エンプロイヤーブランディングとは?採用効率を上げる実践方法と注意点
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エンプロイヤーブランディングに取り組むことで、求職者とのミスマッチが生じにくくなり、採用効率を高められます。ただし、適切な方法で取り組まなければ、思うような効果は発揮できません。
今回はエンプロイヤーブランディングとは何か、具体的な取り組み方や事例について紹介します。エンプロイヤーブランディング施策を企業で取り組む際の参考にしてください。
目次
エンプロイヤーブランディングとは
エンプロイヤーブランディングとは、雇う側の会社が求職者に対して行うブランディングです。働く環境としての側面にスポットを当て、働きやすい環境づくりへの取り組みやそのブランディングのための施策、それらの施策をSNSやホームページを通して外部にPRすることが含まれます。
ブランディングのためには、環境づくりと広報はどちらも欠かせません。そのため、両方のバランスを取って取り組むことが大切です。
エンプロイヤーブランディングの重要性は高まっている
エンプロイヤーブランディングは、採用の重要性が高まるにつれて、注目されている考え方です。企業は人材不足に悩まされており、「いかにして魅力的な人材を確保するか」という問題を抱えています。
特に優秀な人材の確保が難しくなっていることも問題です。はたらこねっとが2019年に調査したアンケートによると、「人手不足の要因はなんだと思いますか?」という問いに対して、「採用したものの定着しない」が21%、「求人を出しても応募がない」が13%を占めており、採用難易度が上がっていることが伺えます。
参考記事:人手不足の状態とは?原因や対処方法、注意点について解説
求人に対して、応募する人数や必要な適性を満たしていない人が集まる可能性もあり、「人数×質」をどのようにして確保するかの重要性が高まってきました。「人数×質」を確保するうえで、エンプロイヤーブランディングは重要な考え方の一つとして考えられるでしょう。
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エンプロイヤーブランディングのメリット
企業がエンプロイヤービルディングに取り組むメリットとしては、以下のものが挙げられます。
・採用時に応募者のミスマッチが少なくなる
・離職率が低下する
・採用活動の負担が少なくなる
エンプロイヤーブランディングが成功すれば、スキルや経験がある応募者が増え、求める人材のミスマッチが少なくなることがメリットです。
離職率の低下にもエンプロイヤーブランディングは効果を発揮します。労働環境の改善に取り組むことにもなるため、社員のモチベーションが上がることが期待できるためです。
一度ブランディングに成功すると、その効果は長期間持続するため、採用活動の負担軽減にも効果が期待できます。
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エンプロイヤーブランディング導入の手順
企業でエンプロイヤーブランディングに取り組む事例は、現状それほど多くありません。ここではどのような取り組みをしていけばよいのか、具体的な手順を解説します。
想定する人材の設定・ニーズ調査
まずは自社でどのような人材を必要としているか、求める人材がどのような企業を求めているか、ニーズを調査することから始めます。
具体的な手法としては、現在働いている社員に対してインタビューを実施する、応募者に対してのヒアリングや内定辞退した人へのヒアリングなどが挙げられるでしょう。
ニーズを的確に把握できなければ、成果にはつながりにくいため、丁寧にニーズを把握することが大切です。
あるべき自社の姿を決める
エンプロイヤーブランディングでは、企業として、どのような姿を求めるかニーズを踏まえて決定しましょう。
企業の理念や商品イメージとの整合性と、採用市場でのニーズの両方を踏まえて決めることがポイントです。両者のイメージが一致することで、採用者にとって魅力ある企業としてPRできる土台が整います。
自社のイメージ調査
次に自社がどのようなイメージを持っているのか、調査しましょう。自社の採用担当者が想定しているイメージと、口コミサイトなどでのイメージには、乖離があることが珍しくありません。
SNSや採用サイトでの口コミなどで、実際に働いている人や退職した人の声が簡単に調べられます。
客観的に現状の自社イメージを把握することで、どのようにブランディングしていくべきか、方向性を決定しやすくなります。
自社のEVPを考える
