SWOT分析とは?やり方や分析例、人材育成への活用法をわかりやすく解説
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戦略的な意思決定と従業員の成長支援を両立させることは、日々の重要課題です。この課題に対応する手法との一つとしてSWOT分析が注目されています。
本記事では、SWOT分析の基本的な概要からその目的、活用方法、さらに人材育成や組織戦略に応用する具体的な手順までを解説します。また、PEST分析やファイブフォース分析などの補完的なフレームワークも紹介し、SWOT分析を実務に活かすポイントについて詳しく解説します。
目次
SWOT分析とは
SWOT分析とは、「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」という4つの観点から、自社や部門、プロジェクトの現状を整理・分析する手法です。この分析により、内部環境(自社内部の状況)と外部環境(市場や競合の状況)の両面を把握し、戦略を検討することができます。この手法はマーケティングや事業戦略だけでなく、人材管理や評価の分野にも幅広く応用されています。
SWOT分析を行う目的
SWOT分析を行う目的としては、下記が挙げられます。
1.長期的ビジョンの構築
2.資源配分の合理化
3.組織文化と行動計画の整合性を確保
4.競争優位の確立
それぞれ解説します。
長期的ビジョンの構築
SWOT分析は、外部環境(機会・脅威)と内部環境(強み・弱み)を総合的に評価するため、組織の長期的な方向性を定める土台となります。例えば、新しい市場(機会)に進出するかどうかを検討する際、現状の「強み」で競争力を発揮できるか、「弱み」が足を引っ張らないかを明確にすることで、経営層が意思決定を行う根拠を示します。
資源配分の最適化
限られたリソース(資金・人材・時間)をどこに投入すべきかを判断する際にも有効です。例えば新規プロジェクトの立ち上げ時、強みとしての「高い技術力」を活かすためにどの部門に重点投資するか、また脅威としての「競合他社の市場参入」にどう備えるかを検討する際にもSWOT分析が有効です。
組織文化と行動計画の整合性を確保
戦略決定は単に経営層の意思に留まらず、組織全体の文化や価値観と一致している必要があります。SWOT分析を活用することで、戦略を具体的な行動計画に落とし込みやすくなります。例えば、「強み」としての社員のエンゲージメントを活かし、新しい働き方改革を推進する戦略を立案。一方、「弱み」として挙げられた評価制度の透明性不足を解決するための具体的な施策を検討する、などが挙げられます。
SWOT分析が重要な2つの理由
SWOT分析がビジネスの現場で広く用いられる理由は、その実用性と多面的な効果にあります。以下の2つの視点から、その重要性を解説します。
戦略的意思決定を支援する
SWOT分析は、組織が進むべき方向を明確にし、長期的なビジョンに基づいた意思決定を支援します。特に外部環境(機会・脅威)と内部環境(強み・弱み)を一元的に整理できる点で、他の分析手法にない強みを持っています。たとえば、新規事業の立ち上げにおいて、市場ニーズの変化(機会)を捉えつつ、競合他社の動き(脅威)に対応する具体的な施策を立案する際に、非常に有効です。このように、SWOT分析はリスクを軽減しながら、組織の競争優位性を最大限に引き出すための基盤となります。
人材の成長と組織力の向上を促進する
SWOT分析は、組織だけでなく、個々の従業員やチームの成長を支援するツールとしても効果を発揮します。「強み」を活かし、「弱み」を克服するための具体的な育成プランを立案する際に役立つだけでなく、外部環境の「機会」を通じて新たな挑戦の場を提供します。また、フィードバック文化の醸成にもつながり、組織全体で課題解決力が向上します。たとえば、360度評価と組み合わせることで、従業員が自己の成長ポイントを理解しやすくなり、エンゲージメント向上にも寄与します。
このようにSWOT分析は、戦略的な意思決定を支えるだけでなく、組織全体の成長と従業員一人ひとりの能力開発を促進する重要な役割を果たします。
参考記事:360度評価とは?メリット・デメリットと実際の活用方法を紹介
SWOT分析をうまく活用するための3つのポイント
SWOT分析を効果的に活用するためには、分析の正確性を保ち、具体的で実行可能な戦略に落とし込むことが重要です。以下では、成功するための3つのポイントを解説します。
