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MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは?意味や違い、企業価値を高める策定方法や事例を解説

2025.02.28 その他

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企業の成長や組織の一体感を高めるために、近年「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)」が重要視されています。しかし、「MVVとは何か?」「どのように策定し、社内に浸透させるべきか?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、MVVの意味や違い、作り方を詳しく解説し、成功するための実践方法や企業事例を紹介します。MVVの策定は、単なるスローガン作りではなく、企業の未来を決める重要なステップです。具体的な例を交えながら解説します。

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の意味

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)は、企業の方向性を定める基本的な指針です。

ミッション(Mission)

ミッションは企業の存在意義を示します。企業がなぜ社会に必要とされるのか、どのような価値を提供するのかを明確にすることが求められます。ミッションが明確であることで、従業員は自社の目指すべき方向を理解し、日々の業務に意義を持って取り組むことができます。また、社外のステークホルダーにとっても、企業の価値が伝わりやすくなります。

ビジョン(Vision)

ビジョンとは、「企業が将来的にどのような姿を目指すのか」を示したものです。ビジョンが明確であるほど、組織全体が同じ方向に進むことができ、戦略策定や経営判断がしやすくなります。
ミッションが「現在の目的」なら、ビジョンは「未来の理想像」と言えます。

バリュー(Value)

バリューとは、「企業が大切にする価値観や行動指針」を指します。バリューが定められることで、従業員の行動基準が統一され、組織文化の形成が促進されます。例えば、「お客様第一」「挑戦と革新」「誠実さと透明性」などのバリューを定めることで、組織全体の意思決定が一貫したものになります。

ミッション・ビジョン・バリューの違い

ミッションは「Why(なぜ企業が存在するのか)」、ビジョンは「What(何を目指すのか)」、バリューは「How(どのように行動するのか)」を定めるものです。これら3つが明確にすることで、企業の方向性が定まり、従業員が同じ目標に向かって進むことができますまた一貫性を持って運用されることで、企業のブランド価値や競争力が向上します

用語役割
ミッション企業の存在意義(Why)
ビジョン目指す未来(What)
バリュー行動指針(How)

MVVと企業理念・経営理念・行動指針・パーパスの違い

MVVとよく混同される概念として、企業理念・経営理念・行動指針・パーパスがあります。これらはすべて企業の価値観や方向性を示す重要な要素ですが、意味や目的にはそれぞれ違いがあります。MVVとの違いを理解することで、各概念をより適切に活用し、組織運営の指針として機能させることができます。

企業理念との違い

企業理念は、企業が持つ根本的な価値観や存在意義を示します。MVVはその理念を具体的に表現し、戦略や行動に落とし込むための指針となります。

経営理念との違い

経営理念は、経営者の意思や企業の経営方針を示すものです。MVVは、経営理念をもとに、組織全体が共通認識を持ち、実践できる形で定められます。

行動指針との違い

行動指針は、従業員が日々の業務で実践すべき行動基準を示します。MVVはより上位概念として、組織全体の価値観を定義し、行動指針の基盤となります。

パーパスとの違い

パーパス(Purpose)は、企業の存在意義や社会における役割を強調した概念です。MVVはパーパスを含みつつ、具体的な目標や価値観、行動原則を明確にしたものとなります。

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を策定する5つのメリット

MVVを策定することは、企業の成長や組織運営において多くのメリットをもたらします。明確なMVVは、企業の価値観や方向性を従業員やステークホルダーと共有するための強力なツールとなります。ここでは、MVVを策定することで得られる5つの具体的なメリットについて詳しく解説します。

従業員のエンゲージメント向上

MVVが明確になることで、従業員は自社の価値観を理解し、組織の一員であることを強く意識できるようになります。ミッションやビジョンが共感できるものであれば、モチベーションが向上し、主体的な行動が生まれます。

特に、バリューが明確であれば、日々の業務や意思決定の指針となり、組織の方向性が統一されます。エンゲージメントが高い従業員は企業への忠誠心が強まり、離職率の低下や長期的な成長につながります。

採用のミスマッチ防止

明確なMVVは、採用活動においても有効なツールとなります。求職者が企業のミッションやバリューに共感できるかを事前に確認できるため、採用後のミスマッチを防ぐことができます。

特に、価値観の不一致による早期離職は企業にとって大きな損失となります。MVVを明確に打ち出し、採用プロセスで候補者と共有することで、企業と求職者の相互理解を深めることができます。結果として、組織との相性が良い人材を採用しやすくなり、長期的に活躍できる従業員の確保につながります。

組織文化の醸成と一体感の強化

MVVを策定し、それを社内に浸透させることで、企業の組織文化を強化することができます。特に、バリュー(価値観)が従業員にしっかりと共有されている場合、日々の業務でどのような行動をとるべきかが明確になり、組織の方向性が統一されます。

