラスメントや、介護をしている社員に対して、差別を行うケアハラスメントなどあります。
パワハラの定義
ハラスメントの中でも、会社で問題になりやすいのが、パワーハラスメント(パワハラ)です。パワハラの定義は、厚生労働省によると以下のように定義されます。
①優越的な関係を背景とした言動
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
③労働者の就業環境が害される
参考:厚⽣労働省「あかるい職場応援団」 「ハラスメント基本情報」ハラスメントの定義
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/definition/about
なお、業務上必要であると客観的に見做される場合には、パワーハラスメントには該当しません。ただし、客観的に必要であるという判断については社員によって差があるため、認識のズレからパワハラの損害賠償を請求されるケースもあります。
パワハラの種類はさまざま
パワハラの種類はさまざまですが、大まかに以下の6つの類型に分類されます。
パワハラの6類型
・身体的攻撃
・精神的攻撃
・人間関係からの切り離し
・過大な要求
・過小な要求
・個の侵害
パワハラこれらの一つまたは、複合的に組み合わさって起きることが一般的です。また、これらの類型に当てはまらないパワハラもあるため、あくまで参考程度だと捉える必要があります。
パワハラは増加傾向にある
ハラスメントが関係していると思われる、個別労働紛争の発生件数は令和元年度まで10年間年々増加傾向にあります。
厚生労働省の「令和2年度個別労働紛争解決制度の施⾏状況」によると、「いじめ・いやがらせ」の件数は令和2年度で79,190件あり、これは10年前と比べると、2倍に増加するという結果になりました。
参考:これから始める 「360度評価を活用したパワハラ対策」 施策ガイドブック
これは日々の業務でのストレスが増加傾向にあることやパワハラに関する関心が高まった結果、以前よりも相談しやすくなったことが要因として挙げられるでしょう。厚生労働省による調査では、パワハラの相談件数が増加している理由として、「パワーハラスメントに対する関心が高まった」が42.5%、「職務上のストレスが増加している」が41.1%を占めていることからもそのことが伺えます。
参考:平成 28 年度 厚生労働省委託事業 職場のパワーハラスメントに関する 実態調査報告書(概要版)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000165751.pdf
パワハラ防止法により重要性がより高まっている
パワハラ防止法が2020年6月1日より施行(中小企業は2022年4月1日)され、企業がパワハラ対策により組む重要性はより高まっています。
パワハラ防止法では、罰則規定はありません。しかし、社員から損害賠償をにつながる恐れがあるだけではなく、適切な対応を取らなかった場合に、社名とパワハラの事実が世間に公表される可能性があります。
そのため、会社の社会的な信頼の喪失にもつながり、深刻な被害を与える可能性があるでしょう。
パワハラは対応が難しい
パワハラ対策の重要性は高まっているものの、パワハラの対応を企業単位で対策するのは簡単ではありません。
上司から部下への対処で起こりやすい問題ですが、従業員と認識の差異があることが多く、対象となる社員に自覚がない場合もあります。
このような無自覚なパワハラ行為は客観性の確保が難しく、行為の程度や影響を客観的に把握するのは簡単ではありません。また、パワハラの定義や基準は不明確であり、「何をパワハラと定義するか」という問題もつきまといます。
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ハラスメントの問題が起きる理由
ハラスメントの問題が起きる理由はさまざまですが、以下のような要素が大まかな理由としては考えられるでしょう。
・個人の意識の違い
・倫理観の欠如
・マネジメント能力の欠如
・コミュニケーション不足
・自己認識能力の欠如
・業務量やワークフローなど雇用管理の問題
これらの要素は個人の能力や性格によるものもあれば、会社の雇用管理が関わるものもあります。そのため、パワハラが起きた場合、原因が複雑なため、どのような問題があるか、丁寧に確認することが大切です。
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パワハラが起きた場合の対処法