自社におけるEVPは何か、明確にしましょう。EVPとは「Employee Value Proposition」の頭文字を取ったもので、雇用者として提供できる価値提案という意味があります。現状会社にあるEVPや、会社として今後取り組むEVPを検討しましょう。
具体的な要素としては、給料や福利厚生などの待遇、社風、得られるスキル、やりがいなどが挙げられるでしょう。
戦略の策定と実行
ここまでに確認した採用者のニーズや、現状の自社のイメージ、会社のあるべき姿に基づいて、ブランディング戦略を策定し、実行します。戦略実行時には、効果測定を行い、改善していくことも大切です。
エンプロイヤーブランディング実施時の注意点
エンプロイヤーブランディングは取り組み方を間違えると、思うような効果が得られない可能性があります。ここではどのような注意点があるか、紹介します。
一貫性を大切にする
エンプロイヤーブランディングでは企業理念やミッションと採用時のメッセージに一貫性があることが大切です。また、採用時のブランディングを頻繁に変えないことも大切です。
ブランディングはすぐにできるものではなく、採用時のメッセージを頻繁に変えると、ブランディングにつながりません。そのため、採用時のメッセージを決めるときは、慎重に検討することが大切です。
メッセージと行動が一致していることを心がける
エンプロイヤーブランディングでは、発信している内容だけではなく、行動とメッセージが一致していることが大切です。
企業が発信しているメッセージと実態が乖離している場合、ブランディングは失敗してしまいます。矛盾した取り組みがあると、口コミサイトやSNSにより、明らかにされてしまうためです。
そのため、エンプロイヤーブランディングでは、まず魅力的な会社づくりから取り組む必要があります。
社員の受け入れ体制を整える
魅力的な会社づくりと同時に、入社した社員がスムーズに会社に馴染めるよう、体制を整えることも効果的です。入社したばかりの社員は、心理的な負担がかかりやすく、何らかのきっかけで転職を選ぶ可能性があります。
そのような社員に対して、スムーズに馴染めるようフォローできる体制を整えることは、離職率を下げるうえでも効果的です。受け入れ体制の強化はエンプロイヤーブランディングの効果を高める効果も期待できます。
社内の課題を改善する
社内に抱えている問題がある場合には、課題を解決することが大切です。ハラスメントをはじめとした社内の課題は、口コミなどでも問題になり、エンプロイヤーブランディングに悪影響をもたらします。
客観的に組織の課題を把握するのは、自社だけでは難しい場合もあるため、組織診断を利用する方法も選択肢です。
人事だけで取り組まない
エンプロイヤーブランディングは組織の体制づくりだけではなく、さまざまな分野が関わっているため、会社全体での取り組みが必要です。
SNSやブログの運用などの広報が関わるだけではなく、従業員の体験の共有や組織文化の共有、データ分析などさまざまな領域が関わっています。そのため、人事だけでこれらの取り組みを行うのは現実的ではありません。
プロダクトアウトで考えない
エンプロイヤーブランディングでは自社の商品(プロダクト)から考えるのではなく、求職者のニーズを捉えて施策を考えることが大切です。
自社の特徴を紹介するときに、商品の魅力や企業の理念、計画などをベースに進めることが一般的でした。しかし、求職者のニーズを調査し、ニーズにあったブランディングを行うことで、求職者に対して訴求力があるブランディングが実現できます。
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エンプロイヤーブランディングへの取り組み事例
エンプロイヤーブランディングに取り組んだ事例としては、パナソニックの取り組みがあります。パナソニックは2017年からエンプロイヤーブランディングへの取り組みをはじめています。
採用時の課題を分析し、「お客さまを見ず感覚で採用をやっている」「マーケティング視点が欠如している」などの課題があることに気づき、マーケティングファネルに分けた採用課題の分析を行い、求職者の理解を深めることを重視した取り組みを始めました。
その結果、2018年のブログやSNSへのエンゲージメント数は2016年の16倍にもなるなど、大きな成果が見られています。
まとめ
エンプロイヤーブランディングは採用効率を高め、人材のミスマッチを避けるうえでも高い効果を発揮します。ただし、成果を出すためには、SNSやブログの発信に力を入れるだけではなく、会社そのものが魅力的になるよう、制度改正などの取り組みを行うことが大切です。
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