人権デューデリジェンスとは?人権に配慮し健全経営を目指そう!
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「人権デューデリジェンスという言葉を聞くのだが、深く理解していない」
「人権デューデリジェンスってどんな意味の言葉なのだろうか」
人権デューデリジェンスは企業自身の行動や取引先、活用サービスにおいて児童労働や強制労働、ハラスメント行為などについて現実的な対処を行うことです。
この記事を読めば、人権デューデリジェンスについて理解することができます。
人権デューデリジェンスについて気になっている方はぜひ、最後まで読んでいって下さい。
目次
人権デューデリジェンスとは?
人権デューデリジェンスとは企業の事業活動や取引先のみならず企業が事業活動のために使用しているサービスで人権侵害を犯さないための継続的な取り組みのことを指します。
例えば、自社製品を製造するために海外に工場を保有している場合、海外の工場において児童労働や強制労働、人権侵害にあたるようなハラスメント行為がないかどうかを見極め、適切な対処を取ることです。
人権侵害はハラスメント行為だけではなく、賃金の未払いや長時間労働といった労働基準法違反も含まれます。
人権侵害行為を放置することで、以下のようなリスクを企業は負うことになります。
・企業の社会的イメージの大幅ダウン
・株価や企業価値下落
・不買運動への発展
企業が人権侵害を放置すると上記のような大きなリスクを背負うことになります。
また、人権デューデリジェンスに取り組むことで以下のメリットがあります。
・企業イメージの向上
・企業のコンプライアンス強化
・企業の価値が上昇
人権デューデリジェンスを積極的に推進することにより、企業の価値向上やイメージアップが達成できます。
高い回答回収率、自動グラフ化機能による課題解決への即効性が期待できます。
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経済産業省における人権デューデリジェンスの実務例
経済産業省においては、以下のように実務(ガイドラインの策定と実行)を進めるとされています。
・ガイドラインを構成する
・リスクの特定と評価
参考:経済産業省 サプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン検討会
人権デューデリジェンスの実務例(参考資料)
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/supply_chain/pdf/002_005_00.pdf
人権デューデリジェンスは各事業者のよりどころとなる国際規範との整合性を取りガイドラインを検討すると良いとされています。
また、リスク評価を行い、具体的に何を実施するのかといったことを考慮すると良いと言われています。
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日本でも人権デューデリジェンス義務化の動きがある
日経新聞の報道によると、世界だけではなく日本においても人権デューデリジェンス義務化の流れがあると発表されています。
参考:日経新聞 企業の人権侵害、供給網で把握・改善 政府が指針作成へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA142G60U2A610C2000000/
政府は企業の人権侵害に対してサプライチェーン(取引先)を含めて改善をできるような法案を考えているとのことです。
具体的には、企業が人権デューデリジェンスを推進するにあたって以下のポイントがあります。
・人権方針の策定
・人権デューデリジェンスの実施
・救済制度の策定
日本はG7の中で唯一法整備がなく、整備が他の国よりも遅れている状態です。
人権デューリエンスの進め方
「人権デューデリジェンスを進めるためにはどのような手順を踏めば良いのだろうか」と気になりませんか。
企業が人権デューデリジェンスを進めるにあたっては、以下の手順があります。
・自社にて人権保護方針を定める
・取引先との連携
・相談窓口の設置
・従業員への人権教育実施
それぞれについて解説します。
自社にて人権保護方針を定める
人権デューデリジェンスを進めるにあたっては、自社にて人権保護方針を固めます。
重要なことはガイドラインを策定して、迷うことなく人権保護を行えるように行動指針を固める事です。
また、以下でガイドライン策定に必要な情報を集めます。
・調査対象を確定
・データを収集
・人権リスク評価のために分析実施
・人権リスク評価を確定
・従業員へ情報を開示して改善のために行動を依頼
上記をしっかりと行いガイドラインを適切に作成し、行動につなげていくことが重要です。
取引先との連携
自社の従業員のみならず、取引先にも自社で作成したガイドラインの遵守をお願いすることが重要です。
なぜなら、仮に自社がルールを守っていたとしても取引先がルールを守っていなければ自社もリスクに晒されるためです。
自社としての人権デューデリジェンスを取引先にも遵守してもらえるように要請しましょう。
相談窓口の設置
人権デューデリジェンスを徹底するために人権に関する相談窓口を設置しましょう。
相談窓口がなければ自社の従業員が疑問に感じた出来事が起こっても即座に対応することが難しくなります。
相談窓口に寄せられた情報を元に企業で人権侵害が行われていないかを精査し、策定したガイドラインに沿って対応しましょう。
また、従業員や取引先からの相談を放置しないようにしましょう。
人の人権に関する情報を精査することはとても重要で、しっかりと対処することで企業の価値を守ることにつながっていきます。
従業員への人権教育実施
従業員への人権教育を実施しましょう。
年に何度か人権に関するビデオを見ることや、具体例を見て勉強をする機会を設けることが重要です。
日々の仕事が忙しいからこそ人権に関する学習機会を提供することはとても重要なことです。
参加者からは教育に参加した後に感じたことを感想文として提出してもらい、理解度の判定を行うようにしましょう。
また、とても重要なことですが人権に関する教育を取りまとめる部署の人間が、誰よりも人権問題に関する情報や持ち意識が高いことは必須です。
取りまとめを行う部署がまずはしっかりと勉強をしましょう。
人権デューデリエンスに取り組む企業の事例
人権デューデリジェンスに取り組む企業の事例として、味の素があります。
味の素では人権に関するグループポリシーを策定しています。
参考:味の素自社HP
https://earthsustainability.jp/other/1880/
味の素においては人権デューデリジェンスにおいて以下のことを実施しています。
・リスクの特定と対策
・サプライヤーとの取組
・相談窓口の設置
・人権教育
・事業における人権への配慮
・障害者雇用の拡大
・シニア人財制度運用
人権に配慮し、様々な人が快適に仕事をすることができる企業を目指しています。
まとめ
今回は、人権デューデリジェンスについて解説させて頂きました。
日本は海外に比べて人権デューデリジェンスを実行している企業が少なく、法的な整備も遅れているのが現状です。
特に本文中でも解説させて頂いたガイドライン策定と取引先への要請、人権教育は重要です。
ガイドラインがなければ従業員がどのような行動をすることが正しいのかが分かりません。
仮に自社が守っていたとしても取引先が人権侵害をしていると見なされると批判は自社にも及ぶため、取引先への要請は重要です。
企業が意識を高めて人権を守るためには各従業員が人権意識を持つことが必要なため教育が重要となります。
特に人権デューデリジェンスを推進する部署の社員が人権について深い知識を持たなければ、人権侵害に対応することができなくなります。
人権デューデリジェンスを推進する部署の社員は、書籍を読むことや、セミナーに積極的に参加するなどして知識を深めましょう。
人権デューデリジェンスを不安なく推進できる状態を社員一丸となって作り上げることが大切です。
人権意識を高めて、フェアな企業を目指しましょう。
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