360度評価はハラスメント(パワハラ・セクハラ)防止対策にも有効?
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2017年10月以降、「#Me too」運動がセクハラ告発の活動として世界的な広がりをみせました。
海外に比べると日本での動きはまだ大きくはありませんが、ハラスメントへの対応・対処は企業にとって必須になっています。
直近では財務省が、相次いだハラスメントを含む不祥事防止策「財務省再生プロジェクト」に、上司・部下・同僚による多面評価の360度評価を導入することを中間報告として盛り込みました。
今回は360度評価を実施し、個人に気づきを与えることでどのようにハラスメント対策ができるのかをご紹介します。
目次
財務省がハラスメント風土改革に向けて、360度評価導入を2019年より実施
財務省には「恐竜番付」、別名「パワハラ番付」と呼ばれるものがあるといいます。
軍隊組織との揶揄もあるようです。
このような風土が間違った方向に働き、いろいろな不祥事が引き起こされました。
この反省から、人事改革に「360°評価」を導入するという中間報告が発表されました。
対象は課長以上の管理職とし、今後評価基準などの詳細を決めて2019年度から実施しています。霞が関の中央官庁では経済産業省なども導入しています。
360度評価とは
上司・同僚・部下など立場や関係性が異なる複数の視点を通して、対象者の日常行動を評価する仕組みです。
日頃の行動に対するフィードバックを行い、本人と他者の認識ギャップを可視化し、対象者の行動改善を促します。
この仕組みのメリットは、複数の回答者が判断するため、認識の違いが比較的客観的に測りやすいことです。
360度評価について、詳しくはこちらの記事をご確認ください。
360度評価とは?メリットやデメリット、評価項目やポイントについて解説
財務省に蔓延するパワハラへの対策へ
「恐竜番付」なる怪文書が存在することから財務省内でのパワハラ蔓延は深刻な状況と察せます。
中間報告では「一連の問題行為の発生を許した組織風土を抜本的に改革する必要がある」とあります。
組織風土の改革のために来年の実施が決まったのが、上司ひとりの視点では見えない本人の日常行動の課題を見える化し、行動改善を促せる360度評価。
この多面的評価は不祥事の防止だけでなく、省内の風通しが良くなるという期待の声が大きいようです。ハラスメントと360度につきまして、下記の関連記事も併せてご参照ください。
参考:ハラスメント対策に360度評価を導入しよう!
参考:部下が上司を評価する!?360度評価の項目・サンプル
→「CBASE 360」について詳しくはこちら
ハラスメントを防止するには?
ハラスメントは勤労意欲の低下、メンタルヘルス問題、組織の不活性化だけでなく、離職者の増加(優秀な人材の流出)や企業の社会的信用の低下につながります。
ハラスメント問題を放置する企業で働きたい人はいませんし、ハラスメント問題の放置は職場崩壊・企業の存続危機にまでつながる可能性があります。
防止策としてどのような取組みができるのかご紹介します。
ホットライン設置や外部研修による動機付け
トラブルに対する申告・相談のホットラインの設置があります。
顧問弁護士の電話番号を周知することも可能でしょう。
その際には、プライパシ一保護を周知するなど、アクセスしやすい環境を整える必要があります。
また、eラーニングや外部研修などを定期的に行うことで、ハラスメントの最新知識の理解を深めたり、自身のハラスメントの危険度をチェックすることで日常行動への意識づけをします。
定期的な情報発信や計画研修の実施
ハラスメント対策として、社内ネットワーク上に周知文書を掲載する企業もありますが、掲載されていることを従業員が知らないということもあります。
それでは周知しているとは言えません。
メールでの定期的なハラスメント情報発信を行い、全従業員に周知することが必要です。
また、もれなく従業員が受講できる研修や階層別研修を用意し、定期的に実施することも重要です。
ハラスメント防止策については、こちらの関連記事もご参照ください。
参考記事:職場で取り組むべきパワーハラスメント対策とは?パワハラ防止策と事例について徹底解説!
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「日々のチェックを欠かさない」が重大なハラスメントを防止
社員への意識調査を行い、パワハラ・セクハラに対する理解度を確認します。
しかし、これだけでは十分ではありません。
ハラスメントをする側は権力を持っていて、かつハラスメントをしている人間がハラスメントをしている認識がない場合があるからです。
そのような場合には360度評価により部下が上司のマネジメントに関して評価・フィードバックする機会を設け、自身の言動が部下や周囲にどううつっているのかを気づかせ、さらに定期的な実施によって、常に周囲に「見られている意識」を持たせて行動改善を促すことが有効です。
ハラスメントを認識させ、ハラスメントをなくしていくためには、部下や同僚からの上司の行動評価を見るべきです。
直属の上司では気付けない対象者の課題を把握できるからです。
ハラスメント防止策のひとつとして機能させるために、評価者が疑心暗鬼にならないよう匿名性の担保することが重要です。
人間関係が良好な魅力的な職場づくりのためにハラスメント防止に取り組みましょう。
Q1.パワハラが起こってしまう原因は何なのでしょうか?
パワハラが起こってしまう原因として、上司と部下の信頼関係が低下しているという原因があります。なぜなら、信頼度が低い状態ではちょっとした一言が誤解を招き、大きなトラブルに発展するためです。例えば「お前バカだな」という言葉は侮辱的ですが、普段から信頼関係を築けている場合には単なる軽口だったということで済むことがあります。反対に信頼関係がなければひどく侮辱されたとして訴えられる可能性もあります。
Q2.セクハラが起こってしまう原因は何ですか?
セクハラが起こってしまう原因は、組織内の優越的な関係性が原因となることが多いです。会社内で地位が違っても同じ従業員であり人としての権利や尊厳を全員が持っているのですが、相手には権利がない、同じ人間として考えていないというところからセクハラは起こります。また、セクハラが起こる職場ではパワハラなど他のハラスメントが起こりやすい状態となります。
Q3.360度評価をハラスメント対策にどう活用すれば良いのですか?
360度評価でハラスメントに関する評価項目を設けて、お互いに評価をし合う方法があります。360度評価では上司と部下が相互に評価しあい、評価をする上で対等な関係に立つことになります。上司と部下双方が自由に意見をできる記載箇所も存在するため、上司の言動や部下の言動で諫めるべき部分があればお互いに意見し合うことが可能です。また、上司と部下が意思疎通を図る機会が導入前よりも増加するため、お互いの理解が深まり訴訟リスクが下がります。
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