また、従業員が共通の価値観を持つことで、組織の一体感が高まり、コミュニケーションの円滑化が促進されます。企業文化が根付いた組織では、新入社員の適応もスムーズになり、働きやすい環境が整います。結果として、チームワークの向上や生産性の向上につながり、企業全体の成長に貢献します。

MVVを基準に組織文化を形成することで、従業員が共通の価値観を持ち、組織の結束力が高まります。

意思決定のスピードと精度の向上

MVVが明確であると、意思決定の際に基準が統一され、スピーディーで一貫性のある判断が可能になります。これにより、企業の競争力が高まり、市場の変化に柔軟に対応できるようになります。

特に、多国籍企業や大規模組織では、異なるバックグラウンドを持つ従業員間での意思決定がスムーズになり、競争力を高める要素となります。

企業ブランドの確立

MVVの明確化は、企業ブランドの確立にも寄与します。企業の提供価値や目指す未来が明確になることで、顧客や投資家に対して一貫したブランドメッセージを発信でき、信頼性が向上します。
これにより、顧客ロイヤルティの向上や採用活動の強化が期待できます。

MVV作成の5つのステップ

MVVを効果的に策定し、企業文化として浸透させるには、適切なプロセスを踏むことが重要です。ここでは、MVVを作成するための5つのステップを紹介します。それぞれの段階で企業の現状や目標を明確にし、一貫性のあるメッセージを構築しましょう。

1. 現状分析と市場調査を行う

MVVを策定する第一歩は、自社の現状を正しく把握し、市場環境を理解することです。そのため、自社の強み・弱み、競争優位性、既存の企業文化を整理し、市場動向や競合のMVVを調査します。これにより、自社が市場でどのような立ち位置にあり、どの方向に進むべきかを明確にできます。現状分析には、従業員やステークホルダーへのインタビュー、アンケート調査、SWOT分析などの手法を活用すると効果的です。

2. 経営陣とビジョンを共有する

MVVの策定はトップダウンだけでなく、ボトムアップの視点も重要です。経営陣が企業の未来像をどのように描いているのかを明確にし、従業員との共通認識を持つことで、MVVの実効性が高まります。経営陣が自らMVVの重要性を理解し、組織全体へ発信することで、従業員の共感や理解を得やすくなります。このプロセスでは、ビジョンワークショップの開催や、経営層のメッセージ発信などが有効な手段となります。また、企業のミッションやバリューに対するフィードバックを受ける機会を作ることも大切です。

3. 企業の核となる価値観を明確にする

バリュー(価値観)は、企業の文化や行動指針を形成する重要な要素です。バリューが明確であれば、企業の意思決定や従業員の行動に一貫性を持たせることができます。まず、企業のこれまでの歴史や成功事例を整理しましょう。次に、従業員とのディスカッションを通じて、現場レベルで実感されている価値観を抽出することが重要です。バリューは、抽象的な理念ではなく、実際の業務や行動に落とし込める具体的な言葉で表現することが求められます。また、バリューを企業文化として定着させるためには、評価制度や行動指標に組み込むことが効果的です。

4. 具体的なミッション・ビジョン・バリューを策定する

MVVを策定する際には、シンプルでわかりやすい表現を心がけることが重要です。長すぎたり難解な表現では、従業員や顧客に伝わりづらくなってしまいます。ミッションは「企業の存在意義」、ビジョンは「未来の目標」、バリューは「行動の基準」となるため、これらが一貫性を持つように注意しましょう。業界のベストプラクティスや他社事例を参考にしながら、自社独自の言葉に落とし込むことが重要です。すべてのステークホルダーが理解しやすい表現にまとめるようにしましょう

5.社内外への発信

策定したMVVは、社内だけでなく社外にも適切に発信し、関係者に浸透させることが重要です。

社内向けには、イントラネットや社内報、社内イベントを活用して継続的に発信し、従業員の理解と共感を深めましょう。また、経営陣が率先してMVVについて語ることで、その重要性が強調されます。

一方、社外向けには、公式ウェブサイトやSNS、採用ページでMVVを明示することで、企業ブランドの強化につながります。特に採用活動においては、MVVが明確に伝わることで、自社にマッチする人材を引きつける効果が期待できます。発信の際には、事例やストーリーを交えて伝えることで、より共感を得やすくなります

MVVの浸透には時間がかかるため、継続的な発信と実践を行い、企業文化として定着させることが不可欠です

MVV作成の3つの成功ポイント

MVVを策定する際には、明確で実行可能な内容にすることが重要です。企業の方向性や価値観がブレないようにしながら、シンプルで共感を呼ぶ表現を採用し、長期的な視点を持つことで、持続可能な組織文化を形成できます

一貫性をもたせる

MVVの効果を最大化するためには、企業の戦略や行動との一貫性が不可欠です。MVVが掲げる価値観が日々の業務や意思決定に反映されていなければ、従業員の共感を得ることは難しくなります。そのため、MVVの内容と実際の企業活動を常に照らし合わせ、ギャップが生じないようにすることが重要です。経営層が率先してMVVを体現することも、組織全体への浸透を促すポイントとなります。

