CHOとは?CEOや他のアルファベット役職との違いや注目される理由は?
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CHO(Chief Happiness Officer)とは
ここではCHO(Chief Happiness Officer)の意味と似た用語について解説します。
CHOの意味
「CHO」とは、チーフ・ハピネス。オフィサー(Chief Happiness officer)の略です。
会社運営において、従業員の幸福のマネジメントを専門にする役職をいいます。Googleなどシリコンバレーの先進企業が導入を進めたことから、最近、注目されているポジションです。
HappinessとHuman、2つのCHO
CHOと略式表記される用語には、チーフ・ハピネス・オフィサーとチーフ・ヒューマン・オフィサーの2つがあります。
ハピネスが入る方が従業員の幸福度を重視した仕事に従事し、ヒューマンが入る方は「最高人事責任者」という意味となり、人事に関する統括役員となります。
最高経営責任者を表すCEO(Chief Executive Officer)、最高執行責任者を表すCOO(Chief Operating Officer)などに並び、経営陣のトップ層に入る立場であることが多いようです。
CHRO(Chief Human Resource Officer)との違いは?
CHROはチーフ・ヒューマン・リソース・フォフィサー(Chief Human Resource Officer)の略で、こちらも「最高人事責任者」という意味になります。
CHOがチーフ・ハピネス・オフィサーとチーフ・ヒューマン・オフィサーのどちらかを区別するため、「CHRO」が作られたとされています。以降、この記事では、チーフ・ヒューマン・オフィサーについては「CHO/CHRO」と表記していきます。
人事部長との違いは?
チーフ・ヒューマン・オフィサーが最高人事責任者とされているため、チーフ・ハピネス・オフィサーも人事の責任者のように勘違いされてしまいがちですが、どちらも人事部長の役割とは大きく異なります。
チーフ・ヒューマン・オフィサーは経営にも携わる最高首脳陣の一人であり、チーフ・ハピネス・オフィサーは幸福度の高い従業員を増やし、創造性・生産性を向上させ、離職などの人材流出を回避し、新たな人材確保などまで押し広げていくためのコンサルティング的な立ち位置となります。
他の役職を示す言葉との違いは?
CEO(Chief Executive Officer)
CEOはChief Executive Officer(最高経営責任者)の略です。
経営方針や事業計画など長期的な経営責任を負う立場であり、経営に関わる人材戦略、人材育成に関するものの策定にもあたることがあります。
COO(Chief Operating Officer)
COOはChief Operating Officer(最高執行責任者)の略です。
CEOが企業の経営全般に対して責任を持つのに対し、COOは日々の業務執行の責任を請け負う。
HRBP(Human Resource Business Partner)
HRBPはHRビジネスパートナーの略です。
経営者や事業責任者のパートナーとして人事課題を解決していく役職を指します。一般的な人事部長、人事責任者を「守りの人事」と呼ぶのに対し、戦略的な面から「攻めの人事」と説明されることもあります。
高い回答回収率、自動グラフ化機能による課題解決への即効性が期待できます。
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CHOに求められるスキルは?
ここではCHOに求められるスキルについて解説します。
人事のプロフェッショナル
人事のプロフェッショナルというと、最高人事責任者であるCHO/CHROの方と思われがちですが、CHOとして活躍するためには、労働環境を適正に保つこと、社員の待遇や福利厚生について理解が深いこと、労務管理について適切な指導、処置ができること、など、人事分野に精通していることが必要になります。
広く・深く人事について造形が深い人事のプロフェッショナルであることは必須の項目となります。
事業戦略・経営戦略への深い理解
経営者の経営方針と従業員の向く方向が違っていると、どのような社員向けの施策も効果を得ることはできません。
経営者の立場にもなって、事業戦略・経営戦略を理解し、経営者が進める経営計画に寄り添いながらも、従業員の幸せを実現するための戦略を立てていきます。
高いコミュニケーション能力と指導力
「従業員の幸せを実現する」ということについて、「幸せの定義」にはバラツキと幅があるため、相手のニーズを理解し、会社側が提供できるものとニーズとのすり合わせがどうしても必要になります。
従業員側の意向を聞き取り、経営者側の方針からできるものは何かを説明するためには、コミュニケーション能力の高さと、従業員が幸せの方向に進めるようにプロセスを丁寧に伝え、実現の後押しを可能とする指導力も欠かせません。
結果への高いコミット力と組織の革新力
従業員の幸せを追求する、という概念自体が日本にはまだ根付いていないこともあり、多くの企業が初めて導入する役回りとなるでしょう。導入にあたって、目的を明確にし、具体的な目標を立て、遂行する高いコミット力も新設部署、特に目に見えにくい成果のものでは不可欠です。
そして、会社内に新しい風を吹き込まなくてはなりませんので、組織を巻き込んでの革新力も必要です。
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CHOが注目される理由
欧米では、ここ最近、「幸福」に関する研究が盛んになっています。幸福学に関する書籍も増え、報酬のためにだけ働くのではなく、働く目的やキャリアのあり方自体が見直されるようになっています。
ここではCHOが注目された経緯などを解説します。
事業の成長と従業員の幸せの両立
働き方の多様性、仕事観・人生観の変化から、報酬優先ではなく、自分のあり方を優先する労働者が増えてきています。年功序列・終身雇用が崩れた中で、人生100年時代と言われ、長い道のりを生きていく中で仕事だけの人生に疑問視する声も多くなり、多くのキャリアビジョンが描かれるようにもなっています。
「Well-Being and Happiness」と欧米の幸福学の現場では「幸せ」「幸福」を表現し、良きあり方、良好な状態であり、健康と幸福を包含するような概念を持っています。
また、収入に比例して幸福度が上昇するには限度があり、ある一定を超えると幸福度が上がらなくなります。出世・成功の道を進む従業員が事業の成長を担う中で、モチベーション高く仕事に向かうためにも、従業員の幸福度を意識することは重要と言えます。
幸福度の高い従業員は創造性に優れ、高いパフォーマンスを見せることも研究により報告されています。従業員の幸福度の向上が結果、事業の成長にも関わってくるということが科学的に証明されたことにより、欧米ではCHOの存在は企業の業績と社員の幸せとの両立を可能とする手段として、相次いで導入されたわけです。
社員の病欠、労災が減る?
幸福度が増すとストレスの軽減もあり、心身の健康への効果が期待できます。
昨今、メンタルヘルスの面での労災が多く報告されるようになっていますので、従業員の幸福度に着目し、専門スタッフによる対策を講じることは、従業員の欠勤率を下げ、労災などの件数減少も期待できると言えます。
まとめ
今回は、従業員の「幸福度向上」を目指して役職として導入するCHOについて解説しました。
従業員の幸福に関する現状を、幸福研究の成果など科学的な見解から考え、職場改善、業務改善に役立てることは、離職率の低下、定着率の向上にも効果を発揮し、また新たな社員を集めることにもつながりそうですね。
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