目的を明確に設定する
SWOT分析の出発点は、「何のために分析を行うのか」という目的を明確にすることです。目的が曖昧だと、収集する情報や議論の焦点が散漫になり、具体的な結論を導き出すのが難しくなります。たとえば、「新市場への参入を検討する」「次年度の育成計画を立案する」など、具体的で測定可能な目標を設定することで、分析が実務に直結するものになります。また、目的を設定する際は、関係者全員が同じゴールを共有することが重要です。この明確化によって、分析の全体像が整理され、議論が効率的かつ成果重視のものになります。
客観的なデータを活用する
SWOT分析は、主観的な意見だけでなく、客観的なデータに基づいて行うことで精度が高まります。業界レポート、市場調査、社内データ、顧客フィードバックなどを活用し、分析結果の裏付けを取ることが重要です。例えば、売上データや市場シェアの推移を「強み」や「弱み」の判断材料として利用したり、競合他社の動向を「脅威」として具体的に把握することが求められます。客観的なデータがあることで、議論におけるバイアスを排除し、組織全体で納得感のある結論を導き出すことができます。
実行可能性を意識する
SWOT分析の結果を基にした戦略は、実行可能であることが求められます。例えば、「強みを活かして新製品を投入する」という結論に至った場合、そのためのリソースやスケジュールを現実的に検討する必要があります。また、分析結果から出た課題が多すぎる場合は、優先順位を明確にすることで、実現可能な範囲での行動計画を立案できます。さらに、戦略を実行する過程で必要なモニタリングやフォローアップの仕組みを整え、達成状況をチェックすることも重要です。これにより、SWOT分析が単なる理論に終わらず、具体的な成果につながります。
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SWOT分析の4つの要素
SWOT分析は、組織やプロジェクトを取り巻く環境を「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4つの要素に分けて評価します。それぞれの要素を正確に理解することで、効果的な戦略立案が可能になります。
Strength(強み)
「強み」は、組織やプロジェクトが他社や競合に対して持つ内部的な優位性を指します。強みを明確にすることで、競争優位性を活かした戦略を立案できます。強みは、内部環境を分析する上での出発点であり、成長戦略を描く上での基盤となります。
例
・従業員の高い専門スキルや経験
・ブランド力
・市場での認知度
・優れた組織文化や社員のエンゲージメント
Weakness(弱み)
「弱み」は、組織内部で改善が必要な要素を指し、競争において足を引っ張る可能性がある部分です。弱みを正確に把握することで、リスクを最小化し、戦略的に改善策を講じることができます。弱みを隠すのではなく、正直に洗い出すことで、次の行動計画の明確化につながります。
例
・人材不足
・特定スキルの欠如
・業務プロセスの非効率性
・評価制度や目標管理の不透明さ
Opportunity(機会)
「機会」は、外部環境における有利な条件や可能性を指します。組織が成長や発展を遂げるために活かせるチャンスを見極め、効果的なアプローチを計画する必要があります。機会を活かすためには、スピーディーな対応と現実的なプランニングが不可欠です。
例:
・市場の拡大
・新規セグメントの成長
・技術革新
・トレンドの出現
・規制緩和や政策支援
Threat(脅威)
「脅威」は、外部環境から組織にもたらされるリスクや障壁を指します。脅威を事前に特定し、それに備える計画を立てることで、潜在的な損失を最小限に抑えることができます。脅威は避けられない場合も多いため、リスクを軽減しつつ、他の要素と連携して対応策を講じることが求められます。
例
・競争環境の激化
・消費者ニーズの急激な変化
・法規制や社会的プレッシャーの増加
SWOT分析のやり方
SWOT分析を効果的に進めるためには、目的を明確に設定し、外部環境と内部環境を丁寧に分析するプロセスが重要です。以下では、SWOT分析の具体的な手順を「目的の設定」「外部環境分析」「内部環境分析」の3つの段階に分けて解説します。
目的の設定
