これから導入を検討する方へ失敗しない!はじめての360度評価施設ガイド

本ページは以下の方に
おすすめです

  • はじめての360度評価導入を
    検討している方

  • これから360度評価を
    実施するが運用が不安な方

  • 360度評価の基礎知識を
    改めて知りたい方

360度評価とは?

360度フィードバック(360度フィードバック・多面評価)とは、職場の上司、同僚、部下からのフィードバックを集め、自己評価と比較して自己成長や職場の改善を促す手法です。
自己評価だけでなく周りからの評価も含めてフィードバックを行うことで、対象者本人も日常の振る舞いが周囲にどのような影響を与えているかについて「気づき」を促します。一連の施策を通じて、個人の成長や職場内風土の改善に貢献します。

期待される効果

  • 本人に気づきを促す

    上司・部下・同僚の多角的なコメントを集めて、本人が認識できていない日常の振る舞いへの気づきを促します。

  • 評価への納得感を上げる

    周囲からの声も評価に取り入れることで、より納得感のある人事評価制度を構築することができます。

  • 成長機会を提供する

    自分自身と他者の評価を比較することで、強みや改善点をより明確に把握でき個人に成長機会を提供します。

  • パフォーマンス改善

    周囲の声を活かして個人の改善点を具体化にして、適切なパフォーマンス向上施策を講じることができます。

  • フィードバック文化醸成

    上司・同僚・部下それぞれの関係でフィードバックし合える機会を作り出し、組織風土の改善につながります。

  • リーダーシップ向上

    部下や同僚の意見を受け入れ、対する適切な対応を学ぶことができるためリーダーシップスキル向上に寄与します。

よくある「ご不安の声」

  1. 不安01

    社内に軋轢が
    生まれないか?

    360度評価を実施することで、個人攻撃、誹謗中傷が起きて職場内にお互いに対する不信感などが出てしまったり、トラブルが起きてしまうのではないか?

  2. 不安02

    結果に落ち込む方
    が出てこないか?

    他人からの評価やフィードバックをうまく受け止めきれず、ショックを受けてしまいパフォーマンスが低下する方が現れてしまうのではないか?

  3. 不安03

    やりっぱなしに
    ならないか?

    せっかく実施しても、レポートを返却して終わり、個人も職場も改善に向かうことなく一過性のアクションで終わってしまいそうな気がする。

360度評価を成功させる
ポイント

  1. POINT 01

    事前説明で理解を促す

    評価者・回答者の方向けに、事前説明の機会をつくり目的感をきちんと伝えることで本取組みへの理解を促します。

  2. POINT 02

    回答者向けガイダンス

    回答者に向けて、回答基準やコメント記載方法を説明すると適切な評価とフィードバックを収集することができます。

  3. POINT 03

    中傷コメントのチェック

    万が一、誹謗中傷コメントがあった場合はそのまま本人に届かないように評価回収時に担当者がチェックします。

  4. POINT 04

    結果の受取り方をガイド

    レポートについて正しい読み解き方を説明することで、結果に一喜一憂するだけで終わることを防ぎます。

  5. POINT 05

    行動アップデート計画

    レポートから洗い出された個人の強みと課題点を、今後どのようにアップデートするか計画する工程を取り入れます。

  6. POINT 06

    行動の継続・習慣化

    アップデート計画を継続・習慣化する仕組みを作ることで、360度評価の施策効果を人と組織の成長につなげます。

360度評価の実施までの流れ

  1. STEP 01

    目的と目標の設定

    目的と目標の設定

    最初のステップは、明確な目的と目標を設定することです。具体的な目標を設定して施策を通して達成したいことを明確にします。目標は、個人の成長、管理職の育成、リーダーシップスキルの向上、風土改善など、事業課題・人事課題に連携していることが大切です。

  2. STEP 02

    評価対象の選定

    評価対象の選定

    次に、誰が評価対象となるのかを決定します。通常は、評価対象者自身(自己評価)、直属の上司に加え日常の業務をよく知る部下・同僚から評価を収集します。レポートがより具体的になるよう評価者の選定は慎重に行なう必要があります。

  3. STEP 03

    評価者からの回答収集

    評価者からの回答収集

    次に、対象者と回答者から評価を収集します。収集したデータ(スコアやコメント)を分析し、組織・個人の強みや改善ポイントを特定します。評価結果は経年での変化パターンや役職によって見られる傾向も踏まえて分析することで、より正確に把握できます。

  4. STEP 04

    対象者へのレポート返却

    対象者へのレポート返却

    対象者に対して、対象者の強みや改善のポイントを示し、具体的な事例やコメントをまとめたレポートを返却します。対象者はレポートを通じて自身の行動が周囲にどのような影響を与えているのかに気づき自己認知を高めます。

  5. STEP 05

    アクションプラン策定とフォローアップ

    アクションプラン策定とフォローアップ

    対象者は自己アップデートのためのアクションを策定します。またアクションプランが途中で頓挫しないように定期的に実施状況をモニタリングし、行動の継続を確認します。これら一連のプロセスを継続的に行なうことが大切です。

