ダブルバインドとは?意味や心理的影響、事例や対処法も解説
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目次
ダブルバインドとは?ビジネスでの問題点や抜け出し方
ダブルバインドは日々の仕事で発生しやすく、従業員にストレスを与え、生産性にも悪い効果を与えてしまいます。そのまま放置すると、うつ病に発展する可能性もあり、企業として大きな問題になる前の対処が重要です。
今回はダブルバインドとはどのようなものか、問題点や抜け出し方について解説します。ダブルバインドの問題にお困りであれば、ぜひ参考にしてください。
ダブルバインドとは
ダブルバインドとは、アメリカの精神科医グレゴリー・ベイトソンが提唱した概念で、「二重拘束」を意味します。ビジネス上では二つの矛盾した命令を他人に与えている状態のことです。
「分からないことがあったら聞いて」と言われたが、いざ分からないことを聞いたら「自分で考えて」と言われた体験はないでしょうか。これがダブルバインドです。
ダブルバインド状態になると、どちらに従っても片方の命令は聞けなくなってしまい、強い心理的な負担がかかります。
モラルハラスメントやパワーハラスメントにもつながり、従業員のパフォーマンスにマイナスの影響をもたらしかねません。また、どちらを選んでもよい結果になるという、肯定的なダブルバインドもあります。
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ダブルバインドの問題点
ダブルバインドはビジネス上でさまざまな問題を引き起こします。具体的には以下の通りです。
・従業員が混乱するリスク
・ストレスを抱えてしまう
・パフォーマンスが下がる
・何が正解なのか自分で判断しにくくなる
ダブルバインド状態になると、従業員はどの選択肢を選ぶべきか判断に迷ってしまい、混乱してしまいます。その結果ストレスを抱えてしまい、パフォーマンスが下がってしまう可能性があります。従業員が自分の考えではなく、相手の様子を伺い、上司などの他人の判断を聞かないと行動しなくなる恐れがあるためです。
ダブルバインド状態が長く続くことで、うつ病など心の病の原因にもなりかねません。そのため、ダブルバインド状態をならないようなコミュニケーションが重要です。
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ダブルバインド状態のかわし方
ダブルバインド状態に個人が陥った場合、どのように対処するべきでしょうか。具体的な対処方法についてここでは解説します。
相談する
「ダブルバインド状態になっている」と思った場合は、周りに相談してみることがおすすめです。相談して、客観的な意見をもらうことで、新しい視点での解決策がもらえる、別の人に対処してもらえるため、心理的な負担が軽くなります。
特に上司や先輩社員からのダブルバインドは自分だけの力で抜け出すのは難しく、別の上司や同僚の力を借りることが重要です。ただし、相談する際には信頼できる第三者に相談するようにしましょう。信頼できない人の場合、相談した結果、ダブルバインド状態が強まる可能性もあります。産業医に相談する方法も有効です。
別の選択肢がないか検討する
ダブルバインド状態の場合「AかBか」の選択を迫られがちですが、別の選択肢がないか検討することが大切です。ダブルバインド状態に陥るときには、相手が感情的になっていることもあり、「怒られることが怖い」など、自分の感情によって、冷静な判断が難しい場合があります。
そのため、現状どのような状態なのか、客観的に判断するよう心がけましょう。
自分の気持ちを大切にする
ダブルバインド状態になった際には、自分の気持ちを大切にすることが大切です。ダブルバインド状態になっていると、強いストレスがかかっているため、「相手の指示に従わなければいけない」「できなかった自分が悪い」と感じることがあります。
そのような感情はさておき、自分がどのような状況に置かれているかと、何を感じているかを分けてそれぞれ客観的に見つめることが大切です。
この際に有効な考え方がセルフコンパッションです。セルフコンパッションとは自分への慈しみを意味し、自分の「あるがまま」を受け入れる姿勢を示します。
