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ハラスメント(パワハラ・セクハラ)は教育できない⁉その理由とは

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近年、「パワハラ・セクハラ」の訴えが増加傾向にあります。
ハラスメントは企業に大きな「損失」を招きます。
企業イメージを損なうという損失のみにとどまらず、従業員のモチベーション低下・メンタルヘルス問題の増加・モラルハザードの発生等、企業の成長性・生産性の低下にまで及びます。
ハラスメント対策は企業における重要課題と言えます。
しかしながら、対策を講じている企業で「周知や研修は講じているが、解決に至っていない」となってしまう理由はどこにあるのでしょうか。

 

ハラスメントが起きる原因とは

職場でのハラスメントが起きる原因は、「一個人の性格」と片付けられがちですが、実際にはそうではありません。
厚生労働省が行った調査によると、ハラスメントに関する相談がある職場に共通する特徴として「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」が半数以上を占めています。
つまり、職場内でのコミュニケーションに問題がある職場がハラスメントを生み出す温床となっていると考えられます。

上意下達(トップダウン)で育ってきた経験による思い込み

今年、日本のスポーツ界では比較的年齢の高い管理層が若い選手からパワハラで告発される事態が相次ぎました。
これには世代特有の思い込みがあったのではないかと思われます。
高年齢層は育った家庭・学校教育・社会経験の中で上意下達のシステムに慣れてしまっているのです。
「自分もそうだったからあなたもそうなるべき」という思い込みや命令に対する上位下達の常識に無意識に支配されているのです。

周囲と当事者の受け止め方に温度差がある

ハラスメント問題は「受け取る側がどう感じるのか」という点が重要ですが、受け止めかたに温度差があることを忘れがちです。
上司は部下と信頼関係ができていると考え、強い口調で指導したところパワハラで訴えられたというような思いがけず加害者・被害者となってしまうことがあります。
信頼関係の認識ズレや性差、性格などによって、加害者側がハラスメント行為に至る場合と、逆に被害者側がちょっとしたことを過剰に受け止めてしまう場合があり、どの程度がハラスメントにあたるのか線引きがしにくいのが実情です。

「自分は大丈夫」と思いがち

上記のような思い込みや認識のズレによって、加害者になってしまった人の多くは「自分はやっていない」と考えがちです。
加害者にとっては些細なことでもその言動が被害者にとっては深刻であるために、問題が起きているのです。
ハラスメントへの問題意識は持っていながら、しかし「自分がやっていること」として主観的に受け止めることができていない場合があります。
そういった社員が無自覚に抱えているリスクを検知するため、360度フィードバックから得られるコメント(ともに働く周囲の人からの評価対象者への印象、評価)に対し、人工知能(AI)による分析でハラスメント傾向を判定するモデルもあります。
この分析とハラスメントレベル別の可視化を行うことで、これまでは難しいとされていたバイネームでのハラスメント傾向の把握ができ、研修や面談などをより効果的な実施に繋げていくことが可能です。

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対策は打った…なのになくならない!

企業内・組織内でハラスメントに関して何らかの課題を感じたり、実際にハラスメントに関する相談があって対策に踏み切るということは多いでしょう。
相談窓口の設置、全体へのハラスメント研修の実施などの対策を講じているのにハラスメント問題がなくならないのはなぜなのでしょうか。

相談窓口を設置しただけになっている

法的な要請などもあり、相談窓口を設置する企業は増えていますが、うまく従業員の声を拾える企業は少ないのが現状です。
相談窓口を設けても、担当者が男性のみ等、相談しづらい体制や運用がうやむやになっていたり、相談があった場合でも被害者が犯人捜しなどの報復や周囲の目を気にして匿名を望む・加害者への通告も恐れるケースが多い場合には、詳細なヒアリングがしづらく、対策が打ちづらくなります。

研修で当事者意識を得られていない

上記との重複となりますが、全体に向けてのハラスメント研修の実施では、「自分がやっていること」として主観的に受け止めることができません。
職場でのハラスメント問題は、特に上司から一方的に行われるというイメージが強く存在しますが、研修の中では、先輩後輩、正社員と非正規社員等の関係性で起きることもあり、立場の違いから無意識に被害を与える場合があるということを実例などを用いて理解させる必要があります。

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「声を上げられる仕組み」をつくることが大切

相談窓口の設置には「匿名性が保たれること」「相談者の意思を最優先すること」「相談したことが評価に不利に働かない」などを明確にし、従業員の声が拾えるようようにすることが大切です。
また、360度評価や従業員満足度調査などを用いて、周囲から発言ができるチャンスを作り本人に「気づかせる」ことが重要です。

ハラスメントを認識させ、発生させないためには、周囲からの行動評価を知ることが大切です。
360度評価は自身の言動が周囲にどう映っているのかを気づかせ、常に周囲に「見られている意識」を持たせて行動改善を促すことにつながるため、ハラスメント対策に有効です。

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HRコラム編集部

「CBASE 360°」は、株式会社シーベースが提供するHRクラウドシステムです。経営を導く戦略人事を目指す人事向けのお役立ち情報をコラムでご紹介します。


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