SWOT分析を始める前に、「何のためにこの分析を行うのか」を明確にすることが不可欠です。目的が曖昧であると、分析結果が散漫になり、実行可能な戦略を導き出すことが難しくなります。目的を具体的に設定することで、分析の方向性を一貫させることができます。
外部環境の分析
まず外部環境である「機会(Opportunity)」と「脅威(Threat)」を分析します。組織が置かれた市場や業界の状況を把握したうえで、戦略の大枠を定めるためです。
「機会」の分析では、外部環境において組織が活かせる成長の可能性を探ります。市場の拡大、新たな技術、規制の変化など、ポジティブな外部要因を特定し、それがどのように事業拡大や改善につながるかを考えます。
「脅威」の分析では、外部環境から組織に影響を及ぼすリスクや障壁を特定します。競争環境の変化、規制の強化、経済状況の悪化など、マイナス要因を明確にし、それにどう対応するかを検討します。
外部環境分析の手順
外部環境分析を効果的に行うために、下記手順で分析を進めます。
1.情報収集
業界レポート、マーケットデータ、競合調査、政府の政策情報などを活用して、外部環境に関するデータを収集します。
2.要因の整理
集めた情報を「機会」と「脅威」に分類し、それぞれの項目が組織にとってどの程度の影響を及ぼすかを検討します。
3.優先順位の設定
特に大きな影響を与える要因に優先順位をつけ、それを基に戦略を策定します。
「機会」や「脅威」を理解した上で、それに対して自社がどのような強みを活かし、弱みを克服する必要があるのかを、次の内部環境の分析で具体化します。
内部環境分析
内部環境分析では、組織が保有するリソースや特性を評価し、「強み(Strength)」と「弱み(Weakness)」を明確化します。
「強み」の分析では、競合他社や業界内で組織が持つ独自の優位性を明らかにします。具体的には、企業の資源、ブランド、組織文化、人材の能力などを評価します。分析する際は、それらがどのように市場で価値を生むか、競争力を高める要因となるかを考慮します。
「弱み」の分析では、組織の内部課題や改善が必要な要素を特定します。競合他社と比較して不足している部分や、業務上の効率が悪い部分を正直に洗い出すことが重要です。これにより、成長を阻害する要因に対処する計画を立案できます。
内部環境分析の手順
内部環境分析を効果的に行うために、下記手順で分析を進めます。
1.データ収集
社内のパフォーマンスレポート、従業員アンケート、スキルマトリクスなどを用いて、内部データを収集します。
2.強みと弱みの洗い出し
データを分析し、組織の競争力となる「強み」と、課題として改善が必要な「弱み」を特定します。
3.優先順位の設定
取り組むべき優先課題を整理し、それに基づいた改善計画や活用戦略を立案します。
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クロスSWOT分析の実施
クロスSWOT分析は、SWOT分析で得られた「強み」「弱み」「機会」「脅威」の要素を掛け合わせることで、具体的な戦略を導き出す方法です。内部環境と外部環境の相互作用を明確にし、実効性の高い行動プランを立案します。以下では、「強み×機会」「強み×脅威」「弱み×機会」「弱み×脅威」の4つの視点について解説します。
強み × 機会
「強み」と「機会」の組み合わせでは、組織が持つ強みを活かして、外部環境の機会を最大限に活用する戦略を検討します。この視点では、既存の優位性を強化しながら成長の可能性を追求します。
例:
・自社の高い技術力(強み)を活用し、AI技術の需要拡大(機会)に応じた新製品を開発する
・顧客ロイヤルティの高さ(強み)を背景に、エコ製品の需要増(機会)をターゲットにした新ラインを展開する
強み × 脅威
「強み」と「脅威」の組み合わせでは、組織の強みを活かして、外部環境の脅威を最小限に抑える戦略を考えます。ここでは、持てるリソースを活用してリスクを軽減することが重要です。
例:
・自社の迅速な製品開発力(強み)を活かし、競合他社の低価格戦略(脅威)に対抗して市場投入を早める。
・ブランド力(強み)を活かして、価格競争(脅威)に巻き込まれないプレミアム商品の販売を強化する。
弱み × 機会
「弱み」と「機会」の組み合わせでは、外部環境の機会を活かすために、内部環境の弱みをどのように克服するかを検討します。ここでは、改善点を具体的な施策に落とし込むことが求められます。
例:
