成果につながるOKRの設定事例とは?個人目標や企業別の導入事例
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OKRは目標設定の手法の一つで、従業員が前向きに取り組む環境づくりに効果を発揮します。しかし、導入方法を間違えてしまうと、運用負担が大きくなり、失敗する可能性が高いでしょう。
本記事ではOKRとはどのような手法なのか、導入手順や企業での導入事例、企業での設定例を解説します。OKRの導入をご検討の人事担当者の方はぜひ参考にしてください。
OKRとは
OKRとは、「Objectives and Key Results」の頭文字を取ったものです。
目標を「Objectives(目標)」と「Key Results(主要な結果)」の2つの項目で設定することで、目標に対して、何をするべきなのか、それぞれの従業員が共有でき、具体的な行動が明確に設定できます。
従業員間での共有がしやすく、個人単位でも、主体的に目標設定ができる点が大きな特徴です。
高い回答回収率、自動グラフ化機能による課題解決への即効性が期待できます。
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OKRの効果を発揮させるためには、正しい手順で取り組むことが大切です。OKRを設定する際には、以下の手順で決めるとよいでしょう。
・企業やチームのOを決める
・企業やチームのKRを設定する
・個人のOKRを設定する
・3ヶ月スパンで繰り返す
・ミーティングでの進捗管理やフィードバックを行う
OKRの具体的な設定の手順や注意点については、以下の記事で紹介しています。ぜひご覧ください。
関連記事:OKRで効果が出る目標設定の方法とは?失敗する原因も解説
OKRの導入事例
OKRはさまざまな企業で導入されています。ここでは、実際にどのような企業で導入されているのか、いくつか事例を取り上げ紹介します。
株式会社メルカリ
株式会社メルカリでは、2015年よりOKRの導入を始めました。
・グループ全体
・各事業部
・各部署
・各チーム
・個人
以上の順番でOKRを設定し、3ヶ月スパンでOKRを回しています。OKRはグループミーティングや1on1ミーティングで、進捗状況について確認する仕組みです。
また、OKR導入に関して、目標達成ではなく、プロセスを中心とした評価制度を整えています。達成しているかどうかは問題ではなく、「挑戦的な目標設定ができていたか」「目標に対してどのような行動をしたか」が評価の対象となっていることが特徴です。
OKRの導入後は、会社の上層部と従業員個人レベルでの温度差が少なくなり、挑戦的な行動をする従業員が増えたとしています。また、事務作業員のように、直接会社全体のOKRに直接関わらない従業員も、「直接的に関わるメンバーをサポートする」ためのOKRを設定するようになったそうです。
参考:DIO OKRのリアルなハナシ 〜(株)メルカリの場合〜
https://get.wevox.io/media/mercari-story
ChatWork株式会社
ChatWork株式会社は2017年から、OKRを導入しました。それまではChatWork株式会社には、目標設定の文化がなく、評価制度についても複数人のマネージャーで集まり、評価をしており、評価運用に負担が大きいことが課題でした。
社員規模が大きくなるにつれ、会社の経営戦略や方針が社員にうまく伝えられなくなっており、「評価制度の刷新」と「社員と経営者の目線をすり合わせること」を目的にOKRは導入されました。
導入当初はうまくいかなかったものの、人事評価とOKRを切り離し、「チャレンジの姿勢」を重視した評価に切り替え、四半期に1回の運用にすることで、徐々にチャレンジする従業員が増えたそうです。
サイクルが短いことで運用コストが上がりますが、サイクルを短くすることで、目標と業務内容にズレが少なくなりました。
従業員間で「今のOKRはなんですか?」とOKRをきっかけとしたコミュニケーションが発生するようになり、今その人が何をしているか、わかりやすくなったとしています。
OKRは現状から継続して改善していくことが大切だとしており、完璧を求めすぎず、カッコつけずにやることが大切だとしています。
参考:組織づくりベース 【OKR最前線vol.2】ChatWork流 「完璧を求めない」「カッコつけない 」理想の会社に近づけるためのOKR運用
https://www.hito-link.jp/media/interview/okr-chatwork
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OKR設定事例
OKRはうまく設定することで、従業員が挑戦的な行動をしやすくなります。しかし、挑戦的な目標を設定する習慣がなく、どのような設定なのか、イメージが難しい人もいるでしょう。
ここでは、OKRをどのように設定するのか、具体的な事例を取り上げます。
部門ごとのOKR設定
OKRを設定する際には、グループ全体から部門・部署ごとのOKRを設定します。
たとえば、企業としてのOKRの目標(O)として、「顧客満足度を向上させる」としている場合を考えてみましょう。目標は具体的である必要はなく、できるだけ簡潔に、わかりやすい文章で共有されることが大切です。
このような目標を設定した場合、主要な結果(KR)は以下のように設定されます。
・アンケートで「満足している」人の割合が80%を超えている
・売上について、リピート顧客が占める割合を20%増やす
ここで設定する主要な結果は、具体的かつ、達成できたかどうかが一目瞭然で判断できることが大切です。なお、数字目標を設定する際には、「達成できそうな目標」ではなく、「達成できるかどうかわからないくらい難易度の高い目標」を設定します。
OKRでは目標を達成することそのものが重要ではなく、高い目標に対して、挑戦を促すことが重要です。これに対してMBOでは、人事評価と連動し、目標達成できているかどうかが評価に影響を及ぼします。
個人目標の設定
個人目標の設定をする際には、大まかな流れは部門間の目標設定と同様です。しかし、グループ全体や部門単位での目標と、きちんと関連づいているかどうかが重要となります。
・リピート顧客からの売り上げ〇〇万円を達成する
・顧客満足度90%を目指す
個人目標は、部門ごとで全員共通の目標設定が行われる場合もあります。このような場合には、個人の目標と分けて考えることが大切です。個人のOKRは目標は上司からではなく、従業員個人が主体となって設定していく必要があります。
目標は達成できるかどうかわからない高いものを設定するため、目標を達成できない可能性も十分にあります。OKRでは目標を達成できないこと自体はそれほど悪いとみなしておらず、「目標に対してどのような行動をしたか」が重要です。
また、人事評価にOKRの結果を対象にしてしまうと、従業員が失敗し評価が下がる可能性を懸念し、挑戦的な目標設定が難しくなってしまいます。そのため、目標達成に向けてどのような行動をするかは重要ですが、目標が達成できたかどうかは評価対象とする必要があります。
まとめ
OKRは従業員が前向きにチャレンジできる環境づくりに効果を発揮する、目標設定手法です。しかし、ただ導入すればよいものではなく、導入後の運用体制を整えなければうまくいきません。継続して運用し、改善していく体制を整えることで、徐々にOKRの取り組みが浸透していくでしょう。
結果を前提とした評価制度を見直し、短い周期で振り返りができる運用体制を整える必要があります。OKRの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
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