KJ法のやり方と手順を徹底解説|メリット・デメリットとブレインストーミング活用法
⇒【マンガでわかる】「360度評価」のメリットやデメリット、失敗しないための導入方法が詳しく学べる資料を1分でダウンロード
「KJ法」という情報をまとめる手法を知っていますか?
複数人でアイディアを出し合い、ブレインストーミングで出てきた情報を整理しやすいと人気が出てきている手法です。今回は「KJ法」について解説します。
目次
KJ法とは?
「KJ法」は「ケージェーほう」と読みます。
日本の文化人類学者の川喜田二郎氏によって1965年に考案され、川喜田氏のイニシャルをとって「KJ法」と名付けられました。
元東京工業大学教授であった川喜田氏は膨大な学術調査のデータを効率よくまとめるために考案された手法ですが、収束する過程の中でアイディアが生まれることに気付き、情報整理の手法ではなく「発想法」として1967年にまとめられました。
高い回答回収率、自動グラフ化機能による課題解決への即効性が期待できます。
- 目的に合わせたセミオーダーメイド設計
- 専任スタッフのサポートでとにかくカンタン手間いらず!
- 企業の持続的成長を目的とした改善サイクルを実現
ブレインストーミングとは?
KJ法が活躍するのはブレインストーミングの時ですが、このブレインストーミングについても解説します。
ブレインストーミング(brainstorming)は、Alex F. Osborn氏が考案した会議法とされています。複数人にて会議の際に活発にアイディアを出し合うための集団発想法で、個人では思いつかないもの、何人の出したキーワードから新しい発想を導き出すなどクリエイティブな場面や、新規事業のアイディアだし、課題の抽出などで活用されます。
ブレインストーミングの方法
一般的にブレインストーミングは、あらかじめ制限時間を設定し、設定時間内でホワイトボードや黒板、模造紙などの大きなスペースに、参加者が次々と頭に浮かんだアイディアやキーワードを書き出していきます。
成果を引き出す4原則
ブレインストーミングでは、参加者全員が周囲に遠慮することなく、発想をオープンにしていく必要があり、その環境が整っているとより活発さを引き出すことができます。
そのために大切なのは下記の4点です。
・批判しない
・自由な発言を尊重する
・質より量
・連想と結合
一見、関係ないと思える発言や横道にそれたものも、上がってきた情報から見ると解決の大切な鍵になることもあるため、「批判しない」「自由な発言を尊重する」はとても重要です。
そして、良い答えを、正解を、と意識してしまうと思考が硬直し話が先に進まなくなってしまうため、質よりも量を優先する姿勢を周囲で声を掛け合って徹底していきます。上がってきたキーワード、情報の掛け合わせで、さらなる発想や転換が生まれ、チームの発想力がより豊かがになっていきます。
⇒初めての360度評価導入でも安心!専任担当のサポートでカンタン導入・運用~改善も手間いらず。
KJ法でブレインストーミングをする目的
KJ法では、アイディアや情報を付箋やカードに書き出し、貼り出していきます。
貼り出した付箋やカードをさらなるアイディアにするためにグループ化したり、移動させたりが簡単にできるKJ法は、多くの情報が出されるブレインストーミングと大変に相性のよい情報整理が可能です。
KJ法のメリットとデメリット
ここではKJ法のメリットとデメリットを解説します。
KJ法のメリット
KJ法の最大のメリットは「手軽さ」と「自動化が容易」であることです。
ペンと紙さえあれば、その場ですぐに始められ、「誰でも」「いつでも」「どこでも」実施可能で汎用的で自由度の高い発想法です。また、最近では、KJ法に対応したソフト、アプリもあるため自動化も可能です。
アプリやソフトでまとめたアイディアをプロセスがわかるように整理し、フローチャートの作成や具体的な仕様書への転換も簡単で、広く共有することも可能となります。本質的な問題の洗い出しから整理分析、そして新たなアイディアまでのステップ構築が可視化され、論理的に進めやすいのも魅力です。
そして、多く集められる意見から少数意見であっても有用な情報として扱うことも可能で、競合との差別化につながるアイディアが創出されることもあります。
KJ法のデメリット