・営業力不足(弱み)を補うため、専門知識を持つ人材を採用し、新興市場の成長(機会)に対応する。
・デジタル対応の遅れ(弱み)を克服するため、ITトレーニングを実施し、新たなオンライン需要(機会)に対応する。
弱み × 脅威
「弱み」と「脅威」の組み合わせでは、外部環境の脅威が内部環境の弱みによってさらにリスクを増大させないよう、具体的な対策を講じることが必要です。この視点では、防御的なアプローチが求められます。
例:
・人材不足(弱み)が新規参入企業の攻勢(脅威)に対応できない場合、人員増強やアウトソーシングを検討する。
・古いシステム(弱み)が業界規制の強化(脅威)に対応できないため、新しいソリューションを導入する。
クロスSWOT分析では、「強み×機会」で成長を加速させ、「弱み×機会」で課題を克服し、「強み×脅威」でリスクを管理し、「弱み×脅威」でリスクを最小化する戦略を立案します。この4つの視点をバランスよく活用することで、実効性の高い戦略が生まれ、組織全体の成長と競争力強化につながります。
SWOT分析を補完する2つのフレームワーク
SWOT分析を行う際、外部環境をより詳細に分析するために役立つフレームワークがあります。その中でも、PEST分析とファイブフォース分析は特に重要です。これらのフレームワークを活用することで、外部環境の「機会」や「脅威」を正確に把握でき、SWOT分析の精度を高めることができます。以下では、それぞれのフレームワークについて解説します。
PEST分析
PEST分析は、外部環境を「政治(Politics)」「経済(Economics)」「社会(Society)」「技術(Technology)」の4つの視点から分析する手法です。SWOT分析における「機会」と「脅威」の特定を支援するために活用されます。
政治(Politics):規制や法律、政策、政府の安定性がビジネスに与える影響を分析します。
例:労働法の改正、環境規制の強化。
経済(Economics):金利、インフレ率、為替レート、経済成長率など、経済状況の変化を分析します。
例:景気低迷による消費者購買力の減少。
社会(Society):人口動態、文化、ライフスタイルの変化がビジネスに与える影響を分析します。
例:高齢化社会による介護市場の拡大。
技術(Technology):技術革新やデジタルトレンド、新技術の普及がビジネスに与える影響を分析します。
例:AIやIoTの進化による新たなビジネス機会
参考記事:PEST分析とは?基本のフレームワークとやり方をわかりやすく解
ファイブフォース分析
ファイブフォース分析は、業界の競争環境を「5つの力(Forces)」で評価するフレームワークです。SWOT分析における「脅威」や「強み」を特定する際に役立ちます。この分析により、競争の激しさや自社の競争優位性を定量的に評価できます。
新規参入の脅威:新規参入者が業界にどれほど容易に進出できるかを評価します。
例:参入障壁が低い市場では、競争が激化しやすい。
買い手の交渉力:顧客が価格やサービス内容をどれほど左右できるかを評価します。
例:選択肢が多い市場では、顧客の交渉力が高くなる。
売り手の交渉力:供給業者が価格や条件をどれほどコントロールできるかを評価します。
例:供給業者が少ない場合、価格交渉が難しくなる。
代替品の脅威:他の製品やサービスが自社の市場シェアを奪う可能性を評価します。
例:電動自動車がガソリン車の市場シェアを奪う。
既存競合間の競争:業界内の既存プレイヤー間での競争の激しさを評価します。
例:価格競争が熾烈な市場では利益率が低下しやすい。
活用のポイントとして、競争環境を多角的に分析し、自社のポジションを明確化する、SWOT分析の「脅威」を詳細に把握し、対策を練るなどの検討に役立てます。具体例としては、競争激化(既存競合)と価格下落(買い手の交渉力)が業績に及ぼすリスクを特定し、それを克服する戦略を策定する、が挙げられます。
SWOT分析を活用する際の注意点
SWOT分析は強力なフレームワークですが、その効果を最大限に引き出すためには、いくつかの注意点を理解し、正しく活用することが重要です。以下では、SWOT分析を実施する際に留意すべきポイントを解説します。
主観に偏りすぎない
SWOT分析では、関係者の意見や経験が多く反映されますが、主観に偏りすぎると分析の精度が下がる可能性があります。客観的なデータや事実を基に評価を行い、主観とデータのバランスを取ることが重要です。