シンプルで共感できる言葉選び

MVVは、従業員や顧客が直感的に理解できる表現であることが求められます。専門用語や抽象的な言葉を避け、シンプルで分かりやすい言葉を使うことで、MVVの浸透度が向上します。また、具体的なストーリーや事例を交えることで、より共感を呼ぶ内容にすることができます

長期的な視点を持つ

MVVは短期的なトレンドに流されるものではなく、企業の成長を支える基盤となるものです。そのため、将来的な市場の変化や社会的な役割を考慮し、長期的に機能する内容にすることが求められます。また、定期的な見直しを行い、企業の発展に応じて柔軟に調整することも重要です。

MVVを組織に浸透させるための実践方法

MVVは策定するだけではなく、企業文化として根付かせることが重要です。組織全体にMVVを定着させるためには、さまざまな方法を活用し、継続的に発信し続けることが必要です。

自社サイトや社内報への掲載

MVVを組織に浸透させるためには、まず従業員が常に目にする場に掲載することが効果的です。自社サイトの「企業理念」ページや採用ページに明記することで、社内外のステークホルダーに明確に伝えられます。また、社内報やイントラネットを活用し、MVVの重要性や具体的な事例を定期的に紹介することも有効です。これにより、従業員が日々の業務をMVVに照らし合わせながら行動する意識が高まります。

経営層の定期的な発信

MVVが形骸化しないためには、経営層が継続的に発信し続けることが不可欠です。定例会議や全社ミーティングでMVVに基づいた意思決定が行われていることを示し、従業員に対してMVVが重要な指針であることを明確に伝える必要があります。また、社内SNSや動画メッセージを活用し、経営層が直接MVVの意義や実践例を発信することも効果的です。これにより、従業員の共感と理解を深めることができます。

MVVを反映した評価制度の作成

MVVを組織文化として根付かせるためには、人事評価制度に取り入れることが重要です。従業員の業務や行動がMVVに沿ったものであるかを評価基準に組み込むことで、MVVが実際の業務に結び付くようになります。例えば、評価シートにMVVに関連する項目を設け、従業員がどのように企業の価値観を体現しているかを可視化すると良いでしょう。これにより、MVVが単なるスローガンではなく、日常業務の中で実践される指針となります。

MVVの企業事例

ここではMVVを実際に成功させている企業の事例を紹介します。これらの企業は、自社の価値観を明確にし、それを企業文化として定着させています。各社のMVVの特徴を学び、自社に活かせるポイントを見つけましょう。

ソフトバンクグループ

ソフトバンクグループは「情報革命で人々を幸せに」という経営理念を掲げ、AIや通信技術を活用した事業展開を進めています。ビジョンとして「世界の人々から最も必要とされる企業グループ」を掲げ、テクノロジーを活用した価値創造を推進しています。バリューは、「No.1」「挑戦」「逆算」「スピード」「執念」を掲げ、社員一人ひとりが成長を続ける文化を醸成しています。これにより、企業の継続的な発展とイノベーションを後押ししています。
参考:https://group.softbank/philosophy

トヨタ自動車

トヨタ自動車は、「わたしたちは、幸せを量産する。」というミッションのもと、持続可能な社会の実現を目指し、自動車産業を超えた価値提供を行っています。ビジョンとして「可動性を社会の可能性に変える。」を掲げ、モビリティの進化を通じて人々の暮らしを豊かにすることを目指しています。さらに、「トヨタウェイ」に代表されるバリューは、現場主義や改善文化を支え、企業全体の競争力向上に寄与しています。これらの哲学は、グローバルな市場での信頼構築にも大きな影響を与えるでしょう。
参考:https://global.toyota/jp/company/vision-and-philosophy/philosophy/

株式会社マネーフォワード

株式会社マネーフォワードは、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションのもと、ユーザーが前向きにお金と向き合い、可能性を広げられる社会の実現を目指しています。ビジョンとしては、「すべての人の、『お金のプラットフォーム』になる。」を掲げ、個人や法人のお金に関する課題を解決することを目指しています。バリューには、User Focus、Tech & Design、Fairnessの3つを設定し、革新的なサービスの提供を通じて、社会全体の発展に貢献しています。マネーフォワードは、これらの理念に基づき、金融の透明性を高め、より良い経済環境の実現に向けた取り組みを続けています。
参考:https://corp.moneyforward.com/aboutus/mission/

まとめ

MVVは、企業の成長や組織運営において重要な役割を果たします。明確なMVVを策定し、組織全体に浸透させることで、従業員のエンゲージメント向上、採用の強化、意思決定の効率化、企業ブランドの確立が可能になります。自社に合ったMVVを作成し、経営の指針として活用していきましょう。

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