企業でダブルバインド状態に対処する方法
ダブルバインド状態に陥る頻度が多い場合、どのように対処するのがよいでしょうか。ここでは企業でダブルバインド状態に対処する方法について解説します。
上司側がダブルバインドについて理解を深める
ダブルバインド状態は上司や先輩など、立場が上の人からの指示によって生じやすいため、上司側でダブルバインド状態にならないよう発言に配慮を求めることが効果的です。
具体的には以下の点を心がけるとよいでしょう。
・相手が感じていることや理由を把握する
・反対意見の場合、反対である理由を説明する
・ダブルバインドになっていないか、自分の発言を振り返って注意する
・自分が弱みを見せてはいけないと思わないようにする
ダブルバインド状態にならないようにするには、上司側が等身大の自分を見つめ、できることとできないことを客観的に把握する姿勢をもち、自分がダブルバインドにするような発言をしていないか、確認することが大切です。
また、部下であっても高圧的に指示をするのではなく、敬意をもって接する姿勢が求められます。ときに自分ができないことを認め、相手と相談しながら解決策を模索する姿勢も大切です。
上司が部下に対してできないことを認めることは勇気が必要なことでしょう。しかし、そのようなステップを経験することで、上司の成長にもつながるのではないでしょうか。
組織の風通しをよくする
ダブルバインド状態を回避するためには、組織の風通しをよくすることが大切です。ダブルバインド状態を回避する方法として、周囲に相談することがあります。風通しがよく自然にコミュニケーションが取れている職場であれば、無理なく職場の悩みを相談できるでしょう。
ダブルバインド状態で悩む社員が少なくなれば、職場全体の雰囲気の改善につながります。具体的には、以下の方法があります。
・社内SNSやコミュニケーションツールの導入
・メンター制度の導入
・1on1ミーティング
・組織の課題の改善
・360度調査の導入
社内SNSは社内でのみ利用できるSNSで、会社内での連絡事項の共有や日常のやりとりにも活用できます。社員間でお礼を送り合うサンクスカードなどの制度が利用しやすく、うまく運用できれば、職場内のコミュニケーションを補える存在になるでしょう。
メンター制度は上司以外の先輩社員をメンターとして、若手社員をサポートする制度です。メンターは直接業務に関わらない人が選ばれることで、若手社員は人間関係や仕事の悩みをざっくばらんに打ち明けやすくなります。
1on1ミーティングは部下と上司が1対1で話し合うことです。部下の育成やモチベーションの向上を目的に行われます。部下と上司のコミュニケーションが進むことで、ダブルバインド状態にならずに相談できる関係ができるでしょう。ただし、上司と部下の関係性が十分ではない場合、思うように機能しない点に注意する必要があります。
また、組織風土の改善のためには、組織診断を利用する方法も選択肢です。会社の人事制度や評価制度がコミュニケーションを阻害する要因である可能性があります。ただし、自社で組織の課題を把握することは難しい場合もあるため、外部の診断ツールを活用すると、自社の課題を客観的に把握しやすくなるでしょう。
360度評価とは、対象の社員を複数人の視点から評価することです。複数人の視点から評価することで、より客観的に自分を捉えられます。そのため、ダブルバインド状態に陥りにくくする効果も期待できるでしょう。また、従業員の相互理解が深まり、コミュニケーションの活性化にも効果的です。
これらの制度を必要に応じて取り入れることで、ダブルバインド状態に陥らない組織づくりに役立ちます。
まとめ
ダブルバインド状態は従業員に強いストレスを与え、従業員のパフォーマンスにも大きな影響を与えます。また、ダブルバインド状態を放置すると、心の病に発展する可能性もあり、上司や先輩社員を中心にダブルバインド状態を回避できる組織づくりが大切です。
スマレビの組織診断や360度評価は、組織の課題を客観的に分析する、社員のコミュニケーションを促し、社員間の客観的な評価づくりを通して、ダブルバインド状態の解決にも役立ちます。