要素の数を限定する
あれもこれもと要素を挙げすぎると、分析が複雑化し、結論が曖昧になります。「強み」「弱み」「機会」「脅威」の各カテゴリーに3〜5個程度の要素を絞り込み、焦点を絞った分析を心がけましょう。
具体性を重視する
抽象的な要素を挙げるだけでは、分析結果を具体的な戦略に落とし込むのが難しくなります。たとえば、「高い技術力」ではなく「業界内で特許を3件保有」といった具体的な事例を挙げることが効果的です。
実行可能性を意識する
SWOT分析は戦略立案のためのツールであり、実行可能性が重要です。分析結果をもとに、具体的な行動計画を作成し、リソースや時間の制約を考慮して優先順位をつけることが求められます。
定期的に見直す
ビジネス環境は常に変化するため、一度のSWOT分析で終わらせるのではなく、定期的に見直しを行い、外部環境や内部状況の変化に対応できるようにしましょう。
SWOT分析を人材育成に活かす
ここではSWOT分析を人材育成に活かすことについて解説します。
人材育成で従業員個々の育成でSWOT分析を活用する場合は、従業員個人に任せずに同僚や上司、部下などと複数人で見ていくことをお勧めします。
自分自身をSWOT分析にかけると単なる思い込みだけで分析が進んでしまう可能性が高くなるからです。
S・強みの見つけ方
従業員個人が持つ「強み」と考えます。
本人と他の人とで、その人の持つ強みを箇条書きで書き出していきます。
その内容を突き合わせて、「強み」をまとめていきます。
本人が気づいていない「強み」の発見の場でもあります。
W・弱みの見つけ方
強みと同様に複数人で箇条書きで弱みを書き上げ、内容を突き合わせて「弱み」をまとめていきます。
個々で注意しなければならないのは、「ダメ出しの場」にしないことです。
「弱み」は克服すべきものもありますが、他者の助けを借り、その分、自分の強みに集中した方が良いという協力体制を築くための事実把握にもなります。
個人の分析は複数人で取り組むことでチームの育成にもなるのです。
O・機会の見つけ方
「機会」については、会社内のことなのか、業界のことなのか、で集める情報が変わります。
会社を外的環境と見る際は、会社自体の外的環境の「機会」も考えに加え、分析をしていきます。
この「機会」については業務内容が近しい同僚などと一緒に考え、箇条書きで出し合いまとめると良いでしょう。
T・脅威の見つけ方
前述の「機会」と同様にここでも会社自体の外的環境の「脅威」を見ていきます。
ここでも注意点としては、「弱み」と「脅威」を混同しないことです。
また、こちらも「機会」と同じように複数人で取り組みましょう。
会社の外、業界での「機会」「脅威」と会社内での行動内容での「機会」「脅威」とが見えると、将来に向けてのキャリアプランの作成にも役立つ分析になります。
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分析だけで終わらせないために必要なこと
せっかくの分析もそこで止まってしまってはもったいないことです。
作り上げた分析をもとに事実情報を解釈し、戦略目標を設定します。そもそもSWOT分析は分析により得た事実の解釈を基本戦略に落とし込むために行われるものです。
分析はクロスSWOT分析により、「機会×強み」「機会×弱み」「脅威×強み」「脅威×弱み」と分類されますから、同じ事実情報からさらに複数の解釈で考え可能性を広げてから俯瞰して、どの分野にどのような投資をし、実行していくかの戦略目標を絞り込むという流れが良いでしょう。
まとめ
SWOT分析は、組織やプロジェクトの現状を明確にし、効果的な戦略を立案するための基本的かつ強力なツールです。「強み」を活かし、「弱み」を改善し、「機会」を最大限に活用し、「脅威」に対処することで、組織の成長と競争力の強化が可能になります。さらに、クロスSWOT分析を通じて具体的な行動プランを作成し、PEST分析やファイブフォース分析を活用することで外部環境をより深く理解できます。また、人材育成においてもSWOT分析は、360度評価と組み合わせることで個々の成長を促進する重要な役割を果たします。これらを実践することで、戦略立案の精度を高め、組織全体の成功に貢献することが期待されます。
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