円滑に行うためのポイント

成功のポイント

目標を明確化する
360度フィードバックを実施する前に、目標と期待成果を定義しましょう。どのような組織の課題を解決し、従業員の成長を促進するのかを明確にすることが大切です。
適切な回答者を選ぶ
対象者の普段の仕事ぶりをよく知っている方を、回答者に選びましょう。対象者1名あたりの適正な回答者数は5〜15名です。
事前説明を丁寧に行なう
360度フィードバックを実施する背景、目的、活用用途をはじめ、回答に必要な考え方や留意点等の説明を丁寧に行ないましょう。また不安点や懸念を払拭することも大切です。
レポートを丁寧に読み解く
フィードバックレポートは、普段認識していない自分を知る貴重なです。レポートから新たな気づきを得るために、内容をきちんと読み解く機会を設定します。
内省の場を提供する
レポートは配布して終わりにするのではなく、ふり返りの場を設けましょう。また得られた「強み」と「課題」に対する気づきから、自己成長に紐づくアクションプランを設計しましょう。

失敗の要因

フィードバックが無視される
フィードバックを収集しても、それを無視する方が多くいると、組織的な失敗につながります。フィードバックに対して具体的なアクションプランがないと価値が発揮されません。
不適切なコメントが集まる
回答者がフィードバックの趣旨をきちんと理解していない場合、コメントに誹謗中傷や忖度のある無意味な内容が記載されることがあります。
回答が集まらない
事前説明や効率的な回収方法がない場合、有効な回答数が集まらず施策効果が発揮されないことがあります。回答者全員からきちんと回収するためのフォローアップが必要です。
落ち込む社員が出る
フィードバック内容について正しい読み解き方フォローををしないと、自分に自信のない方・マイナス思考を持ち気味の方などに心理的な負担感を与えてしまう恐れがあります。
匿名性が損なわれる
回答の匿名性を守られない場合、回答者から本音を集めづらくなり適切なフィードバックが集まらず実施効果が薄れます。回答者のプライバシーを尊重し、匿名性を維持することが重要です。

よくあるご質問

Q
360度フィードバックの活用目的は何ですか?
A

360度フィードバックは、一般的には以下の目的での活用が想定されます。
実際は、能力開発面、特に人材育成を主目的として始める企業が多くなります。

■能力開発

  • 人材育成:特に管理職層の意識・行動改善、役割再認識
  • 組織風土改善:タテヨコのコミュニケーション・関係性改善
  • 企業理念・バリュー浸透:重要な価値基準・行動規範の啓蒙と確認

■人事管理

  • 人事評価の公平性・客観性向上:上司だけでなく同僚・部下など複数の立場からの視点の補完
  • 昇進・昇格の参考材料:管理職や次世代リーダーへの登用・選抜の参考データ/判断基準
  • 異動配置の参考材料:部署異動や役割変更検討の参考データ/判断基準
Q
導入時に予め準備した方が良いことは何ですか?
A

360度フィードバックでは、予め以下を準備しておくとスムーズに導入しやすくなります。

■施策の導入目的
自社の課題感と組織の実態を踏まえた上で、導入目的を明確にすることで、合意形成・施策設計がスムーズになります。

■フィードバックレポートの活用用途
自社でのレポート結果の活用用途は幅広いので、他社の活用事例などを参考に予め明確にしておくことで、運用イメージが明確になります。

■対象者・回答者に向けた事前説明
360度フィードバックとは何か、実施背景・目的・意味、回答に必要な考え方と留意点、スケジュール、回答後の取り組み、Q&A、など対象者・回答者に向けた丁寧な広報や説明をすることで前向きな参加・協力を促します。

Q
回答者はどのように選んだら良いのでしょうか?
A

回答者の選定には、以下パターンがあります。
それぞれ長所と短所がありますので、目的に合わせて選択します。

■第三者(人事や上司など)が選定する
実際の運用で最も多いのは、こちらのパターンです。この方法だと第三者が選ぶがゆえに公平感があります。ただし人事に作業や手間が集中しますので作業時間の確保が必要です。また人事のみで選ぶ場合には、普段、現場の状況に目が届きづらくなっているため、正しく回答者を選定できているか注意する必要があります。

■対象者本人が選定する
対象者自身が決めるため結果を受け入れやすくなりますが、一方で回答者の人選に偏りが生じる懸念もあります。好き嫌いや高い評価をしてくれそうな人だけを選ぶことは避けるためにも、普段の業務での接点がある人たちをできる限りそのまま選んでいただけるように対象者本人に説明しルールを明確化する必要があります。

Q
回答者は何名くらいが適切ですか?
A

対象者1名あたりの適正な回答者数は「5〜15名」が目安となります。多数の他者から評価することで、個々人が持つ評価バイアス(厳しめに評価する人、甘めに評価する人等)が平準化されていきます。ただし、被評価者の普段の仕事ぶりやふるまいをよく知っている人でないと回答の精度は低くなるので注意が必要です。

Q
回答者は最低何名くらい必要でしょうか?
A

職場の人数が少ない場合、誰が回答したかを推測されやすくなり、適切なフィードバックが回収できなかったり回答の偏りがそのまま反映されやすくなるといった影響を受けることがあります。それを避ける為にも、回答者数は最低でも「3名」できれば「5名」は設定して頂くことをお勧めいたします。

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