パワハラが実際に起きた場合、どのように対処すればよいか、分からない方は多いでしょう。ここではパワハラが実際に起きた場合の対処法を解説します。
行為の見極め
パワハラが起きた場合、まずは行為があったのかどうかの事実確認を行いましょう。常習的なものであるのか、問題の程度やきっかけを調査します。この調査の際には、ハラスメントの被害者に、調査の範囲ややり方について了承を取っておくことが大切です。
了承を得たら、行為者への事実確認や、第三者への事実確認を行います。調査の際には、証言内容に矛盾がないか、話している様子を確認しましょう。
会社の規定による対処
事実確認ができたら、会社の就業規則に基づいて懲戒や降格処分などの対処を行いましょう。具体的には以下の対処があります。
・規定に基づいた懲戒や降格処分
・人事異動
パワハラの加害者になる人には、改善の機会を与えることも大切です。ハラスメントへの対策が逆にハラスメントと受け取られないように、丁寧な対応を心がける必要があります。
加害者に対してもメンタルケアが必要になる場合もあるため、カウンセリングの実施も検討しましょう。加害者に対しても定期的なフォローが必要です。
被害者への対応
ハラスメントの被害者に対して、環境を整えることも大切です。具体的には以下のことを行いましょう。
・被害者の待遇面での不利益の見直し
・心理的なケア
・プライバシーの保護
これらは一度対応したら終わりではなく、被害者に対しても継続的なフォローが必要になります。
ハラスメントの解決策は
ハラスメント問題を解決するためには、会社としてどのような対応をするべきなのか、ここでは解説します。
ハラスメント対策は会社として毅然とした態度で
ハラスメント対策は会社側の毅然とした態度が求められます。「パワハラを許さない」というメッセージを経営陣から打ち出し、期限を設けた具体的な是正措置の実施を行い、ルールを形骸化させないことが大切です。
パワハラはルールや体制が明確になっていなければ、ルールが守られず、ルールを作っても無意味になってしまう可能性が高まってしまいます。
具体的な課題を把握する
パワハラ解決のためには、具体的な課題の把握が大切です。ハラスメントの原因はさまざまで、個人が原因のものから、会社の組織風土が関わっている場合もあります。
社員に周知徹底を行う
社員に対してハラスメントに関する知識を共有し、会社での体制まで含めて周知徹底していくことが大切です。
ハラスメント対策は一人の意識から生じるものであり、定期的な研修を行い、ハラスメントに対するアンテナを張っている状態を作りましょう。
相談しやすい環境を整える
ハラスメントの有無は、相談しやすさに大きく影響しているといえます。具体的には以下のものがあります。
・組織の風通しをよくする
・相談窓口の設置
これらの対策を実施することで、ハラスメントが起きてもすぐに相談できる体制が構築でき、予防策としても高い効果が期待できるでしょう。
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パワハラ対策の対策として、360度調査を利用した対策も効果的です。360度調査は一人の従業員に対して、上司や同僚など複数人から評価をすることで、より客観的な評価ができます。
CBASEの360度評価は回答データから、「ハラスメントを引き起こしやすいタイプ」の傾向を持つ人を抽出でき、「本人が気づいていない自分の課題」を客観的に把握可能です。そのため、ハラスメント傾向がある社員に対して、自覚を促しやすくなります。
定期的に360度調査を行うことで、改善のための行動があるかどうかも、モニタリングしやすく、再発防止策としても効果的です。
ハラスメントのまとめ
ハラスメント対策は企業にとっての重要性が高く、適切な体制づくりが求められます。パワハラ問題は事前に体制を整え、企業として毅然とした態度で望むことが大切です。
CBASEの360度調査はパワハラの予防から対処、再発防止の仕組みづくりに役立ちます。ハラスメント傾向にある社員の抽出から、具体的な課題の把握、再発防止のためのモニタリングまで対応可能です。
ハラスメント対策のホワイトペーパーは以下のリンクよりダウンロードできます。ハラスメント対策にお困りの方はぜひ参考にしてください。
参考資料:これから始める 「360度評価を活用したパワハラ対策」 施策ガイドブック
「CBASE 360°」は、株式会社シーベースが提供するHRクラウドシステムです。経営を導く戦略人事を目指す人事向けのお役立ち情報をコラムでご紹介します。