KJ法のデメリットは、メリットであげられた紙とペンさえあればできる、またはアプリかソフトがあればできる、は反対から見るとこれらがないとできない、という見方もできます。
頭の中だけで物事を完結してしまう習慣のあるタイプの人には、紙に書き出す、という点でつまずいてしまいます。共同作業を苦手するタイプの人にも難しいかもしれません。
また、ブレインストーミングでは「批判をしない」というルールがありますが、KJ法の考え方では批判的思考も思考の枠を広げるために必要とする意識もあるため、実施に際しての前提を揃えるにあたり、矛盾が生じる場合もあります。
また、参加者を集めること、参加者にアイディアを出させることも慣れていないと骨が折れるものです。
KJ法で注目された付箋
正方形タイプの付箋を数色用意してKJ法を行うケースが多くありますが、糊付き付箋の場合、貼り出した時に糊がついていない方の端が浮いてしまい、書かれた情報が見にくくなるというデメリットがあります。
これを解消できると注目を浴びたのが、全面に糊がついたタイプの付箋と、糊を使わずにプラスチック素材の静電気で壁面やガラス、ホワイトボード、紙などに貼り出せるタイプの付箋です。
⇒万全のセキュリティ・専任担当者の徹底サポートで担当者の負担軽減!年間80万人以上が利用、顧客満足度91.1%の「CBASE 360°」
KJ法の進め方
ここではKJ法の具体的な進め方を解説します。
ここで解説するのは、紙とペンを使うタイプの方法です。
準備するもの
準備するものは、情報を書き出すための紙とペンです。
紙は貼り出しと移動が簡単にできるように正方形タイプの付箋がおすすめです。カテゴリ分けもしやすいように複数の色を用意しておくのが良いでしょう。ペンは筆記性と文字の読みやすさからボールペンではなく、線が太く書き味が軽いサインペンが適しています。
また、用意を忘れがちなのが、付箋を貼り出すスペースです。見やすさや貼りやすさ、移動のしやすさからホワイトボードがおすすめです。
糊つき付箋を使用して問題ないのであれば、ガラス窓、模様や凹凸の少ない壁でも良いでしょう。また、結果などを記録できるように撮影用のデジカメやスマホも用意しておきましょう。
具体的な進め方
進めるにあたり、
・テーマを決め、参加者に明確にテーマを伝える
・デーマに沿ってファシリテーターを中心に意見を出し合う
・出た意見を簡潔な言葉にまとめ付箋に書き出す
・情報を書き出した付箋を貼り出していく
といった手順で進めていきます。
付箋の貼り出しについては、あとでまとめて貼るよりも書いたものから順次貼っていった方が良いでしょう。参加者がこれまでの情報を参考にしながら情報を出しやすくなります。
図解と文章化(言語化)
一通りの情報が出たところで、カテゴリごとにグループ化していきます。
出てきた意見の付箋をバラバラにして俯瞰し、内容が似ているものをグループにまとめ、見出しをつけます。グループが多くなる場合は、そのグループも共通点を考えグループにまとめていきます。
その後、グループの並びを変えていき、全体を文章化していきます。グループ化に関しては、あまり厳密に行う必要はなく、分類に困るときは感覚的な分類でも構いません。
見当違いなグループ分けから思いもよらぬアイディアが生まれることもあるからです。
付箋を使わないKJ法
KJ法用のアプリやソフトについては先に紹介しましたが、アプリやソフトを使う際も参加者に一度、紙とペンを使ったKJ法を実施しておくことをお勧めします。
紙に書き出すためには、言葉をシンプルにまとめることが必要ですが、ITツールを使ってしまうと、ついつい長い情報を入れてしまいがちになり、KJ法の良さを半減させてしまう可能性があります。
実作業を手で行っているとカードにシンプルに情報を入れることがスムーズに進みます。
KJ法のまとめ
今回はKJ法について解説しました。KJ法は一人では思いつくことのなかったアイディアを創出し、発見をするのに絶好のツールです。また、KJ法を通してチームの意思疎通や個の尊重の姿勢も育まれていきます。
良いチームで素敵なアイディアを作ってみてはいかがでしょうか。
「CBASE 360°」は、株式会社シーベースが提供するHRクラウドシステムです。経営を導く戦略人事を目指す人事向けのお役立ち情報をコラムでご紹介します。