- Q360度フィードバックの活用目的は何ですか?
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360度フィードバックは、一般的には以下の目的での活用が想定されます。
実際は、能力開発面、特に人材育成を主目的として始める企業が多くなります。■能力開発
- 人材育成:特に管理職層の意識・行動改善、役割再認識
- 組織風土改善:タテヨコのコミュニケーション・関係性改善
- 企業理念・バリュー浸透:重要な価値基準・行動規範の啓蒙と確認
■人事管理
- 人事評価の公平性・客観性向上:上司だけでなく同僚・部下など複数の立場からの視点の補完
- 昇進・昇格の参考材料:管理職や次世代リーダーへの登用・選抜の参考データ/判断基準
- 異動配置の参考材料:部署異動や役割変更検討の参考データ/判断基準
- Q導入時に予め準備した方が良いことは何ですか?
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360度フィードバックでは、予め以下を準備しておくとスムーズに導入しやすくなります。
■施策の導入目的
自社の課題感と組織の実態を踏まえた上で、導入目的を明確にすることで、合意形成・施策設計がスムーズになります。■フィードバックレポートの活用用途
自社でのレポート結果の活用用途は幅広いので、他社の活用事例などを参考に予め明確にしておくことで、運用イメージが明確になります。■対象者・回答者に向けた事前説明
360度フィードバックとは何か、実施背景・目的・意味、回答に必要な考え方と留意点、スケジュール、回答後の取り組み、Q&A、など対象者・回答者に向けた丁寧な広報や説明をすることで前向きな参加・協力を促します。 - Q回答者はどのように選んだら良いのでしょうか?
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回答者の選定には、以下パターンがあります。
それぞれ長所と短所がありますので、目的に合わせて選択します。■第三者(人事や上司など)が選定する
実際の運用で最も多いのは、こちらのパターンです。この方法だと第三者が選ぶがゆえに公平感があります。ただし人事に作業や手間が集中しますので作業時間の確保が必要です。また人事のみで選ぶ場合には、普段、現場の状況に目が届きづらくなっているため、正しく回答者を選定できているか注意する必要があります。■対象者本人が選定する
対象者自身が決めるため結果を受け入れやすくなりますが、一方で回答者の人選に偏りが生じる懸念もあります。好き嫌いや高い評価をしてくれそうな人だけを選ぶことは避けるためにも、普段の業務での接点がある人たちをできる限りそのまま選んでいただけるように対象者本人に説明しルールを明確化する必要があります。 - Q回答者は何名くらいが適切ですか?
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対象者1名あたりの適正な回答者数は「5〜15名」が目安となります。多数の他者から評価することで、個々人が持つ評価バイアス(厳しめに評価する人、甘めに評価する人等)が平準化されていきます。ただし、被評価者の普段の仕事ぶりやふるまいをよく知っている人でないと回答の精度は低くなるので注意が必要です。
- Q回答者は最低何名くらい必要でしょうか?
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職場の人数が少ない場合、誰が回答したかを推測されやすくなり、適切なフィードバックが回収できなかったり回答の偏りがそのまま反映されやすくなるといった影響を受けることがあります。それを避ける為にも、回答者数は最低でも「3名」できれば「5名」は設定して頂くことをお勧めいたします。
- Q率直な回答は得られないのではないでしょうか?
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このような懸念がある場合、以下の2つが有効な解決策となります。
■事前説明を丁寧に行なう
360度フィードバックの導入背景・目的、活用用途、回答に必要な考え方と留意点等の説明と併せて、個人がどんな回答をしたかが特定されることはない旨を丁寧に説明しましょう。評価することで自身に不利益が生じることがないという安心感を醸成し、率直で誠実な回答協力を得ることが重要です。■データが厳重に保存される旨を実施する
回答が社内にデータ蓄積されたり、組織内の悪意ある方から漏洩させたりするといった懸念がなくなることで社内の不信感を取り除きます。 - Q評価経験がない社員に、適切な回答をするのは難しいのではないでしょうか?
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360度フィードバックは「管理職などの上位者が一般社員である下位者の成果・パフォーマンスや、能力・スキルレベルを判断するもの」というイメージを持たれることが多く、評価者の立場になったことのない一般社員には難しいのでは?と懸念されることがよくあります。
しかし360度フィードバックは上司から部下に行う一般的な人事評価とは異なる性質のもので、対象者の「能力・スキル」を見て評価・判断するのではなく、日常の職場で現れている「行動」について観察し、回答する仕組みとなっています。よって、対象者の職場での「行動」にフォーカスを当てて、「どのぐらいその行動が発揮されているか」を問うていくため日常で仕事上の接点のある一般社員であれば判断がつき、十分に回答できるものとなっています。
- Q実施する頻度はどの程度が適切ですか?
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360度フィードバックの実施頻度は、年に1〜2回実施する企業が大半です。会社によって適正な頻度は異なりますが、出来るだけ定期的に回数を重ねた方が良い効果が期待できます。実施回数を重ねることによってデータが積み上がり、気づきを得る機会も増えて本人や組織の課題解決に繋げられる材料・機会も増えるためです。
- Q管理職への不満の声が挙がっている状態で導入しても大丈夫でしょうか?
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そのような状態の中でこそ360度フィードバックの導入をお勧めしています。ただし「事前説明」を丁寧に行った上で導入することが肝心です。上司(管理職)に対する不満を放置し続けると、従業員のモチベーション低下や職場の関係性・風土の悪化が進み、メンタル不全や離職などに繋がりやすくなります。そして、組織コンディション悪化のスパイラルにはまり込むほど、どんどん改善が難しくなっていき、その悪影響は結局上司自身にも降りかかってくることになります。
そのような手遅れな状況になる前に、上司(管理職)自らが自分の姿勢や行動が周囲に与える影響に気づき、内省を深めて改善に繋げていくことが必要で本人に重要な気づきや示唆を提供する、360度フィードバックは有効な施策と言えます。
- Q回答後はどのような取り組みをするのが良いですか?
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本人への結果フィードバック・結果活用支援、フォローアップが重要です。やりっぱなしにすると対象者も回答者もリターンが少なく実施の意味を感じづらくなり、次回以降協力が得られにくくなってしまう可能性があるため注意が必要です。特にポイントとなるのは以下です。
■フィードバックと結果活用支援
本人の気付き・内省を促すために、「報告書の見方」や「解釈の仕方」を丁寧にサポートすることが必要です。また自身の強み・弱みの把握、内省と課題化の進め方などを丁寧に解説することでフィードバックを活用できます。■評価者本人へのフォローアップ
レポートから気づきを得て自己アップデートの目標を立てたとしても、多くの方は日常業務に戻ると忙しさからアクションプランが遠のいてしまいがちです。アクションを継続するためには、会社として行動の習慣化に向けたフォローアップをすることが効果的です。
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